最も簡単な電気回路

この記事は次の項目について書いています。

• 豆電球と電池をつないだ回路で、電圧、電流、電球の関係を調べます。

• オームの法則の簡単な説明をしています。

最も簡単な電気回路

電池に豆電球をつなぐと、導線に電流が流れて豆電球が光ります。

最も簡単な電気回路ですが、この回路によって「電流」、「電圧」、「電球」の関係を知ることができます。

電流とは?

電流が流れる導線の中では、 電子 が移動しています。

この電子が移動することで 電流 が流れることになります。

図にあるように、「電子の流れる向き」と「電流の流れる向き」は逆向きになります。

「電子の流れる向き」と「電流の流れる向き」 は逆向きと定められていますが、これは電流と電子の 発見時期 による歴史的な事情によるものです。

電磁気学の初期の頃、正の電気の粒(電子) の流れを 電流 と呼ぶことにしました。

そして、電流は+(プラス)から-(マイナス)に流れることに決めました。

しかし、後になって電子は 負の電気 を持つことが判明したのです。

つまり、電流と電子の流れは向きが反対だったのです。

この頃になると、電磁気学は確立されていたので、いまさら電流の流れは逆とは言えなくなっていたので、電流は電子の流れと反対の向きに流れる と定義したのです。

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電流の大きさ

電流 とは電気の粒(電荷)の流れであり、電流の大きさ は電気の粒(電荷)の 密度 になります。

電流の単位は \(\rm A\) (アンペア) といいます。

\(1A\) とは、ある断面に1秒間に1C(クーロン、電気の粒の単位)の電荷が流れると定義されています。

数式で表すと、電流の定義は次のように表わせます。

\(I\quad\rm[A]=\cfrac{Q\quad\rm[C]}{t\quad\rm[s]}\)

電圧とは?

水道の蛇口から水が出るのは、水圧がかかっているからです。

同じように、電気回路に電流が流れるには電流を流すための圧力、つまり 電圧 が必要です。

電流を流すための圧力である電圧の性質は、水の圧力と同じように考えることができます。

水槽を例にして、圧力(電圧) を考えて見ましょう。

(a)のように、水槽に高低差がある時は、水位の 「高い所」から「水位の低い所」 へ水が流れます。

(b)のように電池に置き変えて考えると、電圧(電位)の高い方から低い方 へ電流が流れます。

(c)のように、同じ水位 の場合はABの水槽に水の流れは起きません。

これは電気の場合も同じで、同電位 の場合は電流の流れは起きません。

電気の世界では、この「水位」に対応するものを「電位」といいます。

電位間の差のことを 電位差 といい、この電位差のことを単に 電圧 と呼んでいます。

電圧の表わし方と基準点

電圧は各点の電位の差のことですから、基準点 をどこに取るかによって大きさが変わってきます。

例えば、次の図のように 基準点をゼロ の所にすると
• a点の電圧は1.5Vになる。
• b点の電圧は3Vになる。
• c点の電圧は4.5Vになる。

各点同士の電位差は図のようになります。

また、図のように「基準点」をa点の所にすると
• 0点の電圧は-1.5Vになる。
• b点の電圧は1.5Vになる。
• c点の電圧は3Vになる。

各点同士の電位差は図のようになります。

このように、基準点をどこにするかによって、各点の電圧は変わってきます。 

負荷とオームの法則

最も簡単な電気回路でつないだ電球に、電流を流すと 電球は光ります。 

これは電気エネルギーが 光のエネルギー に変化した訳です。

実際にはこの時には光だけでなく、熱としてもエネルギーが使われています。

電気のエネルギーを消費して、仕事をするものを 負荷(ふか) といいます。

この電球のような負荷を、電気抵抗または単に 抵抗 と呼んでいます。

一般に抵抗は \(R\) で、電流は \(I\) で、電圧は \(V\) で表わします。

これら電流 \(I\)、電圧 \(V\)、抵抗 \(R\) の間には次のような関係が成り立ちます。

\(I=\cfrac{V}{R}\)

この関係式のことを「オームの法則」といいます。

オームの法則は
• 電流の大きさは、電圧の大きさに比例する。
• 電流の大きさは、抵抗の大きさに反比例する。

ということを示す法則で、電気の最も基本になるものです。

抵抗の直列接続

(a) のような抵抗の接続方法を「抵抗の直列接続」といいます。

\(R_1\) と \(R_2\) を流れる電流 \(I\) は同じ大きさです。

各抵抗の端子間電圧を \(V_1、V_2\) とすると、オームの法則から

\(V=V_1+V_2\)

\(V=R_1I+R_2I\)

