電圧源と電流源

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電圧源と電流源

電源とは電気エネルギーを負荷に供給する装置のことで、電圧源と電流源があります。

 

  ●電圧源とは
負荷の大きさが変動しても、一定の電圧を供給できる電源のこと。

 

  ●電流源とは
負荷の大きさが変動しても、一定の電流を供給できる電源のこと。

 

電圧源と電流源の内部抵抗について
定電圧源と実際の電圧源の相違点を比較する
定電流源と実際の電流源の相違点を比較する
電圧源と電流源の等価交換の関係式
電圧源と電流源の計算例

 

定電圧源と実際の電圧源の違い、また定電流源と実際の電流源の違い。実際の電源には必ず内部抵抗があるが、電圧源と電流源の内部抵抗がどうなっているのかを見てみよう。

 

電圧源と電流源の間には、互いに等価交換ができる関係にある。等価交換の関係式の使い方と、どういう時に、電圧源を電流源に等価交換する必要があるのかについて考えて見よう。

 

電源というと電圧源が一般的で、電流源という考え方は普段の計算などではあまり使われないので馴染みがありません。

 

直流の電源としては、乾電池、バッテリー、小型で大きな容量のあるリチウム電池などがある。交流では家庭のコンセントに来ているものが、交流の代表といえます。

 

電源の考え方は直流でも交流でも同じように考えることができるので、ここでは、理解しやすいように直流の電源で説明をしていくことにします。



電圧源と電流源の内部抵抗について

 

電圧源の内部抵抗が直列でなければならない理由

なぜ、電圧源の内部抵抗が直列になるのか考えてみよう。

  • 電圧源の場合は内部抵抗が電源に対して、直列になるのは感覚的にわかると思います。
  • 電圧源の内部抵抗はゼロが理想的だが、実際の電源の内部抵抗はゼロにはならない。

 

 

●もし電圧源の内部抵抗が並列にあると仮定した場合どうなるだろうか?

もしも内部抵抗が並列にあると仮定すると

  • 内部抵抗をどんどん小さくして行き、最終的にゼロした場合は負荷にどのような値の抵抗を接続しても、ゼロになってしまうことになります。
  • そして、内部抵抗がゼロの時は短絡状態になるので、電源に大きな電流が流れて壊れてしまう。
  • 従って、電圧源の内部抵抗は直列でなければならない。

 

 

 

電流源の内部抵抗が並列でなければならない理由

なぜ、並列になるのか考えてみよう。

  • 電流源の内部抵抗は無限大であるのが理想だが、実際の電流源はそうではない。

 

 

●電流源の内部抵抗が直列にあると仮定した場合どうなるだろうか?

  • 内部抵抗が直列にあるとすると
  • 内部抵抗を大きくして無限大になった時、負荷にどのような値の抵抗を接続しても、無限大になるので電流は流れません。
  • これでは電源としての、役には立ちません。
  • そのため電流源の内部抵抗は並列でなければならないことになります。

 



定電圧源と実際の電圧源の相違点を比較する

 

定電圧源とは何か

負荷の大きさが変動すると、一般的な電源では電圧の大きさも変化するが、定電圧源は負荷の変動に関係なく常に一定の電圧を、供給する電源のことで内部抵抗はゼロ[Ω]と考えます。
  ●定電圧源

図2-1は

  • 理想的な電源を持つ、定電圧源です。
  • この回路は電源電圧が10Vの定電圧源です。
  • 負荷として抵抗Rオームをつないである。
  • 定電圧源なので、内部抵抗はゼロです。
  • 電源の電圧Eは常に一定で10Vになる。

 

  ●抵抗Rの値を変化させた時の電流の変化の関係を示している

表1は

  • 定電圧源なので電圧は10Vで一定になる。
  • オームの法則に従って、抵抗が小さくなると電流が大きくなる。
  • 抵抗がどんどん小さくなってゼロに近づくと、電流は無限大になってしまう。

このような電源を定電圧源といいます。

 

  ●抵抗と電流の関係をグラフで見る

図2-2は

  • 抵抗が小さくなっていくと、電流は増加して行くことになる。
  • 抵抗がゼロ(ショート)になると、流れる電流は無限大になる。

 

 ●定電圧源では危険ですから、絶対に端子を短絡してはならない。 
 ●回路に流れる電流が無限大になり、電源が壊れてしまう。

 

  ●定電圧電源の端子電圧

図2-3は

  • 定電圧電源の端子電圧は内部抵抗による、電圧降下がないので常に一定になる。
  • 電源電圧と端子電圧は等しくなる。

 

実際の電圧源の場合

  ●実際の電圧源

図2-4は

  • 実際の電源には少なからず、内部抵抗というものがある。
  • そのため、電流が制限されるので無限大になることはない。

 

  ●内部抵抗のある電源の回路に流れる電流

表2は

  • 負荷の抵抗と内部抵抗によって、回路に流れる電流が決まる。
  • 負荷の抵抗がゼロ(ショート)になると電圧10V、内部抵抗が1オームなのでオームの法則から電流は10Aになる。

 

  ●抵抗と電流の関係をグラフで見る

図2-5は

  • 負荷の抵抗がどんどん小さくなると、内部抵抗だけになる。
  • そのため、回路を流れる電流は10Aに近づいて行くことになる。

 

