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電流計と電圧計の使い方

電気は目に見えないので、電気を目に見えるように考えられたのが電流計や電圧計などの計器です。

電流や電圧の 大きさ を測るには、それぞれに適した計器が必要になります。

電流を測るには電流計、電圧を測るには電圧計を使います。

電流計や電圧計にはアナログ形とデジタル形があります。

アナログ形は指針と目盛板で測定値を示し、デジタル形は数字で表示します。

ここでは、アナログ形の電流計と電圧計について説明します。

目次

電流計について

電流計の概略図です。

計測するレンジが複数ある時は 計測値の大きいものから使っていくのが原則 です。

測定値以上の大きな電流が流れると、電流計が壊れてしまうのを防ぐためです。

直流電流計で使われる駆動方式は、稼働コイル形と言われるものです。

これは永久磁石と電磁コイルによる 電磁力(フレミングの左手の法則) を利用した計器です。

電流計の使い方

回路図の電流計は 直流電流計 の記号を示します。

回路に流れている電流を測る時は、回路の一部を切って電流計を 直列 に接続します。

直流電流計には プラス端子 と マイナス端子 があります。

プラス端子には電流が流れ込む回路の電線を接続します。

アナログ形の計器の場合は、逆につなぐと針が逆に振れ電流計が壊れる場合もありますので、極性には十分に注意すべきです。

測定するレンジが複数(3A,1.5A,0.3A)ある場合は、大きいレンジから測定します。

これは、測定する電流がはっきりわからない時、電流計を壊さないようにするためです。

電流計の内部抵抗が誤差を生む

電流計にはわずかですが内部抵抗があります。

これは稼働コイルなどの抵抗によるものです。

図のような回路の電流を測る場合

電流の値は

\(I=\cfrac{E}{R+r}\)

