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マルチバイブレータ回路の原理

マルチバイブレータの回路の原理は、トランジスタを使ったパルス回路で説明できます。

目次

マルチバイブレータ回路の原理

■ マルチバイブレータの動作原理

回路図において、トランジスタ \(\rm Tr1\) と \(\rm Tr2\) のどちらに電流が流れるかはわかりません。

仮に \(\rm Tr1\) のベースに、電流が流れたとして考えてみます。

  1. \(\rm Tr1\) のベースに電流が流れると、\(\rm Tr1\) は「ON」になります。
  2. \(\rm Tr1\) にコレクタ電流が流れ、コレクタ・エミッタ間は導通状態になります。
  3. \(\rm Tr1\) のコレクタ電圧は、ほぼ \(0\quad\rm[V]\) になります。
  4. この状態のとき、\(\rm Tr2\) のベースには電流が流れないので、\(\rm Tr2\) は「OFF」になります。

片方のトランジスタのコレクタは、もう一方のトランジスタのベースに接続されています

したがって、片方のトランジスタが「ON」の時は、もう一方のトランジスタは「OFF」になっています。

マルチバイブレータの回路は、抵抗とコンデンサで回路を構成し、コンデンサの充放電を使うことで2つのトランジスタの切り替えを行っています。

「ON」と「OFF」の切り替え時間の調整は、抵抗とコンデンサの値で変えることができます。

マルチバイブレータの種類

■ 非安定あるいは、無安定マルチバイブレータ

  • 電源をいれると、連続してパルスを発生します。
  • 2つの状態を常に行ったり来たりすることで発振します。
  • 発振周波数は \(R\) と \(C\) の値によって決まリます。\(\cfrac{1}{CR}\) に比例します。

■ 単安定マルチバイブレータ

  • 単安定…一方の状態は安定しているが、もう一方は安定しない状態です。
  • 入力パルスがあると、その波形に無関係に一定波形を出力します。

■ 双安定マルチバイブレータ

  • 双安定…どちらの状態も安定している状態です。
  • 入力2 に対して出力1 がでます。

非安定マルチバイブレータの動作例

動作を説明する前提として、トランジスタが「ON」のときのコレクタ電圧を \(0.6\quad\rm[V]\) 付近と仮定します。

■ 初期の動作

今、Tr1が「ON」でTr2が「OFF」の状態と仮定します。

  1. \(\rm Tr1\) のコレクタ電圧は、\(\rm Tr1\) が「ON」なので \(0.6\quad\rm[V]\) 付近になります。
  2. コンデンサ \(C_1\) と \(C_2\) には抵抗を通して、充電が始まります。
  3. コンデンサ \(C_2\) に接続された抵抗が、コンデンサ \(C_1\) に接続された抵抗より小さいので、コンデンサ \(C_2\) のほうが速く充電されます。

■ 動作が入れ替わる

  1. コンデンサ \(C_1\) の電圧が \(0.6\quad\rm[V]\) 付近になると、ベース電流が流れる。
  2. \(\rm Tr2\) が「ON」になります。
  3. \(\rm Tr2\) のコンデンサ \(C_2\) の電圧が、突然 \(3\quad\rm[V]\) から \(0\quad\rm[V]\) 付近になります。
  4. ここで、コンデンサによりC2の左側の電圧が-3V付近になります。
  5. \(\rm Tr1\) のベース電圧が-3V付近になりますので、Tr1は「OFF」になります。

この動作が繰り返されることになります。

以上で「マルチバイブレータ回路の原理」の説明を終わります。

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