三相交流の原理

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三相交流の原理

一般家庭で使われている電気(交流)は単相交流というものです。この単相交流の位相を互いにずらせて、3系統を組み合わせた交流方式が三相交流といわれるものです。

 

一般家庭で使う単相交流電源を電灯(でんとう)と呼び、主に工場などで使われる三相交流電源を動力(どうりょく)と呼びます。

 

三相交流の原理
三相交流は瞬時の和がゼロになる
三相交流と相順



三相交流の原理

 

三相交流の原理を理解するには、単相交流の仕組みを知らなくてはなりません。

 

単相交流の仕組みと波形

発電機の導体(コイル)が回転することで、図1-1のような単相交流が発生します。時間の経過と共に電圧の大きさと方向が、変化していることがわかります。

 

 

単相電動機の電流の向きは時間と共に変化する

単相電動機に流れる電流の動きは、常に変化して行ったり来たりを繰り返している。図1-2のようにAからCの波形の時は、単相電動機には赤の矢印の向きに電流が流れ、CからEの波形の時は青の矢印の向きの電流が流れている。

 

つまり、単相交流は時間の経過と共に、流れる電流の方向と大きさが変化しています。

 

 

三相交流とはどんなものでしょうか

 

三相交流の原理とは

三相交流とは本来ならば3系統の電気を送るためには6本の電線が必要なところを、3系統の電気の位相を互いにずらすことで、3本で送れるという優れた特徴を持つものです。これが三相交流の原理です。

 

三相交流の原理は単相交流の位相を各相毎に 120度$\left(\cfrac{2π}{3}\right)$ずらせたもので、回転磁界を簡単に得ることができる。また、三相交流から単相交流を取り出すことができること。

 

各相の大きさと周波数が同じ三相交流のことを、対称三相交流と呼び、通常は対称三相交流のことを単に三相交流と呼ぶ。

 

三相交流は単相交流と比べて、電線一本当たりの送電電力が大きいなどの利点があるため最も普及している。

 

 

三相交流は3系統の単相交流が合体したもの

図1-3は3個の単相交流回路と三相交流回路を表わしている。三相交流回路は戻りの線を共通線で1本にしたもので、三相4線式と呼ばれるものです。



三相交流は瞬時の和がゼロになる

 

 

三相交流の波形

三相交流の最大の特徴は各相の値を瞬時で合計するとゼロになることです。三相の電力を3本の電線で送ることができる。これが三相交流の原理です。

 

瞬時の和がゼロになることを計算で確かめる

図2-1に平衡三相交流を複素数で表示する。次に共通線に流れる電流がゼロになることを計算で確かめてみる。各相の大きさは同じで、位相が互いに120度$\left(\cfrac{2π}{3}\right)$ずれている。

 

 

三相交流回路の各相に流れる電流は次のようになる

$$I_a=I[A]$$
$I_b=I\left(-\cfrac{1}{2}-j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)[A]\tag{4-1-1-1}$
$$I_C=I\left(-\cfrac{1}{2}+j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)[A]$$

 

三相交流回路各相の電流を加算するとゼロになる

$$I_a+I_b+I_c=I+I\left(-\cfrac{1}{2}-j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)+I\left(-\cfrac{1}{2}+j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)$$
$I_a+I_b+I_c=0\tag{4-1-1-2}$

 

 

この結果、共通帰線が不要となり、図2-2のように三相交流回路では三相3線式にすることができる




三相交流と相順

 

もう一度、三相交流の波形を見ると各相には互いに120度の位相差がある。三相交流には相順というものが決まっている。

 

図Aでは、三相交流のR相を赤、 S相を緑、 T相を青として書いているが通常、相順として使うのは、赤、白、青(黒)が使われる。サイトの都合上、白が使えないのでここでは、緑を使っている。

 

三相交流回路の相順をわかりやすくするために、S相をR相から120度、T相をR相から240度ずれたところまで点線にしてあります。

 

三相交流のR相がゼロから始まり、S相が120度遅れてゼロから始まります。さらに120度遅れて、T相がゼロから始まります。

 

三相交流回路の各相の呼び方と記号などの慣習

 

相順

電源記号

負荷端子

電線の色

入力

出力

第一相

R

U

u

第二相 

S

V

v

第三相

T

W

w

青(黒)

第四相

N

O

o

 

 

三相交流回路では電源側としては R、S、T を使い、負荷側の三相誘導電動機などでは U、V、W を使います。変圧器などの入力側には大文字で U、V、W を使い、出力側には小文字で  u、v、w を使います。

 

三相交流回路の場合、RST(赤白青)で正相の相順としている。なぜ相順が必要かというと、三相誘導電動機では相順を合わせることで、規定の方向へ回転させる事ができます。

 

三相誘導電動機の回転方向を変えるには2本を入れ替える

三相誘導電動機の回転方向を変えるには、三相のうちの2本を入れ替えることで回転を逆にすることができます。この場合入れ替えるのは、第1相と第3相を入れ替えるようにするのが一般的です。

 

ブレーカを正面から見た時に三相交流回路の場合
R相とT相を入れ替える前の相順は、第1相、第2相、第3相(正相)となり
R相とT相を入れ替えた後の相順は、第3相、第2相、第1相(逆相)
のようになるからです。
このため、通常は第1相、第2相を入れ替えることはしません。

 

電動機(モーター)の回転方向について

回転方向の見方は
出力の軸側から見て、時計方向をCW:時計回り(clockwise)
出力の軸側から見て、反対方向をCCW:反時計回り(counterclockwise)と呼びます。

 

電動機(モーター)の回転方向の日本の規格

日本の場合、JISの規格によれば、「軸の反対方向から見て時計方向を正回転とする」とされている。従って、軸側から見れば時計と反対方向のCCWの回転が正回転となる。

 

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