電位と電圧(電位差)は似ていますが、はっきりした違いがあります。
電位は、基準点(アース、大地)から見た時の電圧の値のこと。基準点からの電位は変化しない。
電圧は、2点間の電位の差(電位差)をいう。その点の電圧は、2点間の電位の取り方で変化する。「電位差は、電位と電位の差のこと」で電圧と同じ意味。
この記事では、電位と電圧(電位差)の違い、について説明します。
電位と電圧(電位差)の違い
電位とは・・・基準点 (アース、大地)0V から見た時の 任意の点の電圧(電位差)をいいます。
電圧(電位差)とは・・・任意の2点間の電位の差のことをいいます。
ポイント
電位は、基準点からの電位は変化しないが、基準点を変えると電位が変化する。
電圧(電位差)は、2点間の電圧の差なので、基準点が変わっても変化しない。
基準点をC点にした時の電位と電圧(電位差)
100Vの電源に同じ値の抵抗 \(R\) が、直列接続された電気回路があります。
各点ABCの電位
C点の電位・・・基準点(アース)0V
B点の電位・・・基準点から50V
A点の電位・・・基準点から100V
各点間の電圧(電位差)
AB間の電圧(電位差)・・・50V(基準点に関係しない)
BC間の電圧(電位差)・・・50V(基準点に関係しない)
AC間の電圧(電位差)・・・100V(基準点に関係しない)
基準点をB点にした時の電位と電圧(電位差)
100Vの電源に同じ値の抵抗 \(R\) が、直列接続された電気回路があります。
各点ABCの電位
B点の電位・・・基準点(アース)0V
C点の電位・・・基準点から-50V
A点の電位・・・基準点から100V
各点間の電圧(電位差)
AB間の電圧(電位差)・・・50V(基準点に関係しない)
BC間の電圧(電位差)・・・50V(基準点に関係しない)
AC間の電圧(電位差)・・・100V(基準点に関係しない)
電位は基準点からの電圧
電位のポイントは、基準点からの電位は変化しない。基準点を変えると、電位が変化する。
基準点をC点にした時の電位
100Vの電源に同じ値の抵抗 \(R\) が、直列接続された電気回路があります。
C点をアースした時の電位を説明します。C点をアースしたので、C点が基準点になり、電位 0V になります。
- C点の 電位 は 0V で基準点
- B点の 電位 は 50V(基準点からの電位は変化しない)
- A点の 電位 は 100V(基準点からの電位は変化しない)
基準点をB点にした時の電位
B点をアースした時の 電位 を説明します。B点をアースしたので、B点が基準点になり、電位 0V になります。
- B点の 電位 は 0V で基準点
- A点の 電位 は 50V(基準点からの電位は変化しない)
- C点の 電位 は -50V(基準点からの電位は変化しない)
電圧(電位差)は2点間の電位差
電圧(電位差)のポイントは、2点間の電位差なので基準点の位置に関係しない
図のような電気回路で 電圧(電位差) を説明します。
図ではアースが記入されていないので、一般的に電圧が一番低いところを基準点にします。
- 電源のマイナスを基準点 0V とします。
- AB間の 電圧(電位差)は、50V です。
- BC間の 電圧(電位差)は、50V です。
- AC間の 電圧(電位差)は、100V です。
電圧V(ボルト)で表されるもの
■ 電位
電位とは基準点から見たときの、電圧の値(あたい)をいいます。一般的に、基準点(アース、大地)を \(0V\) で基準とします。
■ 電圧と電位差
電圧と電位差は、同じ意味で使われます。一般的に、2点間の電位の差を電圧といいます。
■ 起電力
起電力は電池などの持つ、電位差のことで電圧で表示します。
■ 電圧降下
抵抗に電流が流れることで、抵抗により電圧が下がります。この電圧が下がることを電圧降下といいます。
一般的に、電圧降下も単に電圧といいます。