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三相交流の相順(正相と逆相)とモーターの回転方向(正回転と逆回転)の解説

三相交流には相回転や相順があります。これは三相交流の3つの位相の間に、位相差があるためです。

三相交流の各相を、R相、S相、T相と呼びます。各相には位相差があるため、各相には順番があります。この順番のことを、相回転や相順といいます。

モーターの回転方向は、正回転と逆回転があり、モーターの軸側から見て「左回転」を正回転と決められています。

目次

相回転と相順とは

三相交流 は、3つの単相交流を合わせたものです。各相を R相、S相、T相 と呼び、各相の順番のことを、相回転や相順 といいます。

R相を基準としたとき、S相は120度遅れT相は240度遅れています。R相、S相、T相の各相の間は、互いに120度の 位相差 があります。

三相交流の相回転と相順

正相と逆相

三相交流の相回転(相順)には、正相と逆相 があります。

正相

正相は、R相を基準にしたとき、R相→S相→T相の順に相回転します。

「S相→T相→R相」や「T相→R相→S相」の順も 正相 になります。

三相交流の正相

逆相

逆相は、R相を基準にしたとき、R相→T相→S相の順に相回転します。

「T相→S相→R相」や「S相→R相→T相」の順も 逆相 になります。

三相交流の逆相

三相交流回路の各相の呼び方と記号

三相交流の各相を区別するために、各相の呼び方や記号などが決められています。

電源記号負荷
入力出力
第1相RUu
第2相SVv
第3相TWw

三相交流回路では電源側としては R、S、T を使い、負荷側の三相モーターなどでは U、V、W を使います。

変圧器などの入力側には大文字で U、V、W を使い、出力側には小文字で  u、v、w を使います。

三相モーターの正回転と逆回転の方法

正回転

三相モーターの正回転は、R S T(赤白青)で正回転します。

三相電動機の正回転

逆回転

三相モーターの逆回転は、T S R(青白赤)で逆回転とします。

三相電動機の逆回転

三相モーターの、回転方向を変えるのは簡単です。三相のうちの2本を入れ替えることで、回転を逆 にすることができます。

この場合入れ替えるのは、「第1相と第3相」を入れ替えるのが一般的です。次の図は逆回転が可能な、各相の配線を示します。

逆回転が可能な配線方法

ブレーカーを正面から見た時に三相交流回路の場合

R 相と T 相を入れ替える前の相順は、R相、S相、T相の順で正相となり

R 相と T 相を入れ替えた後の相順は、T相、S相、R相の順で逆相になリます。

一般的に、通常は第1相、第2相を入れ替えることはしません。

三相交流 の相順は、3つの相の2つを入れ替えると変わります。

モーターの正回転はどっち?

JISの規格によれば、モーターの回転方向は「軸の反対方向から見て時計方向を正回転とする」とされています。従って、軸側から見れば、時計と反対方向が正回転になリます。

モーターの正回転方向

言葉ではイメージが湧きませんが、電気ドリルを考えると分かりやすいと思います。

電気ドリルを軸の反対側から見ると、軸にドリルの刃が付いていて、回転方向は時計方向(右回転)に回転します。これが正回転の方向です

出力の軸側から見て、時計方向をCW:時計回り(clockwise)

出力の軸側から見て、反対方向をCCW:反時計回り(counterclockwise)と呼びます。

モーターのCWとCCW

まとめ

三相交流は位相差があるので、各相が順番に繰り返します。この順番や回転のことを相回転や相順といいます。

相回転には正相と逆相があります。

モーターの回転方向は、正回転と逆回転があります。

三相交流発電機の原理と仕組み

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