保存力とは何か?

保存力とは、物体を A から B まで運ぶ「力がする仕事」が、物体を運ぶ経路(道筋)に関係なくスタートとゴールの位置だけで決まる場合の力をいいます。

保存力には重力や静電気力、弾性力があります。

これに対し非保存力には摩擦力や空気抵抗などがあります。

重力による位置エネルギー

物体がある高さにあるとき、その物体が高さを持つということだけでエネルギーを持っています。このエネルギーのことを位置エネルギーといいます。


図において \(m\) [kg] の物体が 高さ \(h\) [m] にあるときの位置エネルギー \(U_g\) は、重力加速度を \(g=9.8\) [m/s2] とすると、重力による位置エネルギーは

\(U_g=mgh\) [J] になります。

力 = 質量 × 加速度
\(F(N)=m(kg)×g(m/s^2)\)

仕事 = 力 × 距離
\(W(J)=F(N)×d(m)\)
単位 \(J=N\cdot m\) 

保存力について

保存力とは、物体を A から B まで運ぶ「力がする仕事」が物体を運ぶ経路(道筋)に関係なくスタートとゴールの位置だけで決まる場合の力のことです。

図のように物体をAからBまで、斜面を運ぶ場合とP点を経由して運ぶ場合を考えます。

物体の質量 \(m\) を 1 [kg] 、斜面の距離 \(d\) を 10 [m] 、重力加速度 \(g\) を 9.8 [m/s2] とします。

■ AからBまでのなめらかな斜線を運ぶ仕事 \(W_{A-B}\) を考えます。

物体 \(m\) にかかる重力は斜面に水平方向の力 \(F_L\) と垂直方向の力 \(F_V\) に分けることができます。
物体を引き上げるために必要な力は 斜面に水平方向の力 \(F_L\) になります。

\(F_L=mg\sin30°=\cfrac{1}{2}g\) [N] 

斜面をAからBまで引き上げる仕事 \(W_{A-B}\) は

仕事=力×距離 ですから

\(W_{A-B}=F_L×d\)

\(W_{A-B}=\cfrac{1}{2}×9.8×10=49\) [J] \(\cdots(1) \) になります。

■ AからPを経由してBまで運ぶ仕事を \(W_{A-P-B}\) を考えます。

なめらかな水平面をAからPまで移動する力 \(F_L\) は ゼロ になります。

\(F_L=mg\sin0=0\) なので

なめらかな水平面をAからPまで移動する仕事 \(W_{A-P}\) は ゼロ になります。

\(W_{A-P}=0\) 

PからBまで移動する仕事 \(W_{P-B}\) は 

\(W_{P-B}=mgd=1×9.8×5=49\) [J] になり、式(1)と等しくなります。

このように \(W_{A-B}\) の仕事と \(W_{A-P-B}\) の仕事が等しいとき、物体に働いている力を 「保存力」 といいます。

物体が基準点まで移動するときにする仕事が保存力になります。
物体が持つ位置エネルギーを計算するには、保存力がする仕事を計算することで求められます。

以上で「保存力とは何か?」の説明を終わります。