電熱器を例にして、抵抗、電流、電圧、電力の関係を考えてみましょう。
簡単に考えると電熱器の回路図は、次の図のようになります。
電熱器にある抵抗(ニクロム線)に電気を流すことで、熱を発生させます。

抵抗、電流、電圧、電力の関係
電熱器が加熱されるのは、ニクロム線などの抵抗に電流が流れることで、電流の発熱作用により熱が発生するからです。
次の図のような、抵抗が\(10Ω\)(オーム)の電熱器を\(100V\)(ボルト)の電源に接続すると、回路には\(10A\)(アンペア)の電流が流れます。このときの消費電力は\(1000W\)(ワット)になります。
抵抗は記号に\(R\)、単位に\(Ω\)(オーム)を使います。
電流は記号に\(I\)、単位に\(\rm A\)(アンペア)を使います。
電圧は記号に\(E\)、単位に\(\rm V\)(ボルト)を使います。
電力は記号に\(P\)、単位に\(\rm W\)(ワット)を使います。
オームの法則
抵抗\(R\)、電流\(I\)、電圧\(E\)の間には、電気回路の基礎になる「オームの法則」があります。
\(I\hspace{8px}\rm [A]\)\(=\cfrac{E\hspace{8px}\rm [V]}{R\hspace{8px}\rm [Ω]}\cdots\)オームの法則
抵抗は記号に\(R\)、単位に\(Ω\)(オーム)を使います。
電流は記号に\(I\)、単位に\(\rm A\)(アンペア)を使います。
電圧は記号に\(E\)、単位に\(\rm V\)(ボルト)を使います。
電熱器の図でそれぞれの関係を見てみると、次のようになります。
回路に流れる電流の大きさは、電圧と抵抗の大きさがわかれば求めることができます。
\(I\hspace{8px}\rm [A]\)\(=\cfrac{E}{R}=\cfrac{100\hspace{8px}\rm [V]}{10\hspace{8px}\rm [Ω]}=10\hspace{8px}\rm [A]\)
回路の抵抗の大きさは、電圧と電流の大きさがわかれば求めることができます。
\(R\hspace{8px}\rm [Ω]\)\(=\cfrac{E}{I}=\cfrac{100\hspace{8px}\rm [V]}{10\hspace{8px}\rm [A]}=10\hspace{8px}\rm [Ω]\)
回路の電圧の大きさは、電流と抵抗の大きさがわかれば求めることができます。
\(E\hspace{8px}\rm [V]\)\(=R\hspace{8px}\rm [Ω]×I\hspace{8px}\rm [A]=10\hspace{8px}\rm [Ω]×10\hspace{8px}\rm [A]=100\hspace{8px}\rm [V]\)
電力を求める公式
電力\(P\)を求める公式は、次のようになります。
電力の大きさは、電圧と電流の大きさがわかれば求めることができます。
\(P\hspace{8px}\rm [W]\)\(=E×I=100×10=1000\hspace{8px}\rm [W]\)
電力の大きさは、抵抗と電流の大きさがわかれば求めることができます。
\(P\hspace{8px}\rm [W]\)\(=R×I^2=10×100=1000\hspace{8px}\rm [W]\)
電力の大きさは、電圧と抵抗の大きさがわかれば求めることができます。
\(P\hspace{8px}\rm [W]\)\(=\cfrac{E^2}{R}=\cfrac{10000}{10}=1000\hspace{8px}\rm [W]\)
電気製品の電力
電気製品には消費電力が表示されています。電気製品の消費電力がわかると、その電気製品に流れるおおよその電流を知ることができます。
家庭用のコンセントに来ている電気の電圧は\(100V\)です。たとえばテレビの消費電力が\(100W\)であるならば、電力の公式から
\(P=E×I\)より
\(I=\cfrac{P}{E}=\cfrac{100}{100}=1\hspace{8px}\rm [A]\)
のように求めることができます。
電力については、直流と交流では求め方が異なる場合があります。ここでは電力を単純に電圧と電流の積として説明しています。
以上で「電気回路ーよく分かる抵抗、電流、電圧、電力の関係」の説明を終わります。