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重ね合わせの理の使い方【電源ごとに計算して重ね合わせる定理】

重ね合わせの理とは、複数の電源を持つ電気回路を解析する場合、それぞれの電源ごとの単独回路として解析します。
電源ごとに解析した結果を、重ね合わせて全体の電流や電圧を求める定理のことです。

同様の解析は、キルヒホッフの法則で計算することができます。
キルヒホッフの法則の場合、回路によっては連立方程式が多くなり計算が面倒になります。

重ね合わせの理の場合は、回路の電源を単独にするために計算が単純になります。

目次

重ね合わせの理のイメージ

重ね合わせの理とは、電源ごとの回路に分離して回路を解析する定理のことです。

重ね合わせの理の手順

  1. 電源を1つだけ残した回路を、電源の数だけ作ります。
  2. 電源ごとの回路の計算をします。
  3. 電源ごとの計算結果を、重ね合わせて目的の数値を求めます。

回路を分離するときに注意すること

  • 電源が電圧源の場合・・・電源を「短絡」します。
  • 電源が電流源の場合・・・電源を「開放」します。

重ね合わせの理で電源が2つ抵抗が1つの場合

上図のように、抵抗が1つの回路は少ないですが、電源を1つにすることで複数の抵抗を1つの合成抵抗と考えることができます。

解析手順

図のように、回路を電源ごとの回路に分離します。

電源 \(E_1\) を残した回路

電源 \(E_1\) を残し、\(E_2\) を短絡した回路の電流 \(I_1\) を求める。

オームの法則から

\(I_1=\cfrac{E_1}{R}\) 

電源 \(E_2\) を残した回路

電源 \(E_2\) を残し、\(E_1\) を短絡した回路の電流 \(I_2\) を求める。

オームの法則から

\(I_2=\cfrac{E_2}{R}\) 

回路に流れる電流を求める

回路に流れる電流は、計算した結果を重ね合わせて求めます。

電源 \(E_1\) の回路と、電源 \(E_2\) の回路の結果を、重ね合わせると

\(I=I_1-I_2\) [A] 

\(I=\cfrac{E_1-E_2}{R}\) [A] となります。

重ね合わせた電流の向き

電流の大きさが \(I_1>I_2\) なら、右向きの電流が流れます。

電流の大きさが \(I_1<I_2\) なら、左向きの電流が流れます。

電流の数値がマイナスになる場合は、電流の流れる向きが想定した方向と逆を意味します。

重ね合わせの理に数値を入れて計算する

具体的な数値で計算すると、理解しやすくなります。

次の回路を、重ね合わせの理で解きます。

回路1

■ 50Vの電源を残し、他の電源を短絡します。

回路に流れる電流 \(I_1\) を求めます。

\(I_1=\cfrac{50}{5}=10\) [A]

回路2

■ 20Vの電源を残し、他の電源を短絡します。

回路に流れる電流 \(I_2\) を求めます。

\(I_2=\cfrac{20}{5}=4\) [A]

■ 回路に流れる電流 \(I\) を求める。

回路に流れる電流は、2つの回路に流れる電流の和になります。

\(I=I_1+I_2=10-4=6\) [A]

右向きの電流を「正」とすると
\(I_1\) は正の値
\(I_2\) は負の値になります。

重ね合わせの理で電源が2つ抵抗が2つの場合

2つの抵抗を、1つの合成抵抗と考えれば、上記の「電源が2つ抵抗が1つの場合」と同じになります。

解析手順

図のように、回路を電源ごとの回路に分離します。

電源 \(E_1\) を残した回路

電源 \(E_1\) を残し、\(E_2\) を短絡した回路の電流 \(I_1\) を求める。

オームの法則から

\(I_1=\cfrac{E_1}{R_1+R_2}\) 

電源 \(E_2\) を残した回路

電源 \(E_2\) を残し、\(E_1\) を短絡した回路の電流 \(I_2\) を求める。

オームの法則から

\(I_2=\cfrac{E_2}{R_1+R_2}\) です。

回路に流れる電流を求める

回路に流れる電流は、計算した結果を重ね合わせて求めます。

電源 \(E_1\) の回路と、電源 \(E_2\) の回路の結果を、重ね合わせると

\(I=I_1-I_2\) [A] 

\(I=\cfrac{E_1-E_2}{R_1+R_2}\) [A] となります。

重ね合わせた電流の向き

電流の大きさが \(I_1>I_2\) なら、右向きの電流が流れます。

電流の大きさが \(I_1<I_2\) なら、右向きの電流が流れます。

電流の数値がマイナスになる場合は、電流の流れる向きが想定した方向と逆を意味します。

重ね合わせの理で電源が2つ抵抗が3つの場合

解析手順

図のように、回路を電源ごとの回路に分離します。

電源 \(E_1\) を残した回路 \(a\)

