RLC直列共振回路




この記事は次の項目について書いています。(この記事は2019/7/28に更新されました。)

  • RLC直列共振とは何のこと?
  • RLC直列共振回路の共振周波数
  • RLC直列共振回路の電圧と電流とインピーダンス
  • RLC直列共振回路の特徴

RLC直列共振とは何のこと?

次の回路図は「RLC直列回路」「RLC直列共振回路」です。

見たところ違いはありませんね。
実は、回路の周波数が違います。

RLC直列回路の「ある特別な状態の時」を RLC直列共振回路 といいます。

コイルのリアクタンスは \(X_L=ωL=2πfL\)
コンデンサのリアクタンスは \(X_C=\cfrac{1}{ωC}=\cfrac{1}{2πfC}\) ですね。
両方とも、周波数 \(f\) が関係しています。

RLC直列回路のインピーダンスの式は
\(\dot Z=R+j(X_L-X_C)\)\(=R+j(ωL-\cfrac{1}{ωC})\quad[Ω]\cdots①\) になります。

RLC直列回路の「ある特別な状態の時」は何かというと
式①の虚数部 \((ωL-\cfrac{1}{ωC})\) で、\((ωL-\cfrac{1}{ωC})=0\) になるときのことです。

\((ωL-\cfrac{1}{ωC})=0\) になるということは、どういうことかというと
見かけ上、コイルとコンデンサがなくなったということになります。

RLC直列回路において、\((ωL=\cfrac{1}{ωC})\) になることを「RLC直列共振」といいます。

共振はある特定の周波数のときに \((ωL=\cfrac{1}{ωC})\) という状態になります。
このときの周波数を共振周波数 \(f_0\) といいます。

共振周波数 \(f_0\) のときの、インピーダンスの式は \((ωL-\cfrac{1}{ωC})=0\) なので
\(\dot Z=R+j(ωL-\cfrac{1}{ωC})\)

\(\dot Z=R\quad[Ω]\cdots②\) になります。

共振とは
RLC直列回路において、\(ωL=\cfrac{1}{ωC}\) になるときの状態を共振状態といいます。
共振状態のときのインピーダンスは、\(\dot Z=R\) となり、抵抗 \(R\) だけになります。

RLC直列共振回路の共振周波数

RLC直列回路のリアクタンスと周波数の関係を、グラフで見ると次のようになります。

コイルのリアクタンス \(ωL\) は周波数に比例して大きくなります。
逆に、コンデンサのリアクタンス \(\cfrac{1}{ωC}\) は反比例して小さくなります。

コイルのリアクタンスとコンデンサのリアクタンスは、正反対の性質があるので周波数を増加させていくと途中に必ず、\((ωL=\cfrac{1}{ωC})\) になり共振する周波数があります。

このように共振したときの周波数 \(f_0\) を共振周波数といいます。

共振周波数 \(f_0\) のときの共振角速度を \(ω_0\) とすると

\(ω_0L=\cfrac{1}{ω_0C}\) から
\({ω_0}^2=\cfrac{1}{LC}\)
\(ω_0=\cfrac{1}{\sqrt{LC}}\)

ここで、\(ω_0=2πf_0\) ですから
\(2πf_0=\cfrac{1}{\sqrt{LC}}\) になります。

したがって、共振周波数は

\(f_0=\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\quad[Hz]\)  になります。

RLC直列共振回路の電圧と電流とインピーダンス

RLC直列共振時の電圧

RLC直列共振時に抵抗、コイル、コンデンサの端子電圧は、図のようになります。

共振しているときは、コイルの端子電圧 \(V_L\) と コンデンサの端子電圧 \(V_C\) が互いに打ち消し合うのでリアクタンス分はなくなり、抵抗分だけになります。

また、共振時に流れる電流を共振電流 \(I_0\) といいます。
共振電流 \(\dot{I_0}\) は、共振時に最大になります。

\(\dot{I_0}=\cfrac{\dot{E}}{\dot{Z}}=\cfrac{\dot{E}}{R}\quad[A]\) 

