不平衡三相負荷のΔ-Y変換

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不平衡三相負荷のΔ-Y変換

不平衡三相交流回路の計算をする時に、電源側と負荷側の結線が異なる場合は計算をすることは簡単ではありません。

ここでは、不平衡三相負荷の場合について、Y-Δ結線の、Δ結線負荷をY結線負荷に変換してY-Y結線負荷として計算をします。

各負荷のインピーダンスの大きさが異なる、「不平衡三相負荷」のΔ→Y変換について説明します。

この場合も、考え方は平衡三相負荷の時と同じように、Δ結線負荷の各端子間の合成インピーダンスを求めて、Y結線負荷の同じ端子間の合成インピーダンスと「等しい」として計算をします。

不平衡のΔ負荷をY負荷に変換した時のY負荷の値

図は、Δ負荷をY負荷に変換した時の、各相のY負荷の値です。

$$\dot{Z_{a}}=\cfrac{\dot{Z_{ab}}\dot{Z_{ca}}}{\dot{Z_{ab}}+\dot{Z_{bc}}+\dot{Z_{ca}}}[Ω]$$

$$\dot{Z_{b}}=\cfrac{\dot{Z_{ab}}\dot{Z_{bc}}}{\dot{Z_{ab}}+\dot{Z_{bc}}+\dot{Z_{ca}}}[Ω] \tag{4-1-5-2}$$

$$\dot{Z_{c}}=\cfrac{\dot{Z_{bc}}\dot{Z_{ca}}}{\dot{Z_{ab}}+\dot{Z_{bc}}+\dot{Z_{ca}}}[Ω]$$

不平衡三相負荷のΔ-Y変換の説明

各端子間の合成インピーダンスを求めて、計算をしていきます。

端子AB間の合成インピーダンスを求める

Δ結線から見た合成インピーダンス

Δ結線の端子AB間の合成インピーダンスを $\dot{Z}_{AB}$ とすると 、

$\dot{Z}_{ca}$ と $\dot{Z}_{bc}$ の直列接続と 

$\dot{Z}_{ab}$ を並列に接続した直並列接続の回路です。

従って、その合成インピーダンスは「和分の積」で求められます。

$$\dot{Z}_{AB}=\cfrac{\dot{Z}_{ab}(\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc})}{\dot{Z}_{ab}+(\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc})}$$

$\qquad=\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}[Ω] \tag{1}$

Y結線から見た合成インピーダンス

Y結線負荷の端子AB間から見た回路は、$\dot{Z}_{a}$ と $\dot{Z}_{b}$ の直列接続ですから、その合成インピーダンス $\dot{Z}_{AB}$ は 

$\dot{Z}_{AB}=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}[Ω]\tag{2}$

式(1)と式(2)が等しいとすると、次のようになります。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}[Ω]\tag{3}$

端子BC間の合成インピーダンス

端子AB間と同様に、端子BC間の合成インピーダンスを求めます。

Δ結線から見た合成インピーダンス

$$\dot{Z}_{BC}=\cfrac{\dot{Z}_{bc}(\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{ca})}{\dot{Z}_{bc}+(\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{ca})}$$

$\qquad=\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}} [Ω] \tag{4}$

Y結線から見た合成インピーダンス

Y結線負荷の端子BC間から見た回路は、$\dot{Z}_{b}$ と 

$\dot{Z}_{c}$ の直列接続ですから、

その合成インピーダンス $\dot{Z}_{BC}$ は 

$\dot{Z}_{BC}=\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{5}$

式(4)と式(5)が等しいとすると、次のようになります。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{6}$

端子CA間の合成インピーダンス

同様に、端子CA間の合成インピーダンスを求めます。

Δ結線から見た合成インピーダンス

$$\dot{Z}_{CA}=\cfrac{\dot{Z}_{ca}(\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc})}{\dot{Z}_{ca}+(\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc})}$$

$\qquad=\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}[Ω] \tag{7}$

Y結線から見た合成インピーダンス

Y結線負荷の端子CA間から見た回路は、$\dot{Z}_{a}$ と

$\dot{Z}_{c}$ の直列接続ですから、

その合成インピーダンス $\dot{Z}_{CA}$ は

$\dot{Z}_{CA}=\dot{Z_a}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{8}$

式(7)と(8)式が等しいとすると、次のようになります。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{9}$

Δ→Y変換後のY結線負荷 の求め方

●まず、$\dot{Z}_a$ から、求めます。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}\tag{3}$

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_c}\tag{9}$

式(3)と式(9)の両辺を加算する。

$$\cfrac{2\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}$$

$\qquad=2\dot{Z_a}+\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{10}$

前項で求めた式(6)

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{6}$

ここで、$\dot{Z_a}$を求めるために、式(10)から式(6)の両辺を減算する。

$$\cfrac{2\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=2\dot{Z}_a$$

$\dot{Z}_a=\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}} [Ω]\tag{11}$

これで、$\dot{Z}_a$ が求められました。

●次に、$\dot{Z}_b$ を、求めます。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}\tag{3}$

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{6}$

式(3)と式(6)の両辺を加算する。

$$\cfrac{2\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}$$

$\qquad=\dot{Z_a}+2\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{12}$

前項で求めた式(9)
$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_c}\tag{9}$

ここで、$\dot{Z_b}$ を求めるために、式(12)から式(9)の両辺を減算する。

$$\cfrac{2\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=2\dot{Z}_b$$

$\dot{Z}_b=\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}[Ω]\tag{13}$

●次に、$\dot{Z}_c$ を、求めます。

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_b}+\dot{Z_c}[Ω]\tag{6}$

$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_c}\tag{9}$

式(6)と式(9)の両辺を加算する

$$\cfrac{2\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}$$

$\qquad=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}+2\dot{Z_c}[Ω]\tag{14}$

前項で求めた式(3)
$\cfrac{\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{ca}+\dot{Z}_{ab}\dot{Z}_{bc}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=\dot{Z_a}+\dot{Z_b}\tag{3}$

ここで、$\dot{Z_c}$を求めるために、式(14)から式(3)の両辺を減算する。

$$\cfrac{2\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}=2\dot{Z}_c$$

$\dot{Z}_c=\cfrac{\dot{Z}_{bc}\dot{Z}_{ca}}{\dot{Z}_{ab}+\dot{Z}_{bc}+\dot{Z}_{ca}}[Ω]\tag{15}$

Δ-Y変換した場合の、Y結線負荷を求めることができます。

以上で「不平衡三相負荷のΔ-Y変換」の説明を終わります。

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