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アラゴの円板

アルミ板を自由に回転できるようにして、アルミ板の周囲で磁石を動かすとアルミ板が磁石の動きに引っ張られて動きます。

この現象を アラゴの円板 といいます。

アラゴの円板の原理は電気の使用量を計測する 積算電力計 に使われています。

ここでは、積算電力計の円盤が回る原理を説明します。

目次

積算電力計

最近ではデジタル表示の電力計になっていますが、以前では円板が回転する方式のものが多くありました。


アラゴの円板の現象は1824年に フランソワ・アラゴー が発見しました。

この頃では、オール電化の住宅が増加してきているため、時間帯別に電気の使用量を計測する必要性からデジタル表示の積算電力計が出てきています。

アラゴの円板の簡単な実験

アルミが磁石に引きつけられる様子を簡単な実験で見てみる。

■ 用意するもの

  • 綿棒などが入っているプラスチックの容器のフタ
  • アルミ箔を少し(10cm四方くらいで十分です。)
  • 1円玉を10枚くらい
  • 永久磁石(できれば強力な方が良い) 100円均一などで手に入るもので良い

■ 実験のやり方

  • 図1のようにプラスチックのフタにアルミ箔を敷きます。
  • アルミ箔の余分な部分は切り取る。
  • 次に、アルミ箔の上に図のように1円玉を並べます。(これがアルミ板の替りになります)
  • 次に上で作ったアルミ板を洗面器などに水を入れて、そっと浮かべます。
  • アルミ板の上で磁石をゆっくりと回転させると、磁石にそってアルミ板が回転することがわかります。

これがアラゴの円板と言われるものの原理です。

アラゴの円板でアルミ板が動く仕組み

アルミ板がアラゴの円板の原理によって、回転するのを理解するのは面倒です。

ここでは フレミングの左手の法則とフレミングの右手の法則 で説明します。

図のように円板に沿って、磁石を回転させると磁石に引っ張られるようにアルミ板が回転します。

ここで フレミングの右手の法則 によって

アルミ板に電流が発生することを理解しやすくするために 

磁石の移動と円板の移動 の関係を見てみます。

アルミ板に誘導される電流を

フレミングの右手の法則で考えるには 

磁石が移動 すると考えるより アルミ板の方が移動 すると

考えたほうが分かりやすいと思います。

■ 図は磁石をアルミ板の上で 反時計方向 に移動させたものです。

■ 上の図の状態を、磁石が固定した状態で考えた場合は、次の図ように考えることができます。

磁石が動かずに 円板が時計方向に移動 したのと、同じと考えられます。

アルミ板に1本の導線を考える

アルミ板は無数の導体が、集まったものと考えることができますので、1本の導線を考えて見ることにします。

■ 第1段階の現象

アルミ円板上に、1本の導線があると考えます。

  1. 磁石を 反時計方向(時計と反対の方向) に回転する。
  2. 1本の導線から見ると、導線が 時計方向 に回転したのと同じことになる。

図のように、磁石を固定して考えると 

フレミングの右手の法則 により円板上の

1本の導線には外側に向かう電流が流れます。

つまり、磁石を 反時計方向 に回転すると

外側に向かう電流が誘導されることになります。

結果として、磁石を 反時計方向 に回転すると 

フレミングの右手の法則 により、次のような 渦電流(誘導電流) が発生します。

■ 第2段階の現象
次に、磁石の磁界とアルミ板に誘導された電流により

  • 磁石による磁界の方向は、上から下に向かう方向。
  • アルミ板に流れる電流は、外側に向かう方向。
  • フレミングの左手の法則により、アルミ板には反時計方向に回転する力が発生する。
  • つまり 磁石と同じ方向に回転する ことになる。

最終的に磁石を移動させた方向に、円板が引っ張られるように動くことになります。

これがアラゴの円板の原理です。

円板の動く速さは引っ張られて動くという性質上、磁石の動きより早くなることはありません。

■ アラゴの円板

1824年フランスのドミニク・フランソワ・ジャン・アラゴは

磁石を銅製の円板に接近させ、磁石を回転すると銅円板も回転する“アラゴの円板”の現象を発見しました。

これは、銅円板に発生した渦電流によるもので、のちにフーコーによって解明されました。

■ 渦電流

渦電流とは、金属板(アルミニウムなど)を

強い磁場内で動かしたり、金属板の近傍の磁界を急激に変化させた際に

電磁誘導効果により金属内で生じる渦状の誘導電流のことである。

1855年にレオン・フーコーにより発見されました。

以上で「アラゴの円板」の説明を終わります。

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