インピーダンスベクトル図

次に共振時とそれ以外のときのインピーダンスを、ベクトルで表すと次のようになります。

RLC直列共振回路の特徴

共振状態になると
•電源から見たインピーダンスは見かけ上は抵抗だけになるので、電圧と電流は同相になります。
•共振状態のときは L や C の端子電圧が電源電圧より大きくなります。電圧拡大作用という現象が起こります。
•共振状態のときの電流の値は最大になります。

\(L\) と \(C\) の電圧拡大作用

RLC直列回路が共振状態になると、電源電圧 \(E\) より \(L\) や \(C\) の端子電圧が大きくなるという現象が起こります。

その大きさは、共振電流を \(I_0\) とすると
\(I_0=\cfrac{E}{R}\quad[A]\) 

共振角速度 \(ω_0\) は
\(ω_0=\cfrac{1}{\sqrt{LC}}\)

\(L\) や \(C\) の端子電圧 \(V_L、V_C\) は次のようになります。
\(V_L=ω_0LI_0=ω_0L\cfrac{E}{R}\quad[V]\) 
\(V_C=\cfrac{1}{ω_0C}I_0=\cfrac{1}{ω_0C}\cfrac{E}{R}\quad[V]\) 

電源電圧と\(V_L\) や \(V_C\) の比を「選択度」あるいは \(Q\) といいます。

\(Q=\cfrac{V_L}{E}=\cfrac{ω_0L\cfrac{E}{R}}{E}=\cfrac{ω_0L}{R}=\cfrac{1}{R}\sqrt{\cfrac{L}{C}}\)

\(Q=\cfrac{V_C}{E}=\cfrac{\cfrac{E}{ω_0CR}}{E}=\cfrac{1}{ω_0CR}=\cfrac{1}{R}\sqrt{\cfrac{L}{C}}\)

したがって、\(L\) や \(C\) は電源電圧に対して

\(L\) の端子電圧は \(\cfrac{ωL}{R}\) 倍

\(C \)の端子電圧は \(\cfrac{1}{ωCR}\) 倍になります。

選択度 \(Q\) は

\(Q=\cfrac{V_L}{E}=\cfrac{V_C}{E}=\cfrac{1}{R}\sqrt{\cfrac{L}{C}}\) になります。

計算例

直列共振 
次のようなRLC直列回路に、 \(R=10\) [Ω]、\(L=10π\) [mH]、\(C=π/4\) [μF] が接続されているとき、\(E=10\) [V] の交流電圧を加えると、共振時に \(L、C\) 両端の電圧は 何 [V] になるか求めよ。 
(\(π^2 \fallingdotseq 10\)とする。) 

<解 答>
\(f_o=\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\)=\(\cfrac{1}{2π\sqrt{10π×10^{-3}×(π/4)×10^{-6}}}\)=\(\cfrac{1}{π^2×10^{-4}}\)=\(\cfrac{10000}{10}=1000\) [Hz]

\(I_o=\cfrac{E}{Z}=\cfrac{E}{R}=\cfrac{10}{10}=1\) [A]

\(X_L=ωL\)=\(2πfL=2π×10^3×10π×10^{-3}=200\) [Ω]

\(X_C=\cfrac{1}{ωC}\)=\(\cfrac{1}{2πfC}=\cfrac{1}{2π×10^3×(π/4)×10^{-6}}=200\) [Ω]

\(V_L=ωLI=200×1=200\) [V]

\(V_C=\cfrac{1}{ωC}I=200×1=200\) [V]

\(Q=\cfrac{ωL}{R}=\cfrac{200}{10}=20\) 倍

\(Q=\cfrac{1}{ωCR}=200×\cfrac{1}{10}=20\) 倍

このことから分かるように、\(L\) や \(C\) の端子電圧は電源電圧の 20 倍にもなることが分かります。

RLC並列共振回路

2019.06.11

以上で「RLC直列共振回路」の説明を終わります。




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