アドミタンスとは何か

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アドミタンスとは何か

抵抗の性質を持つ成分

直流回路における「電流の流れを妨げる」という性質は抵抗と呼ばれます。

抵抗器は直流回路でも交流回路でも、純粋な抵抗として働きますので純抵抗(レジスタンス)になります。

コイルコンデンサは交流回路では、「電流の流れを妨げる」という抵抗の性質に加えて、「回路に流れる電流の位相を変化させる」という性質を持ちます。

このため、コイルやコンデンサの抵抗成分を純粋な抵抗と区別して取り扱います。

そして、コイルやコンデンサの作る抵抗成分を「リアクタンス」と名付けます。

●コイルとコンデンサの抵抗成分

  • コイルの作る抵抗成分を「誘導性リアクタンス」という。
  • コンデンサの作る抵抗成分を「容量性リアクタンス」という。
  • リアクタンスと抵抗(レジスタンス)が入り混じった抵抗成分を「インピーダンス」という。

●コイルとコンデンサのリアクタンスの成分

  • リアクタンスを発生させるコイルの成分$(ωLのL)$を「インダクタンス」と呼ぶ。
  • リアクタンスを発生させるコンデンサの成分$(\cfrac{1}{ωC}のC)$を「キャパシタンス」と呼ぶ。

アドミタンスとは何か

インピーダンスは「電流の流れにくさ」を表わし、

アドミタンスは「電流の流れやすさ」を表わします。

単位は \([S]\) ジーメンスです。

●アドミタンスの表わし方

インピーダンス Z の逆数をアドミタンス Y と言う。

アドミタンスをY、実数部分をコンダクタンスG、虚数部分をサセプタンスBで表し次のように書きます。

コンダクタンスGは0または正の値ですが、サセプタンスBは正と負の両方の値をもちます。

$$Y=\cfrac{1}{Z}=\cfrac{1}{R+jX} [S] \tag{3-2-6-1}$$

分母を有理化すると、次のようになります。

$$Y=G+jB=\left(\cfrac{R}{R^2+X^2}-j\cfrac{X}{R^2+X^2} \right)\tag{3-2-6-2}$$

●コンダクタンスとは何か

アドミタンスの実数部のことを、コンダクタンスといいます。

$G[S]$ で表わします。

$[S]$ はジーメンスと呼びます。

$$G=\cfrac{R}{R^2+X^2}[S]\tag{3-2-6-3}$$

●サセプタンスとは何か

アドミタンスの虚数部のことを、サセプタンスといいます。

$B[S]$ で表わします。 

$[S]$ は単位でジーメンスです。

$$B=-j\cfrac{X}{R^2+X^2}[S]\tag{3-2-6-4}$$

インピーダンスとアドミタンスの関係

なぜ、アドミタンスを使うのか

回路の計算にアドミタンスを使うと計算が簡単になる場合があります。そのため、アドミタンスを使うのです。

図1の回路のインピーダンスを求める場合

計算を出来るだけ簡素化する工夫
インピーダンスの計算をする場合、計算に分数が入ってくるのでどうしても複雑になりやすい。

そこで、できるだけ計算式の分母や分子に、分数を含ませないようにすることが重要になります。

計算例① インピーダンスをそのままで求めた場合

和分の積の公式を使う。

$Z=\cfrac{(R+jωL)(-j\cfrac{1}{ωC})}{(R+jωL)+(-j\cfrac{1}{ωC})}=\cfrac{\cfrac{L}{C}-j\cfrac{R}{ωC}}{R+j(ωL-\cfrac{1}{ωC})}$

$Z=\cfrac{ωL-jR}{ωCR+jω^2LC-j}= \cfrac{R+jωL}{1-ω^2LC+jωCR}$

この計算は途中を少し省いてありますが分母、分子に共に分数を含むため、通分が多くなりとても面倒な計算になります。

計算は複雑になると単純なミスをすることが多くなるので、できるだけ簡単な方が良いです。

計算例② 計算に少しだけ工夫をした場合

計算例①と同様に和分の積の公式を使う。

$-j({\Large\frac{1}{ωC})}$を→${\Large\frac{1}{jωC}}$ として計算する。

$Z=\cfrac{(R+jωL)\cfrac{1}{jωC}}{R+jωL+\cfrac{1}{jωC}}=\cfrac{\cfrac{R+jωL}{jωC}}{\cfrac{1-ω^2LC+jωCR}{jωC}}= \cfrac{R+jωL}{1-ω^2LC+jωCR}$

計算例①よりかなり簡素化できました。

計算例③ アドミタンスで計算した場合

$Y=\cfrac{1}{R+jωL}+jωC=\cfrac{1-ω^2LC+jωCR}{R+jωL}$

この式の逆数を取れば

$Z= \cfrac{R+jωL}{1-ω^2LC+jωCR}$

アドミタンスを使うと計算が簡単になる場合

アドミタンスを使って計算した時のほうが、明らかに簡単にできます。

複素数による計算はリアクタンスの置き換え方により、計算が簡単になったり逆に複雑になったりしますので注意が必要です。

アドミタンスの計算例

例題 

図2の回路に流れる合成電流$I_0$を求めよ。

合成インピーダンスから求める場合の例

$Z=\cfrac{1}{{\cfrac{1}{4+j3}+\cfrac{1}{3-j4}}}={\cfrac{1}{\cfrac{(3-j4)+(4+j3)}{(4+j3)(3-j4)}}}$

$Z=\cfrac{(4+j3)(3-j4)}{3-j4+4+j3}=\cfrac{24-j7}{7-j}$

$I_0=\cfrac{E}{Z}=\cfrac{100}{{\cfrac{24-j7}{7-j}}}=\cfrac{100(7-j)(24+j7)}{(24-j7)(24+j7)}=\cfrac{100(168+j25+7)}{625}$

$I_0=4(7+j)$

$|I_0|=4\sqrt{7^2+1^2}=4\sqrt{50}=20\sqrt2[A]$

合成アドミタンスから求める場合の例

$Y_1=\cfrac{1}{Z_1}=\cfrac{1}{4+j3}、 Y_2=\cfrac{1}{Z_2}=\cfrac{1}{3-j4}$

$Y=y_1+Y_2=\cfrac{1}{4+j3}+\cfrac{1}{3-j4}=\cfrac{4-j3+3+j4}{25}=\cfrac{7+j}{25}$

$I_0=EY=100\left(\frac{7+j}{25}\right)=4(7+j)$

$|I_0|=4\sqrt{7^2+1^2}=4\sqrt{50}=20\sqrt2[A]$

解き方を工夫する
同じ問題を解く場合でも、この問題の時はアドミタンスを計算して問題を解くほうが、数段易しく計算することができることがわかります。

以上で「アドミタンスとは何か」の説明を終わります。

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