原子と電子と電流

物質の元になる原子の構造と電気の元になる 電子 について説明します。

電気は原子の中に電子が移動することで電流の流れを作ります。

よく知られていることかもしれませんが 電流と電子の流れは逆 の向きになっています。

その理由は 電子が発見される前に電流の流れる方向が決められてしまったからです。 

原子の構造

★ 原子の構造は図1のように、原子核と電子で構成されています。
さらに、原子核は陽子と中性子で出来ています。
 陽子の数を原子番号といい、電荷をもたない原子においては原子番号は電子の数に等しくなっています。 

    原子の電気的な性質

  1. 陽子は +の電気をおびています。
  2. 電子は -の電気をおびています。
  3. 中性子は 電気をおびていません。

通常の状態では原子核の+の電気と電子の-の電気量の合計は、原子全体ではゼロになっていることです。

電子の軌道

電子の動きを説明するときに、図2のような平面図を使用しますが、実際の電子の動きは立体的になっています。
ここでは 殻の説明と電子の収容数 について、説明します。

    原子殻と電子の収容数

  1. 電子が存在できる電子殻は原子核の近い方から、K殻、L殻、M殻、N殻と続いている。
  2. それぞれの殻には電子が収容できる数が決まっています。
  3. そして、一部の電子が何かのエネルギーを受けて原子から飛び出して自由に動き回ります。
  4. この電子を自由電子といいます。

電流の向き と 電子の流れる向き

電子はマイナスの電気をおびているので プラス極 に惹かれます。
正孔(ホール)はプラスの電気を帯びているので マイナス極 にひかれます。

  • 電子の流れ \(\cdots\) マイナス極側 から プラス極側 へ流れます。
  • 電流の流れ \(\cdots\) プラス極側 から マイナス極側 に流れます。
  • つまり 電流と電子の流れは逆 になります。

■ 電流の定義
電流の大きさは単位時間に移動する電気の量で表します。
電気の量のことをクーロン(C)と言います。

1A(アンペア)は1秒間に1C(クーロン)の電荷が流れるときの電流の大きさと定義されています。

電流を \(I\) [A]  、電気量(電荷量)を \(Q\) [C]  、時間を \(t\) [s] とすると

\(I\) [A] \(=\cfrac{Q}{t}\) [C/s]  になります。

練習問題

■ 問題1
10秒間に70 [C] クーロンの電気量が流れた、電流は均一に流れているとすると、どれだけの電流が流れたか求めよ。

解答例
\(I=\cfrac{Q}{t}\) [A] より

\(I =\cfrac{Q}{t}=\cfrac{70}{10}=7\) [A] 

■ 問題2
6 アンペア の電流が 12 秒間流れている。
移動した電気量を求めよ。

また、電子1個の持つ電荷量を \(1.602×10^{-19}\) [C] とすれば移動した電子の数は 約何個になるか。

解答例
★ 移動した電気量
\(Q =It\) [C] より

\(Q =It=6×12=72\) [C] 

★ 移動した電子の個数を \(n\) とすると
\(n=\cfrac{Q}{q}=\cfrac{72}{1.602×10^{-19}}\fallingdotseq44.9×10^{19}\) 個

以上で「原子と電子と電流」の説明を終わります。