無理数の四則計算
有理数と無理数
有理数とは 分数で表せる数のこと
$$有理数=\frac{b}{a}$$
aはゼロでないこと
無理数とは 分数で表せない数のこと
●円周率の \(π\) や平方根 \(\sqrt{2}\) などのこと、平方根でも \(\sqrt{4}\) のように、根号がはずせるものは無理数ではない。
無理数の四則計算
無理数の足し算と引き算
無理数の計算のルール(足し算と引き算)は「同じ無理数どうし」でしか足し算も引き算もできない。
● \(\sqrt2 、\sqrt3 、\sqrt5 、\sqrt6 、\sqrt7 、\sqrt{10} 、\sqrt{11}\) などを、それぞれの文字と考えると良いでしょう。
それぞれを a、b、c、dなどのように考えると、文字が違うのでそのまま単純に足したり、引いたりできません。
● \(3\sqrt2\) というのは \(\sqrt2+\sqrt2+\sqrt2 \) のことです。
つまり、\(\sqrt2\) が3つあるということです。
例題 足し算・引き算
\(3\sqrt2+\sqrt2=4\sqrt2\) は \(\sqrt2\) を文字と考えた場合 3a+a=4a と同じ。
\(8\sqrt5-4\sqrt5=4\sqrt5\) は \(\sqrt5\) を文字と考えた場合 8b-4b=4b と同じ。
無理数の掛け算
掛け算の場合も文字の掛け算と同じと考えて良いので
- 無理数×有理数
- 有理数×無理数
- 無理数×無理数 という計算ができます。
例題 掛け算
\(3×\sqrt2=3\sqrt2\) は 3×a=3a と同じ。
\(\sqrt2×\sqrt5=\sqrt{10}\) は a×b=ab と同じ。
無理数の割り算
割り算も基本的な考え方は
- 無理数÷有理数
- 有理数÷無理数
- 無理数÷無理数 という計算ができます。
注意するのは、分母に無理数が残ってはいけないので、その場合には分母の有理化をしなければならないことです。
例題 割り算
\(8\sqrt2÷2=4\sqrt2\) は 8a÷2=4a と同じ。
\(\sqrt{14}÷\sqrt7=\sqrt{2×7}÷\sqrt7=\sqrt2\) は a×c÷c=a と同じ。
分母に無理数が残る場合はそのままではいけません。
この場合は 分母の有理化 をする必要があります。
\(\cfrac{3}{\sqrt2}=\cfrac{3}{\sqrt2}×\cfrac{\sqrt2}{\sqrt2}=\cfrac{3\sqrt2}{2}\)
で分母から無理数が消えました。
これが分母の有理化です。
以上で「無理数の四則計算」の説明を終わります。