キルヒホッフの法則の手順




キルヒホッフの第1法則\(\cdots\)流入する電流の総和=流出する電流の総和

キルヒホッフの第2法則\(\cdots\)閉回路にある起電力の総和は、電圧降下の総和に等しい

次のような図を、キルヒホッフの法則で解析する場合の手順を説明します。

キルヒホッフの法則の手順

1.回路の各枝路に流れる電流を決める。
2.任意の接続点でキルヒホッフの第1法則を適用する。
3.閉回路の方向を決めてキルヒホッフの第2法則を適用する。
4.解を求める。

●手 順1
対象の回路の各枝路電流の大きさ(記号)と、方向を仮定します。仮定の仕方には何通りもあります。

極端にいえば、電流の方向をどのように決めても構いませんが、次の図のように最も妥当と思われるものにします。

ここで仮定した枝電流、\(I_1、I_2、I_3\) は、いずれも未知数です。

●手 順2
接続点 P に第1法則を適用します。

\(I_1+I_3=I_2\) が成立します。

●手 順3
キルヒホッフの第2法則を適用する閉回路を決めます。

閉回路をたどる方向は、「右回りでも左回り」でもどちらでも構いません。

ここでは、右回りを考えて見ましょう。図のように閉回路は A、B、C と3つあります。

3つのうち、2つを取れば回路中のすべての枝路が含まれます。

ここでは、閉回路 A と閉回路 B を採用します。

閉回路 A
起電力は、電流の方向と閉回路の方向が同じなので、正になります。\(+E_1、+E_2\)

電圧降下も、電流の方向と閉回路の方向が同じなので、正になります。\(+R_1I_1、+R_2I_2\)

\(E_1+E_2=R_1I_1+R_2I_2\)

\(190=20I_1+30I_2\)

閉回路 B
起電力は、電流の方向と閉回路の方向が逆なので、負になります。\(-E_2、-E_3\)

電圧降下も、電流の方向と閉回路の方向が逆なので、負になります。\(-R_2I_2、-R_3I_3\)

\(-E_2-E_3=-R_2I_2-R_3I_3\)

\(-50=-30I_2-20I_3\) 両辺の符号を変えると

\(50=30I_2+20I_3\)

●手 順4
これまでに導き出された、それぞれの方程式を解きます。

\(I_1+I_3=I_2 \cdots(1)\)

\(E_1+E_2=I_1R_1+I_2R_2 \cdots(2)\)

\(E_2+E_3=I_2R_2+I_3R_3 \cdots(3)\)

\(I_2=I_1+I_3 \cdots(4)\)

\(190=20I_1+30I_2 \cdots(5)\)

\(50=30I_2+20I_3 \cdots(6)\)

この方程式を解くと、次のようになります。

\(I_1=5\) [A]

\(I_2=3\) [A]

\(I_3=-2\) [A]

電流 \(I_3\) は(-)符号になりましたので、実際の流れは仮定した方向とは反対になっていることがわかります。

キルヒホッフの法則の例題

例題1
図のような回路 ABC において、キルヒホッフの法則を適用しなさい。

<解答>
●起電力 \(E_1、E_2\) は電流の方向と閉回路の方向が同じなので正、\(E_3\) は電流の方向と閉回路の方向が逆なので負になります。

起電力の和は \(E_1+E_2-E_3\) になります。

●電圧降下\(R_1I_1、R_2I_2\) は電流の方向と閉回路の方向が同じなので正、\(R_3I_3\) は電流の方向と閉回路の方向が逆なので負になります。

電圧降下の和は、\(R_1I_1+R_2I_2-R_3I_3\) なので

\(E_1+E_2-E_3=I_1R_1+I_2R_2-I_3R_3\) となります。

例題2
図のような回路 ABCD において、キルヒホッフの法則を適用しなさい。

<解答>
●起電力 \(48V、24V\) は電流の方向と閉回路の方向が同じなので正、\(12V、6V\) は電流の方向と閉回路の方向が逆なので負になります。

起電力の和は \(48+24-12-6=54\) [V] になります。

●電圧降下 \(20I_1、15I_2\) は電流の方向と閉回路の方向が同じなので正、\(10I_3、5I_4\) は電流の方向と閉回路の方向が逆なので負になります。

電圧降下の和は、\(20I_1+15I_2-10I_3-5I_4\) なので

\(54=20I_1+15I_2-10I_3-5I_4\) となります。

以上で「キルヒホッフの法則の手順」の説明を終わります。







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