相互誘導とは

相互誘導は、変圧器に用いられている原理です。

磁気的につながった2つのコイルの回路において、一つは電源を持つ回路(一次コイル)、もう一方は電源を持っていない回路(二次コイル)があります。

2つのコイル回路は、磁気的にはつながっていますが、電気回路として2つのコイル同士は接続されていません。

相互誘導とは

■ 一次コイルのスイッチを閉じた時
一次コイルに電流 \(I\) [A] を流すと、磁界が発生して電磁石になります。
一次コイルに鎖交する磁束 \(\Phi\) は、二次コイルにも鎖交しますので、二次コイルに誘導起電力 \(e\) [V] が発生し電流が流れます。

一次コイルの電流 \(I\) [A] を変化させたときに、二次コイルに誘導起電力 \(e\) [V] が発生することを 相互誘導 といいます。

相互誘導によって発生する起電力を 相互誘導起電力 といい、流れる電流を 相互誘導電流 といいます。

二次コイルに発生する相互誘導起電力 \(\phi\) は、一次コイルの磁束 \(\Phi\) の変化を 妨げるように発生 します。

この現象は レンツの法則 に従います。

二次コイルに流れる電流は、一次コイルの磁束 \(\Phi\) の変化を妨げるように発生するので、電流の向きに注意が必要です。

■ 一次コイルのスイッチを開いた時
電流が流れている状態でスイッチを開くと、一次コイルに流れていた電流がなくなりますので磁束 \(\Phi\) がなくなります。

二次コイルには、一次コイルのなくなる磁束 \(\Phi\) を増やす方向の電流が流れます。

二次コイルに流れる電流の向きは、スイッチを閉じたときと開いたときでは、流れる電流の向きが反対になります。

一次コイルに電流を流すと磁界が発生します。
磁気的につながっているので二次コイルに、相互誘導による誘導起電力が発生します。

このような現象を、 相互誘導 といいます。

二次コイルに起電力が発生するのは、一次コイルの磁界が変化したときだけです。

相互誘導の起電力と相互インダクタンス

図のように、磁気的に結合されている磁気回路において、一次コイルに交流電流を接続すると磁束が変化するので、二次コイルに交流起電力が発生します。

★ 一次コイルの電流が \(Δt\) 秒間に \(ΔI\) [A] 変化して、磁束 \(Δ\phi\) [Wb] だけ変化した時の二次側の誘導起電力 \(e_2\) [V] は二次コイルの巻数を \(N_2\) とすると
相互誘導起電力は
\(e_2=-N_2\cfrac{Δ\phi}{Δt}\)\(\cdots(1)\)

また、\(e_2\) [V] は \(\cfrac{ΔI}{Δt}\) に比例するので、比例定数を \(M\) とすると
相互誘導起電力は
\(e_2=-M\cfrac{ΔI}{Δt}\)\(\cdots(2)\)

したがって、相互誘導起電力は
\(e_2=-N_2\cfrac{Δ\phi}{Δt}\) [V] 

\(e_2=-M\cfrac{ΔI}{Δt}\) [V] 

★ \(M\) は 相互インダクタンス (相互誘導係数)といい、単位はヘンリー(H) でコイルの大きさや形状によって決まる係数です。

式(1)と式(2)から
\(N_2\cfrac{Δ\phi}{Δt}\)\(=M\cfrac{ΔI}{Δt}\)

\(N_2Δ\phi\)\(=M{ΔI}\) から

相互インダクタンスは
\(M=N_2\cfrac{Δ\phi}{ΔI}\) [H] になります。

以上で「相互誘導とは」の説明を終わります。