電源 \(E_1\) を残し、\(E_2\) を短絡した回路 \(a\) に

流れる電流 \(I_{1a}\)、\(I_{2a}\)、\(I_{3a}\) を求める

重ね合わせの理で分離した回路 \(a\) の合成抵抗を求める

分離した回路 \(a\) の合成抵抗 \(R_a\) は

オームの法則と和分の積から

\(R_a=R_1+\cfrac{R_2R_3}{R_2+R_3}\)

\(R_a=\cfrac{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}{R_2+R_3}\)

重ね合わせの理で分離した回路 \(a\) の電流を求める

電流 \(I_{1a}\) は

\(I_{1a}=\cfrac{E_1}{R_a}\) 

\(I_{1a}=\cfrac{E_1(R_2+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(1)\)

電流 \(I_{2a}\) は

分流の法則から

\(I_{2a}=I_{1a}×\cfrac{R_3}{R_2+R_3}\) 

\(I_{2a}=\cfrac{E_1R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(2)\)

電流 \(I_{3a}\) は

分流の法則から

\(I_{3a}=I_{1a}×\cfrac{R_2}{R_2+R_3}\) 

\(I_{3a}=\cfrac{E_1R_2}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(3)\) になります。

電源 \(E_2\) を残した回路 \(b\)

電源 \(E_2\) を残し、\(E_1\) を短絡した回路 \(b\) に

流れる電流 \(I_{1b}\)、\(I_{2b}\)、\(I_{3b}\) を求める

重ね合わせの理で分離した回路 \(b\) の合成抵抗を求める

分離した回路 \(b\) の合成抵抗 \(R_b\) は

オームの法則と和分の積から

\(R_b=\cfrac{R_1R_3}{R_1+R_3}+R_2\)

\(R_b=\cfrac{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}{R_1+R_3}\)

重ね合わせの理で分離した回路 \(b\) の電流を求める

電流 \(I_{2b}\) は

\(I_{2b}=\cfrac{E_2}{R_b}\) 

\(I_{2b}=\cfrac{E_2(R_1+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(5)\)

電流 \(I_{1b}\) は

分流の法則から

\(I_{1b}=I_{2b}×\cfrac{R_3}{R_1+R_3}\) 

\(I_{1b}=\cfrac{E_2R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(4)\)

電流 \(I_{3b}\) は

分流の法則から

\(I_{3b}=I_{2b}×\cfrac{R_1}{R_1+R_3}\) 

\(I_{3b}=\cfrac{E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(6)\) になります。

回路に流れる電流を求める

回路に流れる電流は、計算した結果を重ね合わせて求めます。

電源 \(E_1\) の回路と、電源 \(E_2\) の回路の結果を、重ね合わせます。

\(I_{1a}\)、\(I_{2a}\)、\(I_{3a}\) の電流の向きを「正方向」と仮定すると、
\(I_{1b}\)、\(I_{2b}\) は「逆方向」になり、\(I_{3b}\) は「正方向」になります。

電流 \(I_1\) は

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}\)

\(I_1=\cfrac{E_1(R_2+R_3)-E_2R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(7)\)

電流 \(I_2\) は

\(I_2=I_{2a}-I_{2b}\)

\(I_2=\cfrac{E_1R_3-E_2(R_1+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(8)\)

電流 \(I_3\) は

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}\)

\(I_3=\cfrac{E_1R_2+E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(9)\)

重ね合わせた電流の向き

電流 \(I_1\) の向きは
\(I_{1a}>I_{1b}\) なら、右向きの電流が流れます。

電流 \(I_2\) の向きは
\(I_{2a}>I_{2b}\) なら、右向きの電流が流れます。

電流 \(I_3\) の向きは
下向きの電流が流れます。

電流 \(I_1\) の向きは
\(I_{1a}<I_{1b}\) なら、左向きの電流が流れます。

電流 \(I_2\) の向きは
\(I_{2a}<I_{2b}\) なら、左向きの電流が流れます。

電流 \(I_3\) の向きは
下向きの電流が流れます。

重ね合わせの理で電源が2つ抵抗が3つの場合のまとめ

\(R_a=\cfrac{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}{R_2+R_3}\)

\(R_b=\cfrac{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}{R_1+R_3}\)

\(I_{1a}=\cfrac{E_1(R_2+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(1)\)

\(I_{2a}=\cfrac{E_1R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(2)\)

