力率の遅れと進みについて




力率には「遅れと進み」があります。
しかし、遅れとか進みとは「何を基準」にしたら良いか迷います。
具体的にどのように考えたらわかりやすくなるのでしょうか?
このことについて、考えてみました。

力率の遅れと進み

交流回路に接続されたインピーダンスの大きさが誘導性の場合は「遅れ力率」になり、インピーダンスの大きさが容量性の場合は「進み力率」になるという説明はよく見ます。

次のような交流回路で考えてみます。

交流電源 \(E\) と負荷に生じる電圧 \(V\) は
\(E=V\) の関係です。

交流電源 \(E\) に対して流れる電流 \(I\) は、負荷の性質によって「位相」が変化します。

遅れ力率と進み力率
遅れ力率とは、電圧から見て電流の位相が遅れているときの力率をいいます。

進み力率とは、電圧から見て電流の位相が進んでいるときの力率をいいます。

遅れ力率

図のような交流回路で、誘導性リアクタンスが容量性リアクタンスより大きいと誘導性負荷になります。

遅れ力率のときの電圧と電流の関係

誘導性負荷のときの電圧と電流を見ると、図のように電流が電圧より遅れます。
位相のグラフを描く時は、「反時計方向」に円運動をするときを「正」として描きます。

●電圧 \(V\) を基準にしてベクトルを描くと、位相がわかりやすくなります。

●一般的には、電圧と電流のベクトルを描く時は次のように描くことが多いようです。

進み力率

図のような交流回路で、容量性リアクタンスが誘導性リアクタンスより大きいと容量性負荷になります。

進み力率のときの電圧と電流の関係

容量性負荷のときの電圧と電流を見ると、図のように電流が電圧より進みます。

●電圧 \(V\) を基準にしてベクトルを描くと、位相がわかりやすくなります。

●一般的には、電圧と電流のベクトルを描く時は次のように描くことが多いようです。
\(V_L-V_C\) はマイナスになります。

遅れと進みについて

力率の遅れと進みについて考える時、電圧を基準にして考えるのはなぜでしょうか。

次の図のような交流回路で見ると
●負荷が変化しても、電圧 \(E=V\) は一定です。
●一方で、電流 \(I\) は負荷(力率)によって変化します。
このことから、電圧を基準に見たほうが良いと言うことになります。

力率が問題になるのは需要家より送電側です。
力率が悪いと送電側では、無駄な電力を送らなければなりませんので効率が悪くなります。

力率と位相についての説明は次の記事を参考にしてください。

交流電力と力率

2018.04.08

位相と位相差とは

2018.04.14

以上で「力率の遅れと進みについて」の説明を終わります。