アフィリエイト広告を利用しています

ノートンの定理と使い方

ノートンの定理は求めるものが、電圧の時に役立つ定理です。

求めるものが電流の時に使う定理は、テブナンの定理です。

この記事は、ノートンの定理の手順と使い方を説明します。

目次

ノートンの定理とは

テブナンの定理は求めたいものが、電流の場合に使う定理です。

ノートンの定理 は求めるものが 電圧 のときに使うと便利な定理です。

ノートンの定理は、次のような回路の 電圧 \(V\)  を求めるときに使います。

ノートンの定理の手順と使い方

ノートンの定理の手順

  1. 電圧を求めたい部分の抵抗を取り外す。
  2. 合成コンダクタンス \(G_0\) を求める。(回路内部の電源をすべて短絡する)
  3. 短絡電流 \(I_0\) を求める。(求めたいところの抵抗を短絡する)
  4. 電流源の等価回路に変換する。
  5. 目的の電圧 \(V=\cfrac{I_0}{G_0+G_S}\) [V] を求める。

例 題

図の回路においてノートンの定理を使う手順を説明します。

手 順

1.電圧を求めたい部分の抵抗を取り外します。

2.合成コンダクタンスを求めます。

回路内部の電源をすべて短絡し、端子 ab 間から見たコンダクタンス \(G_0\) (抵抗の逆数)を求めます。

コンダクタンスは抵抗の逆数で \(G\) で表します。
単位は [S] ジーメンスです。

\(G=\cfrac{1}{R}\) [S] 

コンダクタンスの並列接続は、各コンダクタンスを足し算すれば良いので

合成コンダクタンスは \(G_0=G_1+G_2\) となります。

3.短絡電流を求めます。

次に電圧を求めたいところの抵抗を短絡し、短絡電流 \(I_0\) を求める。

抵抗 \(R_2\) は短絡されるので、無くして構いません。

4.等価回路に変換します。

合成コンダクタンスと短絡電流から

元の回路は 電流源 の回路に変換することができます。

したがって、求める電圧は

\(V=\cfrac{I_0}{G_0+G_S}\) [V] になります。

練習問題

問題1

次の図のような回路について、ノートンの定理で問題を解いてみましょう。

■ 求めたい部分の抵抗を取り外します。

■ 合成コンダクタンスを求めます。

回路内部の電源をすべて短絡し

端子 ab 間から見た

コンダクタンス \(G_0\) (抵抗の逆数)を求めます。

\(G_1=\cfrac{1}{2}=0.5\)

\(G_2=\cfrac{1}{1}=1\)

\(G_0=G_1+G_2=1.5\) [S] 

■ 短絡電流を求める。

抵抗 \(R_S\) があった部分を短絡させます。

抵抗 \(R_S\) を短絡させたので

抵抗 \(R_2\) に流れる電流は \(0\) になります。

短絡電流は

\(I_0=\cfrac{E}{R_1}=\cfrac{6}{2}=3\) [A]

■ 等価回路に変換します。

合成コンダクタンスと短絡電流から

元の回路は 電流源 の回路に変換することができます。

抵抗 \(R_S\) にかかる電圧は

\(V=\cfrac{I_0}{G_0+G_S}=\cfrac{3}{2}=1.5\) [V] になります。

問題2

次の回路の \(R_3\) にかかる電圧をノートンの定理で求めよ。

<解答例>

■ 抵抗 \(R_3\) を取り外します。

■ 合成コンダクタンス \(G_0\) を求める。(回路内部の電源をすべて短絡する)

\(G_0=G_1+G_2\)

\(G_0=\cfrac{1}{6}+\cfrac{1}{4}=\cfrac{5}{12}\) [S] 

■ 短絡電流 \(I_0\) を求める。

電圧を求めたいところの抵抗を短絡します。

\(I_0=I_1+I_2=\cfrac{E_1}{R_1}+\cfrac{E_2}{R_2}\)

\(I_0=\cfrac{72}{6}+\cfrac{12}{4}=15\) [A] 

■ 等価回路に変換します。

\(V=\cfrac{I_0}{G_0+G_3}\)

\(V=\cfrac{15}{\cfrac{5}{12}+\cfrac{1}{3}}\)

\(V=20\) [V] 

したがって、抵抗 \(R_3\) にかかる電圧は 

\(20\) [V] になります。

問題3

次の回路の、抵抗 \(R\) にかかる電圧 \(V\) をノートンの定理で求めよ。

<解答例>

■ 抵抗 \(R\) を取り外します。

■ 合成コンダクタンス \(G_0\) を求める。(回路内部の電源をすべて短絡する)

\(G_0=G_1+G_2\)

\(G_0=\cfrac{1}{30}+\cfrac{1}{30}=\cfrac{2}{30}\ [S]

■ 短絡電流 \(I_0\) を求める。

電圧を求めたいところの抵抗を短絡します。

電流の向きを図のように仮定します。

\(I_1=I_0+I_2\) から \(I_0=I_1-I_2\)

\(I_0=\cfrac{180}{30}-\cfrac{90}{30}=3\) [A]

■ 等価回路に変換します。

\(V=\cfrac{I_0}{G_0+G}\)

\(V=\cfrac{3}{\cfrac{2}{30}+\cfrac{1}{30}}\)

\(V=30\) [V]

したがって、抵抗 \(R\) にかかる電圧は 

\(30\) [V] になります。

問題4

次の回路の \(R\) にかかる電圧をノートンの定理で求めよ。

<解答例>

■ 抵抗 \(R\) を取り外します。

■ 合成コンダクタンス \(G_0\) を求める。(回路内部の電源をすべて短絡する)

コンダクタンス似する前に、抵抗を整理する。

■ 合成コンダクタンス \(G_0\) を求める。

\(G_0=\cfrac{3}{10}+\cfrac{10}{10}=\cfrac{13}{10}\) [S] 

■ 短絡電流 \(I_0\) を求める。

電圧を求めたいところの抵抗を短絡します。

抵抗 \(R\) を短絡するので、\(1) [Ω] の抵抗は無いものと同じになります。

回路に流れる電流は

\(I=\cfrac{9}{2+\cfrac{2×4}{2+4}}\)

\(I=\cfrac{9}{\cfrac{6}{3}+\cfrac{4}{3}}\)

\(I=\cfrac{27}{10}\)

分流の法則を使って

\(I_0=\cfrac{27}{10}×\cfrac{4}{6}=\cfrac{9}{5}\) [A] になります。

■ 等価回路に変換します。

\(V=\cfrac{I_0}{G_0+G}\)

\(V=\cfrac{9}{5}×\cfrac{1}{\cfrac{13}{10}+\cfrac{5}{10}}\)

\(V=\cfrac{9}{5}×\cfrac{10}{18}=1\)

\(V=1\) [V] 

したがって、抵抗 \(R\) にかかる電圧は 

\(1\) [V] になります。

以上で「ノートンの定理と使い方」の説明を終わります。

目次