ブリッジ回路とは
抵抗のブリッジ回路
図1のように「抵抗 \(R_1\hspace{8px}\rm [Ω]\) と 抵抗 \(R_2\hspace{8px}\rm [Ω]\)」、「抵抗 \(R_3\hspace{8px}\rm [Ω]\) と 抵抗 \(R_4\hspace{8px}\rm [Ω]\)」 をそれぞれ直列に接続し、そして直列接続した2つの回路を並列に接続した回路です。
この回路は、「抵抗の直並列回路」になります。
図2のように、抵抗の直並列回路の \(b\)点 と \(c\) 点 に抵抗 \(R_5\hspace{8px}\rm [Ω]\) を接続します。
橋(ブリッジ)をかけたような状態になるので、この回路を「ブリッジ回路」といいます。
ブリッジ回路が「平衡した」とは何のこと
図2のブリッジ回路で、抵抗 \(R_1\hspace{8px}\rm [Ω]、R_2\hspace{8px}\rm [Ω]、R_3\hspace{8px}\rm [Ω]、R_4\hspace{8px}\rm [Ω]\) をそれぞれ特別な値に設定すると、 \(b\)点 と \(c\) 点 の電位が等しくなり、 \(b\)点 と \(c\) 点 の間に電流が流れない状態になります。
この状態を「ブリッジ回路が平衡した」といいます。
「ブリッジ回路が平衡した」状態では、\(b\)点 と \(c\) 点 の間に電流が流れない状態になるので、抵抗 \(R_5\hspace{8px}\rm [Ω]\) が無いのと同じことになります。
ブリッジ回路の平衡条件とは
回路に流れる電流
ブリッジ回路が平衡しているときは図4のように、抵抗 \(R_1、R_2\) は直列接続なので、同じ大きさの電流 \(I_1\) が流れます。
同じように、抵抗 \(R_3、R_4\) も直列接続なので、同じ大きさの電流 \(I_2\) が流れます。
電圧降下の関係
図5において、ブリッジ回路が平衡しているときは \(b\)点 と \(c\) 点 の電位が等しい。
したがって
\(V_1=V_3\hspace{8px}\rm [V]\cdots(1)\)
オームの法則により
\(V_1=R_1I_1 \quad V_3=R_3I_2\) から
\(R_1I_1=R_3I_2\hspace{8px}\rm [V]\cdots(2)\)
同様にして
\(V_2=V_4\hspace{8px}\rm [V]\cdots(3)\)
オームの法則により
\(V_2=R_2I_1 \quad V_4=R_4I_2\) から
\(R_2I_1=R_4I_2\hspace{8px}\rm [V]\cdots(4)\)
式(4)を変形すると
\(I_2=\cfrac{R_2}{R_4}I_1\hspace{8px}\rm [A]\cdots(5)\)
式(5)の \(I_2\) を 式(2)に代入すると
\(R-1I_1=R_3×\cfrac{R_2}{R_4}I_1\) 両辺を \(I_1\) で約して整理すると
\(R_1R_4=R_2R_3\cdots(6)\) となります。
この式(6)が「ブリッジ回路の平衡条件」です。
ブリッジ回路の平衡条件は、「ブリッジ回路の向き合った抵抗の積に等しい」ことになります。
また、この条件を図6のように「たすきがけの条件が成り立つ」ともいいます。
以上で「ブリッジ回路とは」の説明を終わります。