エナメル線を円筒形に巻いたものを コイル と言います。
コイルに電気を流すと、電磁石になります。
コイルに電気を流すと、なぜ磁石になるのか
また、コイルの芯に鉄心を入れると、なぜ磁力が強くなるのかを説明します。
コイルで電磁石を作る
電磁石を作るには、エナメル線を筒状のものに巻きつけて作ります。
例えば、プラスチックなどのストローにエナメル線を50回ほど巻いて、中心に鉄釘(てつくぎ)を入れます。
これは 透磁率 が関係しています。
このようにエナメル線などの導体を円筒状にしたものを コイル と呼びます。
電磁石の特徴
- エナメル線を巻く回数が多いほど、磁力は強くなります。
- エナメル線を巻く回数が少ないと、電池を短絡する状態と同じになりますので危険ですから注意が必要です。
■ エナメル線と銅線
エナメル線とは、銅線に絶縁性のあるエナメルを塗布(とふ)したものです。
そのため、エナメル線が接触するように巻きつけても
絶縁性があるので短絡(ショート)することはありません。
コイル、電池、方位磁石を使って簡単な実験をする
■ 実験の概要
- コイル\(\cdots\)プラスチックのストローにエナメル線を50回巻きました。
ストローの中心に鉄のクギを入れてあります。 - 方位磁石\(\cdots\)この方位磁石は針の 赤いほうが「N極」 で北を指します。
針の 白いほうが「S極」 で南を指します。 - 電池\(\cdots\)1.5V の乾電池で、プラスとマイナスを表示してあります。
- リード線\(\cdots\)クリップを付けた電線です。
赤は電池のプラスにつなぎます。
黒は電池のマイナスにつなぎます。
図のようにコイルと電池を接続するように配置します。
まだ、電気を流していないので、方位磁石は地磁気の方向である北を示しています。
■ コイルに電気をつなぐ
このコイルの巻き方は次のようになっています。
電池をつなぐと電流は図のように流れて、右向きの磁界ができます。
従って、コイルの右側が電磁石の「N極」、左側が「S極」になります。
この電磁石の回路に電気を流すと、コイルが電磁石になります。
- コイルの右側に「N極」ができます。
- コイルの左側に「S極」ができます。
- 方位磁石の「N極」である赤い針が、電磁石の「S極」に引きつけられます。
■ コイルに電気をつなぐ
- 電気を流す方向を変えるために、リード線をつなぎ変える。
- 電池がつながっていないので、電気が流れません。
- 従って、方位磁石の赤い針は、北を指しています。
■ 電池を逆につなぐ
次に、電池のプラスマイナスを先ほどとは、逆に接続して電気を流します。
こんどはコイルに流れる電流の向きが、先ほどと反対ですから
- コイルの右側に「S極」ができます。
- コイルの左側に「N極」ができます。
- 方位磁石の「S極」である白い針が、電磁石の「N極」に引きつけられます。
磁界ができる方向
導線に電流を流した時に発生する磁界の方向は
図のように電流の進む方向を右ねじの進む方向とすると
磁界は右ねじの回る方向に発生するという法則があります。
この法則を 右ねじの法則 といいます。
■ コイルの巻き方で、発生する磁界の方向が反対になる
図のように、同じ方向の電流をコイルに流しても
コイルの巻き方が異なると発生する磁界の方向が違ってきます。
以上で「コイルに電気を流すとなぜ磁石になるの?」の説明を終わります。