キルヒホッフの法則を理解して使い方を知りましょう

この記事で書いていること

キルヒホッフの法則は オームの法則 で解くことができない電気回路の問題を解く場合に使う法則です。

キルヒホッフの法則は 

第1法則(電流に関する法則)と第2法則(電圧に関する法則)があります。

この記事ではキルヒホッフの法則の理解と使い方について、数値を入れて分かりやすく解説します。

キルヒホッフの法則を使えるようになると、複雑な回路の問題を解くことができるようになります。

目次

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの第1法則から説明します。

キルヒホッフの第1法則は電流に関する法則です

キルヒホッフの第1法則

電気回路の任意の分岐点において 流入する電流の和は流出する電流の和に等しい

例 1

P点の電流を見てみると

流入する電流は 5A と 3A です。

流出する電流は、当然 8A になります。

キルヒホッフの第1法則は

任意の点において入ってくる電流の和と出ていく電流の和は等しい

という当たり前の法則です。

例 2

同様に流入と流出で見てみると

P点において 流入する電流の和流出する電流の和 になります。

例 3

一般的な式で表すと次のようになります。

P点において \(I_1+I_2=I_3\) になります。

次も同様です。

P点において \(I_1+I_2=I_3+I_4\) になります。

 

キルヒホッフの第2法則は電圧に関する法則です

キルヒホッフの第2法則

電気回路の任意の閉回路における 起電力の和は電圧降下の和に等しい

次の回路を使ってキルヒホッフの第2法則を説明します。

この回路において

\(V_2=V_3\)

\(E=V_1+V_2\)  または  \(E=V_1+V_3\)  が成立します。

この回路では3つの閉回路を取ることができます。

閉回路 1

この回路では右回りを正として決めます。回路を流れる電流を図のようにします。

起電力は正の値 \(+E\)

\(R_1\)、\(R_2\) の電圧降下は共に正の値  \(+R_1I_1\)   \(+R_2I_2\)

キルヒホッフの第2法則から

\(+E=R_1I_1+R_2I_2 \cdots(1)\)  

閉回路 2

この回路でも右回りを正として考えます。

起電力は正の値 \(+E\)

\(R_1\)、\(R_3\) の電圧降下は共に正の値  \(+R_1I_1\)   \(+R_3I_3\)

キルヒホッフの第2法則から

\(+E=R_1I_1+R_3I_3 \cdots(2)\)  

閉回路 3

この回路でも右回りを正として考えます。

この回路には起電力がありませんので、起電力は 0 です。

\(R_2\) の電圧降下は正の値  \(+R_2I_2\)

\(R_3\) の電圧降下は負の値  \(-R_3I_3\)

キルヒホッフの第2法則から

\(0=R_2I_2-R_3I_3 \cdots(3)\)  

また電流の関係式は

\(I_1=I_2+I_3 \cdots(4)\)  

上の連立方程式から電流値を求められます

キルヒホッフの法則の使い方

キルヒホッフの法則で問題をどのように、解くのかを説明します。

問題 それぞれの抵抗に流れる電流を求めよ。

手順

任意の分岐点 P において キルヒホッフの第1法則 を使います。

電流の記号と流れる向きを、次のように \(I_1、I_2\) と予想して決めます。

  1. 電流の流れる向きは、仮定で決めてかまいません。
  2. 決めた向きと逆の場合は、計算の結果がマイナスになります。
  3. \(I_1+I_2=I_3\)  として計算しても構いません。

キルヒホッフの第2法則で方程式を立てるには

閉回路の向きについて と 起電力と電圧降下の正負 について理解する必要があります。

問題の回路では、3つの閉回路を考えることができます

閉回路1

キルヒホッフの第2法則は 起電力の和=電圧降下の和 です。

起電力と閉回路の向きが同じなので、起電力はプラスです。

2つの抵抗に流れる電流と閉回路の向きが同じなので、電圧降下はプラスです。

\(120=10I_1+10(I_1+I_2)\)

\(120=20I_1+10I_2 \cdots (1)\)

閉回路2

2つ目の閉回路は、緑の矢印の回路です。

120Vの起電力は、プラスです。

10Vの起電力は、マイナスです。

10Ωの抵抗の電圧降下は、プラスです

20Ωの抵抗の電圧降下は、マイナスです。

\(120-10=10I_1-20I_2\)

\(110=10I_1-20I_2 \cdots (2)\)

式(1)の両辺を2倍します。

\(240=40I_1+20I_2 \cdots (3)\)

式(3)と式(2)の両辺を加算します。

\(350=50I_1\)

\(I_1=7\) [A] 

式(2)に \(I_1=7\) を代入すると

\(110=10×7-20I_2\)

\(I_2=-2\) [A] 

\(I_2=-2\) [A] ということは、仮定した電流の向きと逆の方向を表しています。

各枝路に流れる電流は次のようになります。

練習問題

問題1


次の回路に流れる電流 \(I_1、I_2、I_3\) を求めよ。

<解答例> 

1.分岐点 \(\rm P\) における電流の関係は、キルヒホッフの第1法則から


\(I_1-I_2+I_3=0\)

\(I_1+I_3=I_2\cdots(1)\)

2.図の上の回路で矢印の方向に閉回路を考えたとき、キルヒホッフの第2法則から


\(5I_1+20I_2=12\cdots(2)\)

3.図の下の回路で矢印の方向に閉回路を考えたとき、キルヒホッフの第2法則から


\(I_1+I_3=I_2\cdots(1)\) 

\(5I_1+20I_2=12\cdots(2)\)

\(10I_3+20I_2=11\cdots(3)\)

式(1)を式(2)に代入すると

\(5I_1+20(I_1+I_3)=12\)

\(25I_1+20I_3=12\cdots(4)\)

式(3)を変形して、式(2)に代入すると

\(20I_2=11-10I_3\)

\(5I_1+(11-10I_3)=12\)

\(5I_1-10I_3=1\cdots(5)\)

式(5)を変形して、両辺を2倍すると

\(20I_3=10I_1-2\cdots(6)\)

式(6)を式(4)に代入すると

\(25I_1+(10I_1-2)=12\)

\(35I_1=14\)

\(I_1=0.4\) [A]

\(I_1\) を式(6)に代入すると

\(I_3=0.1\) [A]

\(I_2=I_1+I_3\) ですから

\(I_2=0.4+0.1=0.5\) [A] になります。

問題2


次の回路の電流 \(I_1、I_2\) を求めよ。

<解答例>

ここではループ電流法を使って、回路を解きます。

\(10\) [Ω] に流れる電流を \(I_1-I_2\) とします。


閉回路と向きを決めます。


閉回路1で式を立てます。

\(58+18=6I_1+4I_2\)

\(76=6I_1+4I_2\cdots(1)\)

閉回路2で式を立てます。

\(18=4I_2-(I_1-I_2)×10\)

\(18=-10I_1+14I_2\cdots(2)\)

連立方程式を解きます。

式(1)に5を掛けて、式(2)に3を掛けて足し算をします。

\(380=30I_1+20I_2\)

\(54=-30I_1+42I_2\)

2つの式を足し算します。

\(434=62I_2\)

\(I_2=7\) [A]

\(I_2\) を式(2)に代入すると

\(18=-10I_1+14×7\)

\(I_1=8\) [A]

したがって

\(I_1=8\) [A]

\(I_2=7\) [A]

\(10\) [Ω] に流れる電流は次のようになります。

\(I_1-I_2=1\) [A]

以上で「キルヒホッフの法則を理解して使い方を知りましょう」の説明を終わります。

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