この記事は次の項目について書いています。
• 電磁誘導によりコイルに、起電力が誘導されます。このときの誘導電流の向きを示すものが「レンツの法則」です。
• 磁石の距離や磁石の極性による磁界の変化がコイルの誘導電流に与える影響を説明します。
レンツの法則
コイルに磁石を近づけたり離したりすると、導体を切る磁束が変化すると誘導電流が流れます。
この現象を「電磁誘導」といい、流れる電流のことを「誘導電流」といいます。
レンツの法則はその誘導電流が流れる方向を知るものです。
誘導電流はコイルに対して「磁界が変化した時にだけ」流れます。
レンツの法則の基本的な考え方は「磁界の変化を妨げる方向の磁界を作る電流」が流れるということです。
コイルに流れる電流の方向は、コイルの巻き方を図と反対の方向に巻けば、電流の方向は逆の向きになります。
レンツの法則は電磁誘導によって、コイルに流れる誘導電流の方向を簡単に知ることができる法則のことです。
ハインリヒ・レンツ(1804年2月12日~1865年2月10日) エストニアの物理学者レンツが定義したことです。
コイルに磁石を近づけたりした時に発生する起電力の方向について、「電磁誘導によって発生する起電力は、磁束の変化を妨げる向きに電流が発生する」と定義しました。
N極の移動とレンツの法則の関係
●レンツの法則と誘導電流(N極がコイルに近づくとき)
- 磁石のN極から出る磁力線が強くなります。
- コイルにはレンツの法則により、磁石のN極から出る磁力線を、打ち消す方向の磁力線が発生します。(ここでは、図のように緑の点線の右向きの磁力線が発生する。)
- コイルには、図のような右向きの磁力線を発生する向きの電流が流れます。
- ここで、流れる電流の向きは、右ねじの法則による電流の向きになります。従って、ここでは「反時計方向」に電流が流れます。
- 電流の流れる向きは、コイルの巻き方によっても変わるので、電流の方向を決めるのは必ず、右ねじの法則に従って決める必要があります。
●レンツの法則と誘導電流(N極がコイルから遠ざかるとき)
- 磁石のN極から出る磁力線が弱くなります。
- コイルにはレンツの法則により、磁石のN極から出る磁力線を、増加させる方向の磁力線が発生します。(ここでは、図のように緑の点線の左向きの磁力線が発生する。)
- コイルには、図のような左向きの磁力線を発生する向きの電流が流れます。
- ここで、流れる電流の向きは、右ねじの法則による電流の向きになります。従って、ここでは「時計方向」に電流が流れます。
S極の移動とレンツの法則の関係
●レンツの法則と誘導電流(S極がコイルに近づくとき)
- 磁石のS極に戻る磁力線が強くなります。
- コイルにはレンツの法則により、磁石のSN極に戻る磁力線を、打ち消す方向の磁力線が発生します。(ここでは、図のように緑の点線の左向きの磁力線が発生する。)
- コイルには、図のような左向きの磁力線を発生する向きの電流が流れます。
- ここで、流れる電流の向きは、右ねじの法則による電流の向きになります。従って、ここでは「時計方向」に電流が流れます。
- 電流の流れる向きは、コイルの巻き方によっても変わるので、電流の方向を決めるのは必ず、右ねじの法則に従って決める必要があります。
●レンツの法則と誘導電流(S極がコイルから遠ざかるとき)
- 磁石のS極に戻る磁力線が弱くなります。
- コイルにはレンツの法則により、磁石のS極に戻る磁力線を、増加させる方向の磁力線が発生します。(ここでは、図のように緑の点線の右向きの磁力線が発生する。)
- コイルには、図のような右向きの磁力線を発生する向きの電流が流れます。
- ここで、流れる電流の向きは、右ねじの法則による電流の向きになります。従って、ここでは「反時計方向」に電流が流れます。
レンツの法則は磁束の変化を妨げる方向に電流が流れるということです。
レンツの法則のまとめ
1.電磁誘導によりコイルを切る磁束が変化すると、コイルに電流が流れます。
2.レンツの法則は、誘導電流の向きを示す法則です。
3.誘導電流の向きは、磁束の変化を妨げる向きになります。
4.ファラデーの法則により起電力の大きさを知ることができます。
以上で「レンツの法則と誘導電流」の説明を終わります。


