
この記事で書いていること
交流を直流にする回路を整流回路といいます。
交流を直流に整流する方法として、半波整流回路と全波整流回路があります。
半波整流回路と全波整流回路の電流の流れから整流回路の仕組みを理解します。
ここでは、ダイオードを使った整流の仕組みを説明します。
半波整流回路の仕組み
半波整流の回路図です。
半波整流回路では入力が正のときだけ、出力される整流回路です。

次に半波整流回路に交流電圧を、加えたときの回路の仕組みを見ていきます。
交流電圧が 正 のときはダイオードに順方向の電流が流れます。
交流電圧が 負 のときはダイオードに逆方向の電圧がかかるので、回路は断線している状態になり電流が流れません。

したがって、半波整流回路では入力電圧が正のときだけ回路に電流が流れるので、図のような脈流といわれる出力波形になります。

半波整流回路の特徴
半波整流回路は入力波形の正の部分だけを取り出していますが、負の部分は完全に捨てていることになります。
入力波形の正の部分しか利用していないので、 電源の変換効率は50%以下 になってしまいます。
ダイオードが1つで簡単に整流できるということが、半波整流回路の長所ということができます。
全波整流回路の仕組み
全波整流の回路図です。
全波整流回路では、入力が 正 のときでも 負 のときでも出力が 正 になります。

整流ブリッジによって、出力の抵抗に流れる電流の向きが正の方向に整えられる仕組みを説明します。
■ 入力波形が「正」のときの流れ

- 交流電源の上の方を「正」とすると、電流の流れは電源から整流ブリッジの端子Aに流れます。
- ダイオード \(D_1\) は逆方向になるので流れられないので、ダイオード \(D_2\) を通り端子Bに行きます。
- 端子Bでもダイオードの方向を考えると、抵抗 \(R\) の方にしか流れることができません
- 抵抗 \(R\) を通して端子Dに流れます。
- 端子Dではダイオード \(D_1\) と \(D_4\) が順方向ですが、端子AとDの電位を考えると端子Aの電位が端子Dより高いので、ダイオード \(D_4\) の方にしか流れることができません。
- 端子Cを通って電源に戻ります。
■ 入力波形が「負」のときの流れ

- 交流電源の下の方を「正」とすると、電流の流れは電源から整流ブリッジの端子Cに流れます。
- ダイオード \(D_4\) は逆方向になるので流れられないので、ダイオード \(D_3\) を通り端子Bに行きます。
- 端子Bでもダイオードの方向を考えると、抵抗 \(R\) の方にしか流れることができません
- 抵抗 \(R\) を通して端子Dに流れます。
- 端子Dではダイオード \(D_1\) と \(D_4\) が順方向ですが、端子CとDの電位を考えると端子Cの電位が端子Dより高いので、ダイオード \(D_1\) の方にしか流れることができません。
- 端子Aを通って電源に戻ります。
以上のように、入力波形が正のときも負のときも出力波形は 正 の向きにすることができました。
全波整流回路の特徴
全波整流回路では、入力波形の正・負のすべてを利用していますので、変換効率がとても良いことになります。
整流回路では整流ブリッジを使った全波整流回路が、経済的で小型化できるので一般的に使われています。
以上で「整流回路の仕組み」の説明を終わります。