複素数とベクトル




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複素数とベクトル

ベクトルとは

量を表すには「スカラー量」「ベクトル量」があります。

●スカラー量=大きさのみの量
・長さ、質量、時間、温度、電荷、エネルギーなど

●ベクトル量=大きさと方向を持つ量
・速度、加速度、力、運動量、角運動量、電流などがあります。

ベクトルの表記法

ベクトルの表わし方には、文字表記と図形表記があります。

ベクトルの文字表記は、電気回路では文字(例:E)の頭に「ドット:・」を付けて表わします。

また、ベクトルの大きさは |E| または、E で表わします。

ベクトルの図形表記は、矢印を始点から終点に向けて引き、矢印の 長さがベクトルの大きさ を示し、矢印の 方向がベクトルの向き を示します。

ベクトルの複素数表示

★ x軸上の矢印 a をベクトル E の x 成分、y 軸上の矢印 b をベクトル E の y 成分といいます。

ベクトル E を複素数で表示すると、\(\dot{E}=a+jb\) となります。

ベクトルの大きさは、\(|\dot{E}|=\sqrt{a^2+b^2}\) です。

ベクトル E と x 軸を基準とした偏角 θ は、\(θ=tan^{-1}\cfrac{b}{a}\) です。

ベクトルの合成の仕方

★ベクトルを加算するには、ベクトルE1 と E2 の始点を合わせます。

  • ベクトル E1 の終点から E2 の平行線を引く。
  • 同じく、ベクトル E2 の終点から E1 の平行線を引く。
  • この両線の交点に、始点から矢印を引きます。
  • この矢印の線が、ベクトル E1 と E2 を加算したベクトル E になります。

 ベクトルの求め方
ベクトルの考え方を力で考えてみましょう。

図1のように2 [N] のちからが同じ方向に働いている時は、単純に2つを合わせれば良いので 4[N] ニュートンになります。

 ベクトルの加法
ベクトルを求めるには図2のように、2つの力で平行四辺形を作り合成することができます。

平行四辺形の対角線にあたるところが合成された力になります。

また図3のように1つの辺を平行移動させて作る方法もあります。

複素数について

記号法

電気回路の計算などで位相差などの関係を含めた式を表すのに複素数を用いる方法を記号法といいます。

電気工学では電圧に対する誘導性リアクタンスの電流は90度の遅れになりますから、\(-j\) をかければ座標を表せます。

また、容量性リアクタンスの場合は電圧に対して電流は90度の進みになりますから、\(+j\) をかければ座標を表せます。

 虚数とは何か
虚数とは、2乗して -1になる想像上(imaginary)の数で数学では \(i\) を使います。

電気工学では電流の記号に \(i\) を使うので、\(j\) を使います。

\(j\) は2乗すると -1 となる数です。

つまり、\(j×j=-1\) になります。

この虚数 \(j\) を掛けるということは何を意味するかというと、複素平面において 「もとある位置を反時計回りに90度回転させること」を意味します。

複素数があると便利なこと

 複素数とは、実数と虚数を組み合わせたものです

  • \(a+jb\) の形を複素数といいます。
  • 幾何学的なベクトルの計算を複素数を使うと数式計算によって求めることができること。
  • 平面の座標を表すことができる。

まず、正の数と負の数が使える世界を考えると、右へ+3 とか 左へ-2 などのように右と左の方向を表現できます。

 複素平面
一般に \(a+jb\) の形を複素数といいます。

実数 \(a\) をこの複素数の実部といい、虚数 \(jb\) を虚部といいます。

複素平面のことをガウス平面ともいいます。

複素数の計算

足し算と引き算

複素数 \(a+jb\) と \(c+jd\) の2つがあるとき、複素数の足し算と引き算は次のようになります。

足し算 \((a+jb)+(c+jd)=(a+c)+j(b+d)\)

引き算 \((a+jb)-(c+jd)=(a-c)+j(b-d)\)

実際の数値を入れて計算してみると
足し算の例 下図の左 \((4+j2)+(2+j3)=6+j5\) 

引き算の例 下図の右 \((4+j2)-(2+j3)=2-j1\) になり足し算と引き算ではベクトル計算のようになります。

  • 角度から三角関数の値を求めるのが、タンジェントであり、サインであり、コサインです。
  • 逆に、三角関数の値から、角度を求めるのが、アークタンジェントであり、アークサインであり、アークコサインです。逆三角関数と言います。

掛け算 (a+jb) × (c+jd)

つまり、大きさはそれぞれの絶対値A、Bの積になり、角度は足したものになります。

実際の計算では、別々に計算するのではなく下のように展開していきます。

割り算 (a+jb) ÷ (c+jd)

実際の計算では、分母を実数にするための工夫をして計算していきます。

複素数の有理化をすると計算がやりやすくなります。

複素数の有理化

複素数の有理化とは、\(\cfrac{1}{a+jb}\) といった形の複素数を \(c+jd\) といった形の、実数部と虚数部に変換することです。

\( c+jd\) という形にするためには \(\cfrac{1}{a+jb}\) の分母、分子のそれぞれに \( a-jb\) を掛けてやります。

たとえば
\(\cfrac{1}{a+jb}\)=\(\cfrac{1}{a+jb}×\cfrac{a-jb}{a-jb}\)=\(\cfrac{a-jb}{a^2+b^2}\)=\(\cfrac{a}{a^2+b^2}-j\cfrac{b}{a^2+b^2}\)

のように、実数部と虚数部にすることができます。

複素数の有理化の目的は、分母にある虚数を有理数にする事で計算をやりやすくするものです。

以上で「複素数とベクトル」の説明を終わります。




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