\(I_{3a}=\cfrac{E_1R_2}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(3)\) 

\(I_{1b}=\cfrac{E_2R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(4)\)

\(I_{2b}=\cfrac{E_2(R_1+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(5)\)

\(I_{3b}=\cfrac{E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(6)\) 

\(I_1=\cfrac{E_1(R_2+R_3)-E_2R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(7)\)

\(I_2=\cfrac{E_1R_3-E_2(R_1+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(8)\)

\(I_3=\cfrac{E_1R_2+E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(9)\)

重ね合わせの理に数値を入れて計算する

具体的な数値で計算すると、理解しやすくなります。

次の回路を、重ね合わせの理で解きます。

電流 \(I_1\) と \(I_2\) の向きは、計算してみないと分かりません。

回路 \(a\)

■ 2Vの電源を残し、他の電源を短絡します。

\(I_{1a}=\cfrac{E_1(R_2+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(1)\)

\(I_{2a}=\cfrac{E_1R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(2)\)

\(I_{3a}=\cfrac{E_1R_2}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(3)\) の式から

\(I_{1a}=\cfrac{2(2+2)}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{2}{5}\)

\(I_{2a}=\cfrac{2×2}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{1}{5}\)

\(I_{3a}=\cfrac{2×2}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{1}{5}\)

回路 \(b\)

■ 24Vの電源を残し、他の電源を短絡します。

\(I_{1b}=\cfrac{E_2R_3}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(4)\)

\(I_{2b}=\cfrac{E_2(R_1+R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(5)\)

\(I_{3b}=\cfrac{E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1} \cdots(6)\)

\(I_{1b}=\cfrac{24×2}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{12}{5}\)

\(I_{2b}=\cfrac{24×(4+2)}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{36}{5}\)

\(I_{3b}=\cfrac{24×4}{4×2+2×2+2×4}=\cfrac{24}{5}\)

■ 回路に流れる電流 \(I_1\)、\(I_2\)、\(I_3\)を求める。

2つの回路に流れる電流を、重ね合わせて求めます。

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}=\cfrac{2}{5}-\cfrac{12}{5}=-2\)

\(I_2=I_{2a}-I_{2b}=\cfrac{1}{5}-\cfrac{36}{5}=-7\)

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}=\cfrac{1}{5}+\cfrac{24}{5}=5\)

各電流は、図のような向きに流れます。

右向きの電流を「正」としたので
\(I_1\) と \(I_1\) は、図のように左向きに流れます。


重ね合わせの理(電圧源と電流源が混在する場合)

回路に電圧源と電流源が混在する場合

電圧源・・・短絡します。

電圧源の内部抵抗は非常に小さいので短絡する。

電流源・・・開放します。

電流源の内部抵抗は非常に大きいので開放する。

電圧源と電流源の回路の解き方

次の回路には電圧源と電流源があります。

■ \(3\) [Ω] の抵抗に流れる電流 \(I\) [A] を求めよ。

<解答例>

まず、電圧源だけの回路にします。

電流源は、開放して取り除きます。

回路に流れる電流を計算する。

\(I_1=\cfrac{4}{3+5}=0.5\) [A]

電流源だけの回路にします。

電圧源は短絡します。

回路に流れる電流を計算する。

\(I_2\) は抵抗が並列接続になっているので、分流の法則 で求めます。

分流の法則については、こちらの記事が参考になります。

\(I_2=2×\cfrac{5}{3+5}=1.25\) [A]

回路に流れる電流 \(I\) は \(I_1\) と \(I_2\) の和になります。

\(I=I_1+(-I_2)=0.5-1.25=-0.75\) [A] になります。

\(3\) [Ω] の抵抗に流れる電流 \(I_2\) は \(I_1\) の向きを正方向とすれば
\(I_2\) は逆方向になっているので \(I=I_1-I_2\) になります。

電流 \(I\) の符号が マイナス なので、向きは左向きになります。

重ね合わせの理の練習問題

問題1

重ね合わせの理を使って、次の回路の電流 \(I_1、I_2、I_3\) を求めよ。

<解答例>

回路 \(a\)

重ね合わせの定理から、左側の 48V の電源を残して、回路を分離します。

電流の向きを、図のように仮定します。

合成抵抗は 

\(R_a=2+\cfrac{2×2}{2+2}=3\) [Ω] 

オームの法則から

\(I_{1a}=\cfrac{48}{3}=16\) [A] 

分流の法則から

\(I_{2a}=16×\cfrac{2}{2+2}=8\) [A] 

\(I_{3a}=16×\cfrac{2}{2+2}=8\) [A] 

