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合成抵抗の求め方と計算例

この記事では直列接続の合成抵抗と並列接続の合成抵抗の求め方を紹介します。

直列接続の合成抵抗は足し算 をすれば良いので簡単です。

並列接続の合成抵抗は単純に足し算ができません ので注意が必要です。

例題を使って合成抵抗の求め方を説明します。

目次

直列接続の合成抵抗の求め方と計算例

■ 合成抵抗とは 2個以上の抵抗 を 1つの抵抗 に置き換えたときの 抵抗値 をいいます。

直列接続の合成抵抗の求め方

直列接続の合成抵抗の求め方は、それぞれの抵抗の足し算をすれば良い。

\(R=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n\) [Ω] 


抵抗が直列接続のときの合成抵抗の求め方は、2個でも3個でもそれ以上でも、単純に足し算をすれば求めることができます。

\(R=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n\) 

例題1


2つの抵抗を足せば良いので

\(30+15=45\) [Ω] になります。

例題2


直列接続は何個あっても、足せば良いので

\(10+8+9=27\) [Ω] になります。

直列接続の合成抵抗が足し算になる理由

\(n\) 個の抵抗の直列接続の回路に流れる電流 \(I\) は、各抵抗に同じ大きさの電流が流れます。

それぞれの抵抗に掛かる電圧は、次のようになります。

\(R_1\) にかかる電圧 \(V_1\)

\(R_2\) にかかる電圧 \(V_2\)

\(R_3\) にかかる電圧 \(V_3\)

\(R_n\) にかかる電圧 \(V_n\) とすると

\(E=V_1+V_2+V_3+\cdots+V_n\cdots(1)\) になります。

オームの法則 から

\(E=RI\)

\(V_1=R_1I\)

\(V_2=R_2I\)

\(V_3=R_3I\)

\(V_n=R_nI\) ですから

式(1)に代入すると

\(RI=R_1I+R_2I+R_3I+\cdots+R_nI\) になります。

両辺を、電流 \(I\) で割ると

\(R=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n\) [Ω] となります。

直列接続の合成抵抗の求め方

直列接続の合成抵抗の求め方は、それぞれの抵抗の足し算をすれば良い。

\(R=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n\) [Ω] 

並列接続の合成抵抗の求め方と計算例

並列接続の合成抵抗の求め方

並列接続の合成抵抗は、次のようになります。

合成抵抗の逆数=それぞれの抵抗の逆数の和 

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}+\cdots+\cfrac{1}{R_n}\) [Ω]

並列接続の抵抗が2個以上のときの公式

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}+\cdots+\cfrac{1}{R_n}\) になります。

和分の積の公式

並列接続の抵抗が2個のときは「和分の積」の公式が使えます

【重要】
■ ただし、「和分の積」の公式は2個のときだけしか使えない。

■ 並列接続の合成抵抗は、元のそれぞれの抵抗の値より、必ず小さい値になります。

和分の積の公式

和分の積の公式

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\) [Ω]

和分の積の公式は、次のように求められます。

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}\) を変形して

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\) 

例題1


和分の積の公式に代入して

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)

\(=\cfrac{30×20}{30+20}=\cfrac{600}{50}=12\) [Ω] 

例題2


和分の積の公式に代入して

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)

\(=\cfrac{50×50}{50+50}=\cfrac{2500}{100}=25\) [Ω] になります。

【重要】
★並列に接続する抵抗が「同じ値」のときは、抵抗値を抵抗の数で割れば答えになります。

\(30\) [Ω] の抵抗を2個並列にした場合は

\(R=\cfrac{30}{2}=15\) [Ω] となります。

同様に \(30\) [Ω] を3個並列に接続した場合は

\(R=\cfrac{30}{3}=10\) [Ω] となります。

並列接続の抵抗が3個のときの合成抵抗の求め方

例題3


■ 基本の解き方

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}\) の公式から

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{30}+\cfrac{1}{20}+\cfrac{1}{12}\)

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{4}{120}+\cfrac{6}{120}+\cfrac{10}{120}\)

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{20}{120}=\cfrac{1}{6}\)

\(R=6\) [Ω]  

■ 和分の積を使う方法

図のように「和分の積」の公式を2回に分けて使います。

青丸の \(20\) [Ω] と \(30\) [Ω] の抵抗を「和分の積」で計算します。

\(\cfrac{20×30}{20+30}=12\) 

次に、赤丸の \(12\) [Ω] と \(12\) [Ω] を「和分の積」で計算すると

\(\cfrac{12×12}{12+12}=\cfrac{144}{24}=6\) [Ω] になります。

この場合は、\(12\) [Ω] が2個なので、\(12\) [Ω] の半分の \(6\) [Ω] になることはすぐに分かります。

並列接続の合成抵抗の逆数がそれぞれの抵抗の逆数の和になる理由

\(n\) 個の抵抗の並列接続の回路の抵抗にかかる電圧 \(E\) は同じ大きさです。

それぞれの抵抗に流れる電流は、次のようになります。

\(R_1\) に流れる電流を \(I_1\)

