電気は自由電子が、移動することにより作られます。
そして、電子が移動することが電流の流れになります。
ここでは、電気と電流について説明します。
自由電子が電気を作る
★ 電気とはいったい何のことでしょうか?
分かりそうでよくわからないものです。
なぜ電気ができるのかというと、電気は 自由電子 の動きによってできるといえます。
原子核のまわりを回っている電子が、外からの刺激によって飛び出すことが電気の元になるといえます。
原子の様子
物質が何からできているかというと、すべての物質は、原子からできています。
★ 原子は、プラスの電気を持つ原子核とマイナスの電気を持つ電子で作られています。
原子核の中には、正の電気を持つ 陽子 と電気を持たない 中性子 があります。
陽子の数と電子の数が同じなので、電気的には中性になっています。
原子核の周りには 殻(カク)と呼ばれる電子がまわる軌道があります。
原子核の周りを電子がまわっています。
しかし、電子が外から何かの刺激を受けると、外に飛び出してしまします。
このように、外からの刺激によって飛び出してしまう電子のことを 自由電子 といいます。
自由電子が動くことを 電流 といい、電子の動きが電気を作ると考えて良いでしょう。
電子の移動が電気の流れになる
★ 自由電子が何らかの刺激を受けて原子核から飛び出すと
図のように物質の中で電子が次々に移動することになります。
このように電子が移動することで、電気が流れることになります。
この電気の流れのことを 電流 といいます。
電流とは
■ 電流の向き
電流の向きを決めたとき、電流の流れは 正電荷 の流れる方向と決められました。
電流は プラス から マイナス の向きに流れるとしています。
後になって、電流の流れは自由電子の流れであることがわかりました。
電流と電子の流れが逆 だったのです。
■ 電流の大きさ
電流の大きさは、任意の断面を1秒間に移動する電気量で表します。
電流 1 [A] アンペア は 1秒間に 1 [C] クーロンの電荷が移動することをいいます。
★ 電流を \(I\) [A] 電荷(電気の量のこと)\(Q\) [C] 時間を \(t\) [s] とすると
電流は次の式で表されます。
\(I=\cfrac{Q}{t}\) [A]
電流の単位 [A] = [C] / [s] になります。
電流の公式 I=Sevn
電流の公式として
\(I=Sevn\) があります。
公式の導き方
★ 図のように導体の中を電子が移動すると電流が流れます。
★ 1秒間に電子が移動する距離は
速度が \(v\) [m/s] なので \(v\) [m] になります。
1秒間に導体を電子が移動した体積は
体積=断面積×移動距離 ですから
体積\(=Sv\) [m3] になります。
★ 単位体積当たりの電子の数
単位体積当たりの電子数を個数密度 \(n\) といいます。
1秒間に電子が移動した個数は、次のように求めることができます。
個数=体積×個数密度 から
個数=\(=Svn\) になります。
★ 1秒間に移動した電気量 \(q\) は 個数×電子の電気量 になります。
\(q=Sevn\) [C/s]
\(I=\cfrac{Q}{s}=\cfrac{Sevn}{1}=Sevn\) [A]
電気素量
正・負の電気量の最小単位の絶対値を 電気素量 といいます。
\(e\) で表し単位に [C] クーロンを使います。
電気素量 \(e=1.60219×10^{-19}\) [C]
★ 1個の電子の持つ電荷は電気素量にマイナスを付けます。
\(-e=1.60219×10^{-19}\) [C]
★ 1個の陽子の持つ電荷は電気素量にプラスを付けます。
\(+e=1.60219×10^{-19}\) [C]
★ 1アンペアを電子の数に換算すると
電子の個数\(=\cfrac{1}{1.60219×10^{-19}}≒6.24×10^{18}\) 個になります。
以上で「電気は自由電子の移動によって作られる」の説明を終わります。