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抵抗による電圧の分圧

抵抗を直列に接続した回路では、抵抗値に比例して電圧降下が起こります。

キルヒホッフの第2法則により、電源電圧は電圧降下の和と等しい となります。

電源電圧が抵抗の大きさに比例して、分かれることを 電圧の分圧 と呼びます。

ここでは、抵抗による電圧の分圧について説明します。

目次

直列接続では抵抗の大きさに比例して分圧される

電圧の分圧とは

直列に接続された各抵抗の大きさに比例して、電圧が分圧されることをいいます。

図のように、電源 \(E\) に二つの抵抗 \(R_1、R_2\) を直列に接続した回路では

それぞれの抵抗の大きさに比例した電圧 \(V_1\) と \(V_2\) に分圧されます。

分圧される電圧の大きさは、抵抗の大きさに比例します。

分圧された \(V_1\) と \(V_2\) を求める

抵抗 \(R_1\) と \(R_2\) は、直列接続なので合成抵抗 \(R\) は

\(R=R_1+R_2\) [Ω] 

電源電圧は \(E\) [V] なので、回路に流れる電流 \(I\) は

オームの法則から

\(I=\cfrac{E}{R}\)

\(I=\cfrac{E}{R_1+R_2}\) [A]

抵抗 \(R_1\) にかかる電圧 \(V_1\) を求める

\(V_1=R_1I\) なので

\(V_1=\cfrac{R_1}{R_1+R_2}E\) [V]

抵抗 \(R_2\) にかかる電圧 \(V_2\) を求める

\(V_2=R_2I\) なので

\(V_2=\cfrac{R_2}{R_1+R_2}E\) [V] となり

電圧の分圧

分圧される電圧の大きさは、抵抗の大きさに比例することが分かります。

\(V_1=\cfrac{R_1}{R_1+R_2}E\) [V]

\(V_2=\cfrac{R_2}{R_1+R_2}E\) [V]

分圧の法則

抵抗 \(R_1\) と \(R_2\) により分圧された電圧を求めるための式は、次の式で表されます。

分圧の法則

\(V_1=\cfrac{R_1}{R_1+R_2}E\) [V]

\(V_2=\cfrac{R_2}{R_1+R_2}E\) [V]

これを一般的な表現で表すと、次のようになります。

電圧の分圧を応用した倍率器

電圧計の測定範囲を拡大する場合の、倍率器の抵抗値を求める方法を説明します。

\(V_v\cdots\)電圧計の最大測定値

\(V\cdots\)測定したい電圧

\((m=\cfrac{V}{V_v})\)\(\cdots\)電圧の倍率

\(R_p \cdots\) 倍率器の抵抗値

\(r_v\cdots\) 電圧計の内部抵抗 とすると

\(R_p=(m-1)r_v\) [Ω] になります。

倍率 m の求め方

電圧の倍率 \(m\) は

\(m=\cfrac{V}{V_v} \cdots(1)\)

倍率器の抵抗値

電圧計に倍率器を接続した回路に流れる電流 \(I\) は

\(I=\cfrac{V}{r_v+R_p}\cdots(2)\)

電圧計の指示 \(V_v\) は

\(V_v=r_vI\cdots(3)\)

式(3) に式(2) を代入すると

\(V_v=r_v×\cfrac{V}{r_v+R_p}\cdots(4)\)

式(4) を変形して

\(\cfrac{V}{V_v}=m=\cfrac{r_v+R_p}{r_v}\)

\(mr_v=r_v+R_p\)

\(R_p=mr_v-r_v=(m-1)r_v\) [Ω]

倍率器の抵抗の式

\(R_p=(m-1)r_v\) [Ω] となります。

分圧を応用することで、電圧計の測定範囲を広くすることができます。

練習問題

問題1

倍率器の抵抗を求めよ。

電圧計の内部抵抗 10 [kΩ]、電圧計最大値が 100 [V] の電圧計を、600 [V] まで測定できるようにする

倍率器の抵抗 \(R_p\) はいくらになるか求めよ

<解答例>

計算式に当てはめると次のようになります。

電圧の倍率 \(=600/100=6\)

\(R_p=(6-1)×10000\) [kΩ]

\(R_p=50\) [kΩ]  

問題2

図のような直流回路があります。抵抗 \(R\) の値を求めよ。


<解答例>

抵抗 \(R\) の電圧降下を \(V_R\) とすると

\(V_R=4R\) になります。

2 [Ω] に流れる電流 \(I_1\) は

\(I_1=\cfrac{V_R}{2}=\cfrac{4R}{2}=2R\) になります。


点a での電流を考えると

\(I=4+2R\cdots(1)\)

図のような閉回路の電圧から式を立てると

\(3I+2×2R=\cdots(2)\)


式(2)に式(1)を代入して計算します。

\(3(4+2R)+4R=100\)

\(R=8.8\) [Ω] になります。

以上で「抵抗による電圧の分圧」の説明を終わります。

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