重ね合わせの理の解析手順

■ 重ね合わせの理とは

一つの回路中に、複数の電源(起電力)がある場合に、各枝路に流れる電流は、各電源(起電力)がそれぞれ単独にあるときに、その枝路に流れる電流の和に等しい というものです。

重ね合わせの理の解析手順

1.解析対象回路の電源(起電力)を一つだけ残して、他の電源(起電力)を短絡した回路に分離します。

同じことを、他の電源(起電力)に対して、電源(起電力)の数だけ行います。

2.解析対象回路の各枝路の電流を求めます。残りの解析対象回路についても、同じように各枝路の電流を求めます。

3.それぞれの解析対象回路の電流を合成して、各枝路の電流を求めます。

重ね合わせの理による電源の分離回路の作り方

 

次のような回路を解く場合の手順を例に説明します。

■ 回路を電源ごとに分離する

\(E_1\) の電源回路に分離して、各枝路の電流を求めます。

\(E_2\) の電源回路に分離して、各枝路の電流を求めます。

■ 最後に、各電流を合成する

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}\)

\(I_2=I_{2b}-I_{2a}\)

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}\)

練習問題

 

問題1

電流 \(I_1、I_2、I_3\) を求めよ。

<解 答>

■ 左側の電源を残して計算します

合成抵抗は \(R_a=8+\cfrac{4×2}{4+2}=\cfrac{28}{3}\)

\(I_{1a}=\cfrac{9}{7}\)

\(I_{2a}=\cfrac{6}{7}\)

\(I_{3a}=\cfrac{3}{7}\)

■ 右側の電源を残して計算します

合成抵抗は \(R_b=2+\cfrac{8×4}{8+4}=\cfrac{14}{3}\)

\(I_{1b}=\cfrac{4}{7}\)

\(I_{2b}=\cfrac{12}{7}\)

\(I_{3b}=\cfrac{8}{7}\)

各枝路の電流を合計して、 \(I_1、I_2、I_3\) を求めます。

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}=\cfrac{9}{7}-\cfrac{4}{7}=\cfrac{5}{7}\quad\rm[A]\)

\(I_2=I_{2b}-I_{2a}=\cfrac{12}{7}-\cfrac{6}{7}=\cfrac{6}{7}\quad\rm[A]\)

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}=\cfrac{3}{7}+\cfrac{8}{7}=\cfrac{11}{7}\quad\rm[A]\)

重ね合わせの理の利点は、回路中に一つの電源(起電力)しか含まれていないように置きかえるので、抵抗の直列接続、並列接続の回路として扱えるので、計算が容易になります。

以上で「重ね合わせの理の解析手順」の説明を終わります。