V結線とは2台の単相変圧器を、三相結線のデルタ結線方式で使用することをいいます。
つまり、2台の単相変圧器を使用して、三相の変圧を行うことができます。
V結線で三相変圧ができる理由
三相デルタ結線の場合
三相デルタ結線の接続は、図のようになります。
端子ab間の電圧 \(V_{ab}\) は、端子ab間と端子acb間の2つを考えることができます。
端子ab間は \(V_{ab}=E_a\)
端子acb間は \(V_{ab}=(-E_b)+(-E_c)\)
と表すことができます。
ベクトル図では、次のようになります。
V結線の場合
三相デルタ結線の \(E_a\) を取り除くとV結線になります。
\(E_a\) を取り除いても \(V_{ab}\) には \(E_a\) と同じ起電力が現れます。
ベクトル図を見ると、
\(V_{ab}=(-E_b)+(-E_c)\) として \(E_a\) が表示されるのが分かります。
V結線の効率
V結線の最大出力は \(\sqrt3VI×10^{-3}\quad\rm[kVA]\) 2台の変圧器を使用しているので
効率は
\(\cfrac{\sqrt3VI}{2VI}=\cfrac{\sqrt3}{2}=0.866\) なので
\(86.6%\) になります。
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以上で「V結線とは」の説明を終わります。