導線に電流を流すと、導線の周りに 磁界 が発生します。
右ねじの法則は
導体やコイルに電流を流した時に、発生する磁界がどの向きになるかを示す法則です。
右ねじの法則はフランスの物理学者、アンドレ=マリ・アンペールによって発見された法則です。
右ねじの法則とは
右ねじの法則 は電流と磁気に関する法則で、電磁気学の基本と言われる法則です。
右ねじの法則は アンペールの右ねじの法則 とも言われます。
右ねじの法則とは、電流と磁界の向きに関する法則です。
ねじが進む方向へ 電流 を流すと、右ねじの回転方向に 磁界 が生じるという法則です。
■ 右ねじとは
右ねじとは 右方向(時計方向)に回す と前に進む ねじ のことです。
導体に電流が流れたときの磁界
■ 導体に下向きの電流が流れると、右ねじの法則により磁界は
図のような向きになります。
★ 電流の向きが逆になれば、磁界の向きは反対(反時計方向)になります。
■ 導体にできる磁界の形状
導体に電流が流れると、磁界は図のように同心円状にできます。
■ 電流の向きを表す記号
電流の向きを平面的に表すときに、図のような記号を使います。
■ 磁界の向きと方位磁針
図のように 手前から奥 に向かって電流が流れた時
発生する磁界の向きは時計方向になります。
この時、方位磁針をおくと図のようにN極が磁界の向きになります。
コイルに電流が流れたときの磁界の向き
導線を図のようにぐるぐると巻いたものをコイルといいます。
コイルに電流を流すと磁界が発生します。
電流の向きを変えると磁界の向きも変わります。
この時発生する磁界の向きも、右ねじの法則によって知ることができますが
コイルの場合は次の図のように 右手の法則 を使うとよくわかります。
むずかしい法則ではないので、簡単に覚えられると思いますが
次のような覚え方があります。
右手を握り、図のように親指を向けます。
握った指を電流の向きとすると、親指の方向が磁界の向きになります。
磁界の向きと方位磁針
コイルに図のような向きの電流を流します。
この時方位磁針をコイルの周りにおくと、図のようになります。
これは、ひとつの磁石があるのと同じことになります。
このように電流を流したときに、磁石になるものを 電磁石 といいます。
電磁石には次のような、特徴があります。
- 電流を多くすると、磁力が大きくなる。
- コイルの巻数を増やすと、磁力が大きくなる。
- コイルの中に鉄芯を入れると、磁力が大きくなる。
アンペールの周回路の法則
無限長の直線状導体に電流 \(I\) が流れています。
この電流が作る磁界の強さが等しいところをたどり 1 周します。
1周した磁路の長さ \(l\) [m] と 磁界の強さ \(H\) [A/m] の積は
電流 \(I\) [A] に等しくなります。
これを アンペールの周回路の法則 といいます。
\(Hl=I\) (磁界の強さ×磁路の長さ=電流)
以上で「右ねじの法則で電流と磁界の関係を知る」の説明を終わります。