インピーダンスとは何か




「インピーダンスとは何か」ということを、一言でいえば「交流回路の電圧と電流の比」になります。

ちなみに、直流回路の「電圧と電流の比」は、抵抗ということになります。

ここでは、交流回路におけるインピーダンスについて説明します。

インピーダンスとは電圧と電流の比

抵抗、コイル、コンデンサなどからなる負荷を、交流電源 \(\dot{E}\) [V] に、接続した回路の負荷端子電圧を \(\dot{V}\) [V] 、電流を \(\dot{I}\) [A] とします。

このときの、電圧 \(\dot{V}\) と電流 \(\dot{I}\) の比を、インピーダンスといいます。

インピーダンスは、交流回路において電流の流れを妨げる働きをします。つまり、電流の流れにくさを表しています。

インピーダンスの表し方

インピーダンスの記号には「\(Z\)」を使い、単位には抵抗と同じようにオーム [Ω] を用います。  

交流回路においても、オームの法則が成立します。

\(\dot{Z}=\cfrac{\dot{V}}{\dot{I}}\) [Ω]

\(\dot{V}=\dot{Z}\dot{I}\) [V]

\(\dot{I}=\cfrac{\dot{V}}{\dot{Z}}\) [A]

インピーダンスは複素数で表す

インピーダンス \(\dot{Z}\) は、複素数で次のように表されます。

\(\Large \dot{Z}=R+jX\) [Ω]

実数部は、抵抗 \(R\)
虚数部は、リアクタンス \(X\) とします。

また、リアクタンスは
 誘導性リアクタンス \(X_L\) と
 容量性リアクタンス \(X_C\) からなっています。

リアクタンスとは

コイルのリアクタンスのことを誘導性リアクタンスと呼び \(X_L\) で表わします。

誘導性リアクタンス
\(X_L=jωL\) [Ω]

コンデンサのリアクタンスのことを容量性リアクタンスと呼び \(X_C\) で表わします。

容量性リアクタンス
\(X_C=\cfrac{1}{jωC}=-j\cfrac{1}{ωC}\) [Ω]

インピーダンス \(Z\) [Ω] とは、抵抗とリアクタンスを総称したもののことです。

RLC直列回路のインピーダンス

RLC直列回路のインピーダンスは、次のように書くことができます。

\(\dot{Z}=R+jωL+\cfrac{1}{jωC}\)=\(R+jωL-j\cfrac{1}{ωC}\)

\(\dot{Z}=R+j\left(ωL-\cfrac{1}{ωC}\right)\) [Ω]

Zの上に「・」があるのは、ベクトルであることを表現しています。

もし、必要な数値がベクトル量ではなく、インピーダンスの絶対値であれば、次のように求めることができます。

\(Z=|Z|=\sqrt{R^2+\left(ωL-\cfrac{1}{ωC}\right)^2}\) [Ω]

リアクタンスは擬似的な抵抗であり、

電力を消費しないという特徴があります。

インピーダンスの交流回路における電圧と電流の位相の関係

インピーダンスの中のリアクタンスの成分は、交流回路で電圧と電流の「位相を変化させる」という特徴をもっています。

このことは、電力の力率に関係したり、共振回路の同調と関係しています。

交流回路で各素子が与える影響は次のようになります。

素子 記号 電圧 位相のズレ
抵抗 \(R\) \(V=RI\) 位相のズレは無い
コイル \(Z_L\) \(V=Z_LI=jωLI\) 電圧が電流より\(\cfrac{π}{2}\)(90°)進む
コンデンサ \(Z_C\) \(V=ZcI=\cfrac{1}{jωC}I\) 電圧が電流より\(\cfrac{π}{2}\)(90°)遅れる

合成インピーダンスの求め方

交流回路におけるインピーダンスを求めるのは、直流回路のように単純ではありません。

リアクタンスの働きによって、

位相が変化するのでベクトル的に加算しなければなりません。

抵抗とインダクタンスの直列回路

抵抗 R[Ω]、インダクタンスが X[Ω] の直列回路において

インピーダンスを Z とすると次のようになります。

\(Z=R+jωL=R+jX\)

\(|X|=\sqrt{R^2+X^2}\)

実際の数値で計算してみると、分かり易くなります

図1の抵抗が 6[Ω]、誘導性リアクタンスが 8[Ω] の直列回路のインピーダンスを求める。

\(Z=R+jX=6+j8\)

\(|Z|=\sqrt{R^2+X^2}=\sqrt{6^2+8^2}=10\) [Ω]

インピーダンスZ は 6+j8 [Ω]

インピーダンスの絶対値は 10 [Ω] になります。

ベクトルで表す

図2はインピーダンスをベクトルで表示したものです。

縦軸は虚数軸になります。

抵抗と容量性リアクタンスの直列回路

図3の抵抗が 6[Ω]、容量性リアクタンスが 8[Ω]の直列回路のインピーダンスを求めよ。

\(Z=R-jX=6-j8\)

\(|Z|=\sqrt{R^2+X^2}=\sqrt{6^2+8^2}=10\) [Ω]

インピーダンスZ は 6-j8 [Ω]

インピーダンスの絶対値は 10 [Ω] になります。

ベクトルで表す

図4はインピーダンスをベクトルで表示したものです。

縦軸は虚数軸になります。

抵抗と容量性リアクタンスの並列回路

図1のような抵抗とコンデンサの並列回路がある時の回路の計算をしてみましょう。

図1で \(I_R=\cfrac{V}{R}\)、\(I_C=\cfrac{V}{Z_C}=\cfrac{V}{\cfrac{1}{jωC}}=jωCV\) になります。

複素数の計算方法で説明したように \(a+jb\) の絶対値を A、角度を \(\phi\) とすると

\(A=\sqrt{a^2+b^2}、\phi=tan^{-1}\cfrac{b}{a}\)

\(I=V×\sqrt{\left(\cfrac{1}{R}\right)^2+(ωC)^2}\)

\(\phi=tan^{-1}\cfrac{ωC}{\cfrac{1}{R}}=tan^{-1}(ωCR)\)

(c)合成電流のように、\(I\) はベクトルの合成になります。


●例題
図5の抵抗が 6[Ω]、インダクタンスが 25.5[mH]の直列回路に、正弦波交流電圧 100[V]を加えた時、電流 10[A]が流れた。

この回路のインピーダンスと電源周波数を求めよ。

解 答

インピーダンスの絶対値は

\(|Z|=\cfrac{E}{I}=10\) [Ω]

誘導リアクタンスを X とすれば

\(|Z|=\sqrt{R^2+X^2}=\sqrt{36+X^2}=10\) [Ω]

\(X=8[Ω]\)

\(f=\cfrac{X}{2πL}=50\) [Hz]

以上で「インピーダンスとは何か」の説明を終わります。




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