万有引力と電気力(クーロン力)




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万有引力と電気力(クーロン力)

万有引力の大きさはとても小さいもの

  • ニュートンの有名な逸話である「リンゴが木から落ちるのを見て」、万有引力を発見したというのは誤解だそうです。
  • ガリレオ・ガリレイのピサの斜塔での実験のように「物体の落下速度は、 その物体の重さとは関係がない」ということ。
  • また、「地上では物体に対して地面に引きつける力が働いている」ことは知られていました。
  • ニュートンが発見したことは、地上(地球)だけではなく
  • 天体も含めたすべての質量を持った物体もお互いに引き合っているということを表現したものです。

万有引力の法則

ニュートンは惑星が太陽のまわりを回り続けるのは、惑星と太陽の間に引力がはたらくためだと考えました。

太陽の質量を \(M\)、惑星の質量を \(m\)、定数を \(G\)、太陽と惑星の距離を \(r\) とすると万有引力 \(F\) は次のようになります。

\(F=G\cfrac{Mm}{r^2}\) [N]

そして、ニュートンはこの力は太陽と惑星だけでなくあらゆる万物にはたらくと考えました。

これを万有引力の法則といいます。
 
大文字の \(G\) は万有引力定数、ちなみに小文字の \(g\) は重力加速度です。

●万有引力定数
\(G=6.67×10^{-11}\) [N・m2/kg2]

●重力加速度
\(g=9.8\) [m/s2]

ガリレオ・ガリレイの実験

「物体の落下速度は、 その物体の重さとは関係がない」という、ガリレオの「ピサの斜塔の実験」の証明について、思考によるものがあります。

ステップ-1

  • 重さと大きさが同じ鉛の球を二つ用意します。(頭の中で)
  • 次に、ピサの斜塔から同時に落とします。
  • 同じ重さと大きさなので、当然二つの球は同時に地面に落ちます。

ステップ-2

  • 次に二つの球を「細くて非常に軽い糸で結びます」、そして塔から落とします。
  • この場合、糸の影響はないでしょうから、二つの落下速度は変わりません。
  • では、糸の長さをどんどん短くしていくとどうなるでしょうか?
  • 二つの落下速度は変わらないと考えられます。
  • 最後に、糸の長さがゼロになったらどうでしょうか?
  • 二つはくっついていて重さも大きさも二倍になりました。
  • ここでも、二つの落下速度は変わらないと考えられます。

このように考えると、ガリレオの実験が証明することができます。

電気力(クーロン力)は非常に大きな力

図2のように、1メートルの距離に置かれた 1クーロンの電荷同士が引き合う力は 90億ニュートンになります。

計算上でもどれだけ大きいかがわかると思います。

  • 1クーロンとは 1秒間に 1アンペアの電流によって運ばれる電荷(電気量)のことです。
  • 電流を基準に考えると、1アンペアとは 1秒間に 1クーロンの電気量が流れることといえます。
  • 電子1個の電気量は \(-1.6×10^{-19}\) クーロンです。
  • この数値の符号を変えたものは陽子の電荷に等しく、電気量の単位になる物理定数であり、電気素量または素電荷、電気素量と呼ばれます。

1クーロンとは電子何個分になるか

1クーロンを電子1個分の電荷で割ればよいので

個数 \(=\cfrac{1[C]}{1.6×10^{-19}[C]}=6.25×10^{18}\) 個 になります。

ものすごく、大きな数になります。

電荷とは

プラスチックの下敷きなどをこすると静電気を帯びます。

このような性質を帯電するといい、この帯電体の持つ電気を電荷といいます。

電荷には正(陽、+)の電荷と負(陰、-)の電荷の2種類があります。

電荷が幾何学的に点と考えられるときに、この電荷のことを点電荷といい単位はクーロン[C]です。

そして電荷は正か負のいずれかの電荷を持っています。

電流のもとである電子も負の電荷を持つものであり、1つの電子が持つ電荷 \(e\) と質量 \(m\) は次のとおりです。

電子1個の電荷量
\(e=-1.6×10^{-19}\) [C]

電子1個の質量
\(m=9.109×10^{-31}\) [kg]

クーロン力とは

先ほどの下敷きを摩擦した時に小さな紙などを静電気が引き付けます。

このように、電荷間に働く力をクーロン力といいます。

  • クーロン力は両点電荷を結ぶ直線上に力が作用する。
  • クーロン力の大きさは両点電荷の積に比例する。
  • クーロン力は点電荷相互の距離の2乗に反比例する。
  • 力の方向は、異種の電荷では互いに吸引し、同種の電荷であれば互いに反発する。

クーロンの法則

2つの点電荷 \(Q_1\) [C] と \(Q_2\) [C]を距離 \(r\) [m] 離れた位置に置いたとき、2つの電荷の間にはたらくクーロン力を \(F\) [N] としたとき、これをクーロンの法則という。

\(F=k・\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}\) [N]

\(F=\cfrac{1}{4πε_0}・\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}\) [N]

\(F≒9×10^9×\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}\) [N]

\(k=\cfrac{1}{4πε_0}≒9×10^9=90億\) [N・m2/C2]

\(ε_0=\cfrac{10^7}{4π{c_0}^2}≒8.854×10^{-12}\) [F/m]

\(F\):静電気力 
\(ε_0\):真空の誘電率  
\(c_0\):真空中の光の速度 
\(k\):比例定数  
\(Q\):電荷 [C] 
\(r\):電荷間の距離 [m] 

もし電荷が真空中でなく、比誘電率 \(ε_r\) の誘電体の中にあるとしたとき、クーロン力は真空中の \(1/ε_r\) 倍になりクーロン力の法則は次のようになる。

\(F=\cfrac{1}{4πε_0ε_r}・\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}\) [N]

比誘電率 \(ε_r\) とは真空に比べて \(ε_r\) 倍の誘電的な性質を持っているということです。

電気力(クーロン力)の大きさを知る

下図のように互いに1クーロンの点電荷があるとき、2つの電荷間にはたらく力が、1kg重であるようにするためには何m にすればよいか。

ただし、重力加速度を \(10m/s^2\) とする。

kは定数で

\(k=\cfrac{1}{4πε_o}=8.988×10^9\fallingdotseq9×10^9=90億\) [N・m2/C2]

1kg重= 1 × g(重力加速度)=9.8 [N] になります。

今回は \(g=10m/s^2\) なので、1kg重=10 [N] になります。

\(F=k\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}=9×10^9\cfrac{1×1}{r^2}=10\)

\(r^2=\cfrac{9×10^9}{10}=9×10^8\)

\(\therefore r=3×10^4\) [m]\(=30\) [km]

1kg重というのは、1kgの物体にかかる重力の力です。

これと同じ力にするには「1クーロンの電荷を30km離さなければならない。」ということからも電気力の大きさが分かります。

この項目の公式

●万有引力の大きさ・・・\(6.67×10^-{11} [N]\)
●静電気力の大きさ・・・\(9×10^9 [N]、90億[N]\)
●クーロンの法則・・・\(F=k\cfrac{Q_1Q_2}{r^2} [N]\)
●定数\(k\)・・・\(k=9×10^9=90億 \)
●万有引力・・・\(F=G\cfrac{Mm}{r^2} [N]\)
●万有引力定数・・・\(G=6.67×10^-{11} [N・m^2/kg^2]\)
●重力加速度・・・\(g=9.8 [m/s^2]\)
●誘電率・・・電荷のためやすさのこと。

以上で「万有引力と電気力(クーロン力)」の説明を終わります。




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