電位とは、基準とする地点からの高さを意味します。
また、その地点における位置エネルギーということもできます。
プラスの電荷は、山の形をしていると考えると頂上の方が、電位が高いということになります。
マイナスの電荷は、谷の形をしているので底の方が、電位が低いと考えることができます。
電位とは
電荷 \(+Q\) [C] による電界の強さは、図のように距離に反比例しています。
そして、電位とは、図のような電界中にある単位正電荷(+1クーロン)が持っている、位置エネルギーになります。
位置エネルギー \(U\) [J] は
\(U=qEd\) [J]\(\cdots\)(1)
\(q\cdots\)電荷
\(E\cdots\)電界の強さ
\(d\cdots\)距離
電位は、電界と電位の関係式 \(E=\cfrac{V}{d}\) [V/m] から、次の式で表すことができます。
\(V=Ed\) [V]\(\cdots\)(2)
ここで、位置エネルギー \(U\) の式の電荷が単位正電荷(+1クーロン)の場合
\(U=qEd=Ed\) となり、\(V=Ed\) と同じになります。
したがって、「電位=位置エネルギー」であることがわかります。
一般の媒質中 \(ε\) に置かれた \(Q\) [C] の電荷から\(r\) [m] 離れた点の電位 \(V\) を表す式は
\(V=Ed\)\(=\cfrac{Q}{4πεr^2}×r\)\(=\cfrac{1}{4πε_0}×\cfrac{Q}{ε_rr}\)\(≒9×10^9×\cfrac{Q}{ε_rr}\)
\(V≒9×10^9×\cfrac{Q}{ε_rr}\) [V] になります。
電位の単位は、[J/C] ですが、一般的に [V] ボルトを使います。
電位とは高さ
●プラスは山の形の電位であり、マイナスは谷の形の電位と考えられます。
プラスの電荷は山の高い位置にありますので、図1 にあるような位置に、+1クーロンの点電荷が置かれていると、その点電荷の位置が電位 \(V\)(ボルト) になります。
そして、電荷間に働く力はプラス同士なので反発力(斥力)が働きます。

次に、マイナスの電荷は谷の低い位置にあると考えます。
図2のような場所に置かれた、+1クーロンの点電荷は吸引力がはたらいて底の方に引き寄せられます。
その点電荷の基準からの位置が電位 \(V\)(ボルト) になります。

点電荷が作る電位
\(q\) クーロンの点電荷が距離 \(r\) [m] に作る電位 \(V\) は
\(V=k\cfrac{q}{r}\) [V]
\(k=\cfrac{1}{4πε_0}≒ 9×10^9=90億\) [N・m2/C2]
電位は方向を持たない「スカラ量」になります。
例題1
図の二つの電位の合計を求めよ。

<解答>
2つの電荷qによる電位は共に同じになります。
\(V=k\cfrac{q}{a}\) [V]
電位 \(V\) の足し算は数値で計算する。(向きは関係なし)
\(2V=k\cfrac{q}{a}+k\cfrac{q}{a}=\cfrac{2kq}{a}\) になります。
以上で「電位とは」の説明を終わります。