ここでは、ダイオードの持つ特徴を利用したクリッパ回路の説明をします。
ダイオードの特徴
■ ダイオードに順方向バイアスを加える
ダイオードに順方向の電圧を加えると、スイッチが「ON」になった状態になり回路には電流が流れます。
■ ダイオードに逆方向バイアスを加える
ダイオードに逆方向の電圧を加えると、スイッチが「OFF」の状態になり回路には電流が流れません。
ダイオードのクリッパ回路の動作原理
図は直列型のクリッパ回路の例です。
この回路を使って動作説明をしていきます。
入力電圧が基準電圧より大きい場合のクリッパ回路の動作
■ \(E>V_0\) の場合
入力電圧 \(E=10\) [V]、基準電圧 \(V_0=5\) [V] とした場合の動作を見てみましょう。
図の、a の電位は \(10\) [V]、c の電位は \(5\) [V] なので、ダイオードには 順方向バイアス が掛かります。
このため、ダイオードはスイッチが 「ON」 になり導通状態になります。
したがって、出力電圧は入力電圧 \(E=10\) [V] になります。
入力電圧が基準電圧より大きい場合は、基準電圧以上の電圧が出力されます。
入力電圧が基準電圧より小さい場合のクリッパ回路の動作
■ \(E<V_0\) の場合
入力電圧 \(E=2\) [V]、基準電圧 \(V_0=5\) [V] とした場合の動作を見てみましょう。
図の、a の電位は \(2\) [V]、c の電位は \(5\) [V] なので、ダイオードには 逆方向バイアス が掛かります。
このため、ダイオードはスイッチが 「OFF」 になり開放状態になります。
したがって、出力電圧は \(V_0=5\) [V] になります。
入力電圧が基準電圧より小さい場合は、基準電圧が出力されます。
■ クリッパ回路の出力の波形
この回路の出力波形は、図のように基準電圧 \(V_0\) 以上の電圧を出力することが分かります。
クリッパ回路の種類
クリッパ回路の種類
クリッパ回路には、ベースクリッパ回路とピーククリッパ回路があります。
- ベースクリッパ回路-基準電圧以上を取り出す回路
- ピーククリッパ回路-基準電圧以下を取り出す回路
回路の構成として、直列型と並列型のクリッパ回路があります。