回路 \(b\)

重ね合わせの定理から、右側の 12V の電源を残して、回路を分離します。

電流の向きを、図のように仮定します。

合成抵抗は

\(R_b=2+\cfrac{2×2}{2+2}=3\) [Ω] 

オームの法則から

\(I_{2b}=\cfrac{12}{3}=4\) [A] 

分流の法則から

\(I_{1b}=4×\cfrac{2}{2+2}=2\) [A] 

\(I_{3b}=4×\cfrac{2}{2+2}=2\) [A] 

回路の電流

2つの回路で求めた電流を、重ね合わせて、\(I_1、I_2、I_3\) を求めます。

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}=16-2=14\) [A] 

\(I_2=I_{2a}-I_{2b}=8-4=4\) [A] 

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}=8+2=10\) [A]

問題2

重ね合わせの理を使って、次の回路の電流 \(I_1、I_2、I_3\) を求めよ。

<解答例>

回路 \(a\)

重ね合わせの定理から、左側の 12V の電源を残して、回路を分離します。

電流の向きを、図のように仮定します。

合成抵抗は 

\(R_a=8+\cfrac{4×2}{4+2}=\cfrac{28}{3}\)

オームの法則から

\(I_{1a}=\cfrac{9}{7}\)

分流の法則から

\(I_{2a}=\cfrac{6}{7}\)

\(I_{3a}=\cfrac{3}{7}\)

回路 \(b\)

重ね合わせの定理から、右側の 8V の電源を残して、回路を分離します。

電流の向きを、図のように仮定します。

合成抵抗は 

\(R_b=2+\cfrac{8×4}{8+4}=\cfrac{14}{3}\)

オームの法則から

\(I_{1b}=\cfrac{4}{7}\)

分流の法則から

\(I_{2b}=\cfrac{12}{7}\)

\(I_{3b}=\cfrac{8}{7}\)

回路の電流

2つの回路で求めた電流を、重ね合わせて、\(I_1、I_2、I_3\) を求めます。

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}=\cfrac{9}{7}-\cfrac{4}{7}=\cfrac{5}{7}\) [A]

\(I_2=I_{2a}-I_{2b}=\cfrac{6}{7}-\cfrac{12}{7}=-\cfrac{6}{7}\) [A]

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}=\cfrac{3}{7}+\cfrac{8}{7}=\cfrac{11}{7}\) [A]

\(I_2=I_{2a}-I_{2b}\) の値がマイナスになったので、右向きではなく左向きの電流が流れていることになります。

問題3

電圧源と電流源が混在する、次のような回路があります。

重ね合わせの理を使って、次の回路の電流 \(I_1、I_2、I_3\) を求めよ。

<解答例>

回路 \(a\)

重ね合わせの理から、左側の 20V の電圧源を残して回路を分離します。

電流源は開放するので次のような回路になります。

各電流を \(I_{1a}、I_{3a}\) とします。

合成抵抗は 

\(R_a=12+4=16\) [Ω] 

オームの法則から

\(I_{1a}=I_{3a}=\cfrac{20}{16}=1.25\) [A] 

\(I_{2a}=0\) [A] 

回路 \(b\)

重ね合わせの理から、右側の 1A の電流源を残して回路を分離します。

電圧源は短絡するので次のような回路になります。

各電流を \(I_{1b}、I_{2b}、I_{3b}\) とします。

\(I_{2b}=1\) [A] 

分流の法則から

\(I_{1b}=1×\cfrac{4}{12+4}=0.25\) [A] 

\(I_{3b}=1×\cfrac{12}{12+4}=0.75\) [A] 

回路の電流

2つの回路で求めた電流を、重ね合わせて、\(I_1、I_2、I_3\) を求めます。

\(I_1=I_{1a}-I_{1b}=1.25-0.25=1\) [A] 

\(I_2=I_{2b}=1\) [A] 

\(I_3=I_{3a}+I_{3b}=1.25+0.75=2\) [A] 

重ね合わせの理のまとめ

重ね合わせの理とは、電源ごとの回路に分離して回路を解析する定理のことです。

重ね合わせの理の手順

  1. 電源を1つだけ残した回路を、電源の数だけ作ります。
  2. 電源ごとの回路の計算をします。
  3. 電源ごとの計算結果を、重ね合わせて目的の数値を求めます。

回路を分離するときに注意すること

  • 電源が電圧源の場合・・・電源を「短絡」します。
  • 電源が電流源の場合・・・電源を「開放」します。

以上で「重ね合わせの理の使い方【電源ごとに計算して重ね合わせる定理】」の説明を終わります。

目次