\(V=(R_1+R_2)I\) となり、合成抵抗を \(R\) とすれば、\(R=R_1+R_2\) になります。

★ 2個以上の抵抗を直列に接続した場合も、同様に計算することができるので、「多数の抵抗を直列に接続した場合の合成抵抗」は、「それぞれの抵抗の和」で求められます。

★ また、この時の各抵抗にかかる電圧の大きさは、各抵抗の大きさに比例します。

\(R_1:R_2=V_1:V_2\) となり、このことを 抵抗による電圧の分圧 といいます。

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抵抗の並列接続

(b)のように抵抗を接続する方法を「抵抗の並列接続」といいます。

\(R_1\) と \(R_2\) にかかる電圧 \(V\) は同じ大きさです。

各抵抗に流れる電流を \(I_1、I_2\) とすると、オームの法則から

\(I=I_1+I_2\)

\(I=\cfrac{V}{R_1}+\cfrac{V}{R_2}\)

\(I=\left( \cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2} \right)V\) になり

合成抵抗を \(R\) とすれば

\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}\)

\(R=\cfrac{1}{\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}}\) になります。

★ 2個以上の抵抗を並列に接続した場合も、同様に計算することができるので、「多数の抵抗を並列に接続した場合の合成抵抗」は、「それぞれの抵抗の逆数の和」で求められます。

★ また、この時の各抵抗に流れる電流の大きさは、各抵抗の大きさの逆数に比例します。

\(\cfrac{1}{R_1}:\cfrac{1}{R_2}=I_1:I_2\) となり、電源からの電流 \(I\) を \(\cfrac{1}{R_1}:\cfrac{1}{R_2}\) に分ける働きをします。

このことを「抵抗による電流の分流」といいます。

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電圧降下の表わし方

電気回路の抵抗に、電流が流れると 電圧降下 が起こります。

抵抗での電圧降下 の表わし方には、決まりがあります。

「抵抗での電圧降下」は、その抵抗を流れる 電流の向きと逆向きの起電力 で表現される。

練習問題

 

問題1

100Ωの抵抗に10Vの電圧を加えた時に流れる電流を求めよ。

<解 答>

オームの法則から

\(I=\cfrac{V}{R}=\cfrac{10}{100}=0.1\quad\rm[A]\)

問題2

次の回路に 10V の電圧を加えたとき、0.2A の電流が流れた。抵抗 R の値を求めよ。

<解 答>

オームの法則から

\(R=\cfrac{V}{I}=\cfrac{10}{0.2}=50\quad\rm[Ω]\)

問題3

200Ω の抵抗に 0.5A の電流が流れている、この時の抵抗の両端の電圧 V を求めよ。

<解 答>

オームの法則から

\(V=I×R=0.5×200=100\quad\rm[V]\)

問題4

次の回路(a)、(b)、(c)、(d)の各回路の合成抵抗を求めよ。

ただし、\(R_1=10\quad\rm[Ω]\)、\(R_2=20\quad\rm[Ω]\)、\(R_3=40\quad\rm[Ω]\) とする。

<解 答>
(a)
\(R=R_1+R_2+R_3=10+20+40=70\quad\rm[V]\)

(b)
\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}
{R_3}\)\(=\cfrac{1}{10}+\cfrac{1}{20}+\cfrac{1}{40}\)\(=\cfrac{7}{40}\)

\(R=\cfrac{40}{7}\quad\rm[Ω]\)

(c)
\(\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1+R_2}+\cfrac{1}{R_3}\)\(=\cfrac{1}{10+20}+\cfrac{1}{40}\)\(=\cfrac{7}{120}\)

\(R=\cfrac{120}{7}\quad\rm[Ω]\)

(d)
\(R=R_1+\cfrac{1}{\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}}\)\(=10+\cfrac{1}{\cfrac{1}{20}+\cfrac{1}{40}}\)\(=10+\cfrac{40}{3}\)\(=\cfrac{70}{3}\quad\rm[Ω]\)

問題5

10s(秒)間に70C(クーロン)の電気量が流れたとき、電流が均一に流れているものとしたとき、流れている電流を求めよ。

<解 答>

電流は1秒間に流れる電気量で表されます。

\(I=\cfrac{Q}{t}\quad\rm[A]\) より

\(I=\cfrac{70}{10}=7\quad\rm[A]\)

問題6

6 A(アンペア)の電流が 12s(秒)間流れています。移動した電気量を求めよ。

また電気はすべて電子によって運ばれているものとすると、移動した電子の個数はおよそ何個か求めよ。

電子1個の持つ電荷量 \(q\) は\(q=-1.602×10^{-19}\hspace{8px}\rm [C]\) とします。

<解 答>

\(I=\cfrac{Q}{t}\) を変形して

\(Q=It=6×12=72\quad\rm[C]\) 

移動した電子の数 \(n\)

\(n=\cfrac{Q}{q}≒44.9×10^{19}\) 個

以上で「最も簡単な電気回路」の説明を終わります。