電気製品を家庭のコンセントにつなぐことで、いつでも電気を使うことができます。
私達は当たり前のように電気を使っていますが、引込線からコンセントまでどのように電気が来ているのかを考えてみます。
また、電気製品に使うアースの役割について説明します。
引込線からコンセント
引込線からコンセントまでの電気の流れは、大まかに説明すると図のようになっています。
- 屋外の柱上変圧器で「100ボルト/200ボルト」に変圧された電気は、引込線で電力量計に接続されています。
- 電力量計を通った電気は、屋内の分電盤につながっています。
- 分電盤にはアンペアブレーカー、漏電しゃ断器、安全ブレーカーの順に電気がつながっています。
- 安全ブレーカーは、通常、複数個あり各部屋のコンセントに配電されています。
各機器の役割
■ 電力量計の役割
電力量計は、使用した電気の量を計量する電気計器のことで、「電力メーター」や単に「メーター」などといわれます。
以前は、回転する円盤を持つ積算電力計が一般的でしたが、最近は順次「スマートメーター」という電気の使用量を、細かく把握することができるメーターに変えられています。
■ アンペアブレーカーの役割
アンペアブレーカーは、電力会社と需要家(家庭や工場など)の間で契約された電力のことです。
一般家庭の分電盤にある写真のようなものです。
契約したアンペアを超えるとこのアンペアブレーカーが働いて電気が止まります。
■ 漏電しゃ断器の役割
漏電しゃ断器は名前の示すとおり、なにかの理由で漏電した時に漏電電流を感知して、この遮断器が働くようになっています。
アンペアブレーカや安全ブレーカーは、電気機器などが 「短絡」(ショート) した場合や電気を使いすぎた時に、流れる大きな電流を遮断するのが目的です。
それに対して、漏電しゃ断器は電路から大地に、漏電したときの 感電防止を目的 としています。
そのため、漏電遮断器が感知する動作電流は数十mA(ミリアンペア)と小さいものです。
■ 安全ブレーカーの役割
安全ブレーカー通常、複数個あって各部屋のコンセントなどに配線されています。
安全ブレーカーにより、配線がいくつかに別れているのは目的があります。
安全ブレーカーがない状態で、過負荷や電気機器の短絡により大電流が流れた場合は、大もとのブレーカが働いてしまうためすべての電気が遮断されてしまいます。
しかし、安全ブレーカーにより配線がいくつかに別れていれば、その回路の安全ブレーカーが遮断されるだけで済みます。
このように、家庭の電気も安全に使えるように考えられています。
アース線(接地)の役割
電気製品によってはアース線を必要とするものがあります。
アース線はどのような役割があるのでしょうか?
アース線がない時
電気製品などが絶縁不良になると、通常は電気が流れないはずの外枠や表面に電気が流れている場合があります。
このような状態のときに、絶縁不良の電気製品に触れると人体を通して電気が流れることになります。
つまり、人体に電気が流れることになり、感電することになります。
アース線がある時
電気製品が絶縁不良を起こしたときでも、アース線がついていると漏電した電気はほとんどがアース線を通して大地に流れます。
そのため、絶縁不良の電気製品に触っても、人体に流れる電気が少ないので感電のリスクが小さくなります。
また、漏電ブレーカーが作動して、電気回路を遮断して安全を確保することができます。
アース線がついている場合は、人体の持つ抵抗よりアース線のほうが抵抗がとても小さいので、人体に流れる電流はとても小さくなります。
コンセントにアース端子がある場合は、簡単ですから必ずアース線を取付けると安心です。
特に水を使う洗濯機などは、必ずアース線を付けたほうが感電を防ぐためにも設置したほうが安心です。
以上で「コンセントとアースの役割」の説明を終わります。