
この記事で書いていること
電気の分野などでは角度を円弧の長さで測る ラジアン を使います。
角度が移動する大きさを表すものに、角速度があります
ここでは、ラジアンと角速度・角周波数の説明をします。
ラジアンとは何か

ラジアンとは、中心角 \(θ\) を表す方法で
弧の長さ \(l\) [m] を円の半径 \(r\) [m] で割った値をいいます。

■ 1ラジアン
1ラジアンとは、円の半径に等しい円弧の長さに対する中心角の大きさをいいます。

■ ラジアンで表す方法
次のように、円弧の長さ \(2π\)、半径 \(6\) の角度 \(θ\) をラジアンで表して見ましょう。

\(θ=\cfrac{2π}{6}=\cfrac{π}{3}\) [rad] になります。
ラジアンと角度の相互変換
■ ラジアンを度数に換算する
ラジアンを \(θ\)、度数を \(α\) とすると
\(θ=α°×\cfrac{π}{180}\) [rad]
■ 度数をラジアンに換算する
度数を \(α\)、ラジアンを \(θ\) とすると
\(α°=θ×\cfrac{180}{π}\)
角速度とは
電気回路では、コイルの回転角 \(θ\) の大きさを表すのに、 角度 ではなく ラジアン を使います。
1秒間に A点から B点に移動したときに進む角度の大きさを 角速度(角周波数) といいます。
角速度は \(ω\) (オメガ)で表し、単位に [rad/s] (ラジアン毎秒) を使います。

角速度 は 角周波数 ともいわれます。
角速度は周波数に比例する
■ 角速度と回転角の関係
図を単位円とすると、\(t\) 秒間に A点から B点まで移動したときの、回転角を \(θ\) [rad] とします。
このときの、角速度 \(ω\) は
\(ω=\cfrac{θ}{t}\) [rad] になります。
上の式を変形すると
\(θ=ωt\) [rad] となります。

周期 \(T\) [s] は1回転する時間のことをいいます。
回転角 \(θ\) は、1回転で \(2π\) [rad] ですから
角速度 \(ω\) は、次のようになります。
\(ω=\cfrac{θ}{t}=\cfrac{2π}{T}\) [rad]
また、周波数 \(f\) [Hz] と周期 \(T\) [s] の間には、次の関係があります。
\(f=\cfrac{1}{T}\) [Hz]
この式を、\(ω\) の式に代入すると
\(ω=\cfrac{2π}{T}=2π・\cfrac{1}{T}=2πf\) [rad/s] になります。
この式から、角速度 \(ω\) は周波数 \(f\) に比例することがわかります。
交流電圧の角速度による表し方
\(\large e=E_m\sinθ\) [V]
\(\large e=E_m\sinωt\) [V]
\(\large e=E_m\sin2πft\) [V]
練習問題
問題 1
角度 90° をラジアンに変換する。
<解答例>
\(θ=α°×\cfrac{π}{180}\) [rad] を使って
\(θ=90×\cfrac{π}{180}=\cfrac{π}{2}\) [rad] になります。
問題 2
ラジアンの \(\cfrac{π}{3}\) を角度に変換する。
<解答例>
\(α°=θ×\cfrac{180}{π}\) を使って
\(α°=\cfrac{π}{3}×\cfrac{180°}{π}=60°\) になります。
■ よく使う角度
\(360°=2π\) [rad]
\(180°=π\) [rad]
\(90°=\cfrac{π}{2}\) [rad]
\(60°=\cfrac{π}{3}\) [rad]
\(45°=\cfrac{π}{4}\) [rad]
\(30°=\cfrac{π}{6}\) [rad]
以上で「ラジアンと角速度・角周波数とは何か」の説明を終わります。