三相交流の原理

家庭のコンセントに来ている交流の電気を 単相交流 といいます。

三相交流 とは、この単相交流を三つ合わせたものといえます。

単相交流を三つ合わせたものが三相交流ならば、単純に考えると6本の配線が必要なように思えます。

しかし、実際には3本の電線で三系統の単相交流を送電することができます。

このことは、発電所で作られた電気の送電などに、三相交流が用いられる大きな要因と考えることができます。

三相交流の原理 は、三つの単相交流の 「位相」 を互いに 1/3(120度) ずつずらすという仕組みを利用しています。

位相については次の記事が参考になります。
■関連記事■ 位相と位相差とは

一般的に、対称三相交流のことを単に「三相交流」といいます。

対称三相交流 とは、三相の起電力の大きさと周波数が等しく、三相それぞれの位相差が、\(\left(\cfrac{2π}{3}\right)\quad\rm[rad]\) ラジアン の関係にある交流のことをいいます。

三相交流の原理

■ 発電機の原理

磁界の中にあるコイルを回転させると、 電磁誘導 によってコイルに起電力が発生します。

電磁誘導については次の記事が参考になります。
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これは発電機の原理なので、磁石の周りにコイルを固定して、磁石の方を回転させても電磁誘導によってコイルに起電力が発生します。

■ コイルにどの向きの電流が流れるかについては、フレミングの右手の法則の方向に流れます。

フレミングの法則については次の記事が参考になります。
■関連記事■ フレミング左手の法則と右手の法則

三相交流発電機の原理

三相交流の原理は、三つのコイルを 「電気的」 に互いに 120度 つまり、\(\left(\cfrac{2π}{3}\right)\quad\rm[rad]\) ラジアン ずつずらして配置します。

ラジアンについては次の記事が参考になります。
■関連記事■ ラジアン(弧度法)とは何か

三つのコイルを 120度 ずらすことにより、電圧の大きさと周波数が同じで互いに位相が 120度 ずれた、起電力を発生させることができます。

三相交流は瞬時値の和がゼロになる

三相交流の特徴の一つですが、三相交流は瞬時値の和が常にゼロになります。

このことが、三系統の単相交流を重ね合わせた時に、3本の電線で送電ができるという理由になります。

三相交流の三相4線式

三つの単相交流を重ね合わせると、共通の「帰線」を持った 三相4線式 にすることができます。

三相交流の瞬時値が常にゼロになるという特性から、「共通帰線」 も必要なくなります。

したがって、三相交流は、三系統の単相交流を3本の電線で送電することができるわけです。

三相交流の原理を数式で確認

瞬時値の和がゼロになることを計算してみましょう。

平衡三相交流を 複素数 で表示します。

複素数については次の記事が参考になります。
■関連記事■ 複素数の計算

三相交流回路の各相に流れる電流は、式で表すと次のようになリます。

\(I_a=I\quad\rm[A]\)
\(I_b=I\left(-\cfrac{1}{2}-j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)\quad\rm[A]\)
\(I_c=I\left(-\cfrac{1}{2}+j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)\quad\rm[A]\)

三相交流回路の各相の電流を加算すると「ゼロ」になります。

\(I_a+I_b+I_c\)\(=I+I\left(-\cfrac{1}{2}-j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)+I\left(-\cfrac{1}{2}+j\cfrac{\sqrt3}{2}\right)\)\(=I-I-j\cfrac{\sqrt3}{2}+j\cfrac{\sqrt3}{2}\) 

\(I_a+I_b+I_c=0\)

この結果から分かる通り、三相交流では共通帰線に電流が流れませんので、三相3線式にすることができることになります。

三相交流のメリット

  • 交流送電なので、高い電圧で送電することができるので、送電ロスが少なくて済むこと。
  • 三つの相の位相差が 120度 ずつあるので、回転磁界が簡単にできること。
  • 交流送電なので変圧器で昇圧したり、降圧するのが簡単にできること。
  • 同じ電力を送る場合に、経済的であること。

以上で「三相交流の原理」の説明を終わります。