  ●一般的な電圧源の端子電圧

図2-6は

  • 一般的な内部抵抗のある電圧源の場合
  • 電流が流れると、内部抵抗で電圧降下がありますので端子電圧は変化する。
  • 負荷の抵抗を小さくしていくと、短絡した時は端子電圧はゼロになる。



定電流源と実際の電流源の相違点を比較する

 

定電流源とは何か

負荷が変動しても常に一定の電流を供給する電源のことです。定電流源では、内部抵抗は無限大とされます。
  ●定電流源

図3-1は

  • 理想的な電源を持つ、定電流源です。
  • この回路は1Aの電流が流れる定電流源です。
  • 負荷に抵抗Rオームをつないであります。
  • 定電流源なので、内部抵抗は無限大です。
  • 回路に流れる電流は常に一定で1Aです。
  • VはRにかかる両端の電圧です。

 

  ●表3は図3-1の抵抗Rの両端に現れる電圧の変化の関係を示しています

表3は

  • 定電流源なので電流は1Aで一定です。
  • オームの法則から、抵抗の大きさに比例して端子電圧Vは大きくなります。

 

  ●抵抗と電圧の関係をグラフで見る

図3-2は

  • 電流は1Aで一定なので、負荷にかかる電圧は抵抗に比例して変化します。
  • そのため、どんどん抵抗が大きくなって無限大(端子が開放される)理論的には無限大の電圧になります。

 

 ●定電流源では危険ですから端子を開放してはいけません。
 ●端子に現れる電圧が無限大になります。

 

実際の電流源の場合

 

  ●実際の電流源

図3-3は

  • 内部抵抗をもった電流源の回路です。
  • 電流I=1Aは\(I_R,I_r\)に分流します。

 

  ●表4は図3-3の抵抗Rの両端に現れる電圧の変化の関係を示しています

 

表4は

  • 電流1Aを内部抵抗と負荷抵抗で分流されます。
  • 負荷抵抗がどんどん大きくなっていくと、負荷抵抗に流れる電流はゼロに近くなります。
  • その結果、電流1A×内部抵抗100Ωで100Vに近づいていきます。

 

  ●抵抗と電圧の関係をグラフで見る

 

図3-4で

  • 負荷抵抗が大きくなっていくと、オームの法則から内部抵抗と電流の積になり100Vに近づいていきます。



電圧源と電流源の等価交換の関係式

 

電圧源と電流源の等価交換の公式

等価交換の公式として、電圧源と電流源の間には次の関係式がある。
(1)  $I_0=\cfrac{E_0}{r_0}$ 電圧源を電流源に変換する。
(2)  $E_0=r_0I_0$ 電流源を電圧源に変換する。

 

 

  ●電圧源回路

電圧源と電流源の相互の等価交換は、負荷電流\(Iと端子電圧V_0\)が同じという条件にする。
$$(3) E_0=V_0+r_0I$$

 

  ●電流源回路

電流源と電圧源の相互の等価交換は、負荷電流\(Iと端子電圧V_0\)が同じという条件にする。
$$(4) I=I_0-\frac{V_0}{r_0}$$

 

(3)式に(4)式を代入すると
$E_0=V_0+r_0I=V_0+r_0\left(I_0-\cfrac{V_0}{r_0}\right)=V_0+r_0I_0-\cfrac{r_0V_0}{r_0}$

 

$E_0=r_0I_0$ (2)式となる。

 

$I_0=\cfrac{E_0}{r_0}$ (1)式に変形できる。

 

以上のことから、電圧源と電流源を等価変換できる。



電圧源と電流源の計算例

 

電圧源と電流源の例題

図5-1の\(I_3\)の値を求めよ。この問題はキルヒホッフの法則の所で解いた問題です。解き方を比較してみてください。

 

図5-1を計算しやすいように変形する。

 

次に電流源の回路に置換して、回路を整理する。

図5-3から
$I_1=\cfrac{3}{2}A-I_a$

 

$I_2=4A-I_b$ となる。 

 


図5-4は図5-5のように出来るので
電流 $\cfrac{11}{2}[A]$ が、抵抗の逆数に配分されるので $I_3$ だけを求める問題ならば
$I_3=\cfrac{11}{2}×\cfrac{1.6}{1.6+4}=\cfrac{11}{7}A$ のように計算できる。

 

さらに、$I_1とI_2$ を求める必要がある場合は $I_aとI_b$ を計算する。

 

  ●手順
①合成抵抗の逆数を計算する。
②並列抵抗に流れる電流は、抵抗の逆数に比例するということから配分する。

 

$①\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{8}+\cfrac{1}{2}+\cfrac{1}{4}=\cfrac{7}{8}Ω$

 

$②I_a=\cfrac{11}{2}× \cfrac{\cfrac{1}{8}}{\cfrac{7}{8}}=\cfrac{11}{14}A$

 

$I_b=\cfrac{11}{2}× \cfrac{\cfrac{1}{2}}{\cfrac{7}{8}}=\cfrac{22}{7}A$

 

$I_1=\cfrac{3}{2}A-I_a=\cfrac{3}{2}A-\cfrac{11}{14}A=\cfrac{5}{7}A$

 

$I_2=4A-I_b=4A-\cfrac{22}{7}A=\cfrac{6}{7}A$

 

以上のようになります。

 

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