になり内部抵抗が無い時より、電流の値が小さくなるという誤差が生じます。

したがって、電流計の内部抵抗は、できるだけ 小さい方 が良いことになります。

電流計の測定範囲を大きくする分流器

今、最大測定値 100 [mA] で内部抵抗が 1 [Ω] の電流計があります。

この電流計は、最大測定値 100 [mA] が流れた時、内部抵抗 1 [Ω] により、この電流計には 0.1 [V] の電圧がかかることになります。

■ 最大測定値 100mA の電流計を 最大測定値 1A の電流計にする

最大測定値 100mA=0.1A の電流計を 最大測定値 1A の電流計にするには、図のように 0.9A を分流器の抵抗に分流させれば良いことになります。

このような、電流計の最大測定範囲を拡大するための抵抗のことを 分流器 といいます。

分流器の抵抗にも 0.1V の電圧がかかります。

そして、分流器に 0.1V がかかった時 0.9A の電流が流れるような抵抗の値にすればよいわけですから、分流器の抵抗値はオームの法則から

\(R=\cfrac{V}{I}=\cfrac{0.1}{0.9}=\cfrac{1}{9}\) [Ω] になります。

つまり、分流器の抵抗として \(\cfrac{1}{9}\) [Ω] の抵抗を接続すれば良いことになります。

■ 分流器の抵抗の求め方

電圧計について

電圧計の概略図です

計測するレンジが複数ある時は、 計測値の大きいものから使っていくのが原則 です。

測定値以上の大きな電圧が電圧計にかかると、電圧計が壊れてしまうのを防ぐためです。

直流電圧計は、原理的には直流電流計と同じものです。

直流電流計の内部抵抗を大きくし、目盛表示を電圧の表示にしたものです。

回路図の電圧計は 直流電圧計 の記号を示します。

回路の電圧を測る時は、計測したい箇所に電圧計を 並列 に接続します。

直流電圧計には、プラス端子 と マイナス端子 があります。

プラス端子には電流が流れ込む回路の電線を接続します。

アナログ形の計器の場合は、逆につなぐと針が逆に振れ電流計が壊れる場合もありますので、極性には十分に注意すべきです。

測定するレンジが複数(300V,15V,3V)ある場合は 大きいレンジ から測定します。

これは、測定する電圧がはっきりわからない時、電圧計を壊さないようにするためです。

■ 電圧計を並列に接続する訳

仮に電圧計を図のように、回路に対して直列に接続した場合を考えてみます。

電圧は内部抵抗と負荷抵抗に分圧されてしまいますので、電圧計が測定するのは内部抵抗の部分になります。

ですから、電圧計は回路に直列に入れても意味がありません。

電圧計の内部抵抗について

電圧計にも内部抵抗があります。

電流計の内部抵抗は、 できるだけ小さい方が良い と言われますが、電圧計の内部抵抗は できるだけ大きい方が良い と言われます。

図の回路の抵抗 \(R\) の電圧は

\(V=RI\) になります。

電圧計で \(R\) の電圧を測定する場合、電圧計の内部抵抗が負荷抵抗 \(R\) と同じ場合を考えてみます。

電圧計は \(V=RI\) を示し、正しい電圧が測定できますが回路に流れる電流は2倍になってしまいます。

回路を流れる電流が電圧計の内部抵抗により変化することは、回路の一部の電圧を計測する場合に影響 がでてしまいます。

図の回路において、電源電圧 10 V、合成抵抗 10 Ω なので、回路に流れる電流は、1 A になります。

したがって、\(V_1、V_2\) は 5 V になります。

\(V_2\) の電圧を内部抵抗 5 Ω 電圧計で計測するとします。

回路全体の抵抗値が電圧計の内部抵抗により変化します。

そのため、回路に流れる電流が 約 1.33 A になります。

回路の電流値が変化したため、各抵抗の電圧が変化してしまうために電圧計に正確な値が表示されません。

本来であるならば、\(V_2=5\rm V\) を表示させたいのに、\(V_2=3.3\rm V\) になってしまいます。

これは、電圧計の内部抵抗が小さいために起こることです。

したがって、電圧計の内部抵抗は、できるだけ 大きい方 が良いことになります。

■ 電圧計の内部抵抗が測定値の抵抗より、十分に大きい時

通常電圧計の内部抵抗は 1 MΩ 以上になりますので、測定値の抵抗に影響を与えることが少なくなります。

電圧計の内部抵抗 \(r\) と \(R_2\) の合成抵抗を \(R_x\) は

\(R_x=\cfrac{R_2×r}{R_2+r}\)\(=\cfrac{5000000}{5+1000000}≒5\) [Ω] になり、この値はほとんど \(R_2\) と等しくなります。

電圧計の測定範囲を大きくする倍率器

今、最大測定値 3 [V] で内部抵抗が 1 [Ω] の電圧計があります。

この電圧計は 3 [V] の電圧がかかった時、内部抵抗 1 [Ω] により 3 [A] の電流が流れます。

■ 最大測定値 3 [V] の電圧計を 最大測定値 30 [V] の電圧計にする倍率器

最大測定値 3 [V] の電流計を 最大測定値 30 [V] の電圧計にするには、図のように 9 [Ω] の抵抗を電圧計に直列に接続します。

直列接続の抵抗に比例して電圧がかかるので、この電圧計は 30 [V] まで測定できるようになります。

このような、電圧計の最大測定範囲を拡大するための抵抗のことを 「倍率器」 といいます。

電圧計に倍率器として 9 [Ω] の抵抗を接続すると、合成抵抗は 10 [Ω] になります。

電圧計に流れる電流 \(I\) は \(I=\cfrac{3}{10}=0.3\) [A] になります。

したがって、倍率器に 2.7 [V] 電圧計に 0.3 [V] の電圧がかかります。

このことから、この電圧計は 30 [V] まで測定できることになります。

■ 倍率器の抵抗の求め方


以上で「電流計と電圧計の使い方」の説明を終わります。

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