\(R_2\) に流れる電流を \(I_2\)

\(R_3\) に流れる電流を \(I_3\)

\(R_n\) に流れる電流を \(I_n\)

\(I=I_1+I_2+I_3+\cdots+I_n\cdots(1)\) になります。

オームの法則 から

\(I=\cfrac{E}{R}\)

\(I_1=\cfrac{E}{R_1}\)

\(I_2=\cfrac{E}{R_2}\)

\(I_3=\cfrac{E}{R_3}\)

\(I_n==\cfrac{E}{R_n}\) ですから

式(1)に代入すると

\(\cfrac{E}{R}=\cfrac{E}{R_1}+\cfrac{E}{R_2}+\cfrac{E}{R_3}+\cdots+\cfrac{E}{R_n}\) になります。

両辺を、電圧 \(E\) で割ると

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}……\cfrac{1}{R_n}\quad\rm[Ω]\) となります。

抵抗の逆数は コンダクタンス になります。

コンダクタンスは \(G\) で表し、記号に [S] ジーメンス を使います。

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}+\cdots+\cfrac{1}{R_n}\) [Ω] 

をコンダクタンスで表すと

\(G=G_1+G_2+G_3+\cdots+G_n\) [S] となります。

複雑な接続の合成抵抗の求め方

直並列接続の合成抵抗の求め方

並列になっている \(R_1\) と \(R_2\) を和分の積で求め

その合成抵抗と \(R_3\) の合成抵抗を求めます。

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}+R_3\)

その他の直並列接続の合成抵抗の求め方

\(R_2\) と \(R_3\) を1個にまとめて合成抵抗を計算して

その合成した抵抗と \(R_1\) で「和分の積」で計算します。

\(R=\cfrac{R_1(R_2+R_3)}{R_1+(R_2+R_3)}\) 

練習問題

問題1

合成抵抗 \(R\) を求めよ。

<解答例>

直並列接続の合成抵抗の計算のコツは、並列接続の抵抗を1個にまとめることです。

並列接続のところは「和分の積」を使います。

\(R=\cfrac{20×80}{20+80}+30=46\) [Ω] 

問題2

合成抵抗 \(R\) を求めよ。

<解答例>

\(4\) [Ω] と \(14\) [Ω] で \(18\) [Ω] になります。

\(18\) [Ω] と \(12\) [Ω] で「和分の積」を使います。

\(R=\cfrac{18×12}{18+12}=\cfrac{36}{5}\)

\(R=7.2\) [Ω] 

問題3

合成抵抗 \(R\) を求めよ。


<解答例>

左側の並列抵抗と右側の並列抵抗を求めて、それぞれの合成抵抗を足し算すれば求められます。

逆数を使った通常のやり方でも良いのですが

抵抗値が同じ場合の並列抵抗は個数で割れば合成抵抗を求められます。

左側の合成抵抗\(R_1=\cfrac{30}{3}=10\) [Ω]  

右側の合成抵抗\(R_2=\cfrac{30}{2}=15\) [Ω]  

したがって
\(R=10+15=25\) [Ω] になります。

問題4

合成抵抗 \(R\) を求めよ。

<解答例>

\(R_1\) の合成抵抗から順に求めていきます。

\(R_1=\cfrac{10}{2}=5\) [Ω] 

\(R_1=5\) [Ω] に直列の \(5\) [Ω] を足すと \(10\) [Ω]  

\(R_2\) は \(10\) [Ω] と \(10\) [Ω] の並列なので \(5\) [Ω] になります。

\(R_2=5\) [Ω] に直列の \(5\) [Ω] を足すと \(10\) [Ω]  

\(R_3\) は \(10\) [Ω] と \(10\) [Ω] の並列なので \(5\) [Ω] になります。

したがって
\(R=5\) [Ω] になります。

まとめ

合成抵抗とは、複数の抵抗を1つの抵抗として抵抗値を求めることです。

直列接続の合成抵抗

合成抵抗の求め方は、直列接続の時は単純に足し算をすれば良い。

直列接続の合成抵抗の求め方

直列接続の合成抵抗の求め方は、それぞれの抵抗の足し算をすれば良い。

\(R=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n\) [Ω] 

並列接続の合成抵抗

抵抗の並列接続の合成抵抗は、合成抵抗の逆数がそれぞれの抵抗の逆数の和になります。

並列接続の合成抵抗の求め方

並列接続の合成抵抗は、次のようになります。

合成抵抗の逆数=それぞれの抵抗の逆数の和 

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}+\cdots+\cfrac{1}{R_n}\) [Ω]

和分の積

2つの抵抗の並列接続の合成抵抗は、「和分の積」の公式が使える。

和分の積の公式

和分の積の公式

\(R=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\) [Ω]

【重要】
★ただし、「和分の積」の公式は2個のときだけしか使えない。

★並列接続の合成抵抗は、元のそれぞれの抵抗の値より、必ず小さい値になります。

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以上で「合成抵抗の求め方と計算例」の説明を終わります。

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