遠くにある電灯を、思い浮かべてください。
電気のスイッチを入れると、一瞬で電灯がつくように見えます。
ここでは、電流の速さについて、説明します。
電気の伝わる速さ
■ 光の速さ
光速は毎秒約30万キロメートルと定義されています。
地球の周囲が一周で約4万kmなので
光の速さは、一秒間に地球を7周半することになります。
時速に換算すると 300,000 km × 60(秒)× 60(分)ですから、
■ 電流の速さ
何百メートルも離れた所にある電燈でも
電気のスイッチを入れれば、その瞬間に点灯します。
これは、電流が流れたことによるものです。
電流の速度を考える時に 「電流の速さ=電流の流れる速さ」 と考えてはいけません。
「電流の速さ=電流の伝わる速さ」 と考える事の方が分かり易くなります。
「電流の伝わる速さ」というのは光速と同じと考えられています。
電子のスピードは以外に遅い
一般的に電子のスピードはとても遅くて
カタツムリの進む速さより遅い、といわれています。
その速さでは、とても光の速さと同じにはなりません。
何しろ電子の大きさが非常に小さいものですから
1個の電子がどんなに速く移動したとしても、大した距離ではないと考えられます。
なぜ光の速さと同じになるのでしょうか
■ ところてん方式による説明
いま仮に最初の子供を A君、最後の子供を B君として
すべての子供たちが 右を向いて一列に並んでいると思って下さい。
そして、今からすべての子供たちを今と逆の左に向かせる時に
ところてん方式では、最後のB君に小さな声で「左向け左」と伝えて
それを次々に、次の子供に伝えて繰り返す方法といえます。
しかし、この説明ではある程度の速度になりますがとても
光の速さになるという、説明をするには無理があります。
■ 命令を伝えるもの
そこで考えられるのは
一列に右を向いている子供たちを、指揮する先生が
子供たち全員に対して「左向け左」と伝えることです。
このようにすれば、全員がほぼ同時に左に向くことが可能になります。
電流の伝わる速さは、このように何らかのエネルギーが
電線内のすべての電子に対して命令を
伝えていると考えれば良いのではないでしょうか。
この命令に相当する何らかのエネルギーは
電界と磁界の作用なのでは、ないかと考えられます。
電界と磁界つまり電磁場が、この役目をしていると考えられます。
いまスイッチが「OFF」から「ON」になった瞬間に
電磁場が光速で伝わるので、一斉に向きを変えると考えるのが良いでしょう。
以上で「電流の速さは光の速さと同じ?」の説明を終わります。