電験三種 H24年 理論問題

目次

問1(コンデンサ)

問 1
図1及び図2のように、静電容量がそれぞれ \(4\) [uF] と  \(2\) [uF] のコンデンサ \(C_1\) 及び \(C_2\)、スイッチ \(S_1\) 及び \(S_2\) からなる回路がある。

コンデンサ \(C_1\) と \(C_2\) には、それぞれ \(2\) [uC] と \(4\) [uC] の電荷が図のような極性で蓄えられている。

この状態から両図ともスイッチ \(S_1\) 及び \(S_2\) を閉じたとき、図1のコンデンサ \(C_1\) の端子電圧を \(V_1\) [V]、図2のコンデンサ \(C_1\) の端子電圧を \(V_2\) [V] とすると、電圧比 \(\left|\cfrac{V_1}{V_2}\right|\) の値として、正しいものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。

<解答例>

図1の場合から考えてみると、

コンデンサの容量は、並列接続の場合は単純に和になります。

したがって、コンデンサの静電容量を \(C\) とすると
\(C=C_1+C_2=2+4=6\) [uF] になります。

図1の場合、2つのコンデンサに蓄えられている電荷の極性は、上側が \(+\) で下側が \(-\) になっています。
この場合は電荷 \(Q\) は、\(Q=2+4=6\) [uC] になります。

コンデンサの電気量 \(Q=CV\) [C] を使うと、図1の端子電圧 \(V_1\) は
\(V_1=\cfrac{Q}{C}=\cfrac{6×10^{-6}}{6×10^{-6}}=1\) [V] になります。

図2の場合は、次のように考えられます。

静電容量は、\(C=C_1+C_2=2+4=6\) [uF] になります。

一方、電荷は \(C_1,C_2\) に蓄えられている電荷の向きに注意が必要です。
\(Q=2-4=-2\) [uC] になります。

したがって、図2の端子電圧 \(V_2\) は
\(V_2=\cfrac{Q}{C}=\cfrac{-2×10^{-6}}{6×10^{-6}}=-\cfrac{1}{3}\) [V] になります。

以上のことから、電圧比 \(\left|\cfrac{V_1}{V_2}\right|\) の値は次のようになります。
\(\left|\cfrac{V_1}{V_2}\right|=\left|\cfrac{1}{(-\cfrac{1}{3})}\right|=3\)

正解は(3)になります。

問2(平行板コンデンサ)

問 2
極板A-B間が誘電率 \(ε_0\) [F/m] の空気で満たされている平行平板コンデンサの空気ギャップ長を \(d\) [m]、静電容量を \(C_0\) [F] とし、極板間の直流電圧を \(V_0\) [V] とする。

極板と同じ形状と面積を持ち、厚さが \(\cfrac{d}{4}\) [m]、誘電率 \(ε_1\) [F/m] の固体誘電体 ( \(ε_1>ε_0\)) を図に示す位置 P-Q 間に極板と平行に挿入すると、コンデンサ内の電位分布は変化し、静電容量は \(C_1\) [F] に変化した。

このとき、誤っているものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。

ただし、空気の誘電率を \(ε_0\)、コンデンサの端効果は無視できるものとし、直流電圧 \(V_0\) [V] は一定とする。

(1) 位置Pの電位は、固体誘電体を挿入する前の値よりも低下する。

(2) 位置Qの電位は、固体誘電体を挿入する前の値よりも上昇する。

(3) 静電容量は \(C_1\) [F]、 \(C_0\) [F] よりも大きくなる。

(4) 固体誘電体を導体に変えた場合、位置P の電位は固体誘電体又は導体を挿入する前の値よりも上昇する。

(5) 固体誘電体を導体に変えた場合の静電容量 \(C_2\) [F] は、 \(C_0\) [F] よりも大きくなる。

<解答例>

静電容量は公式から
\(C=ε\cfrac{S}{d}\) [F]

\(C\):静電容量 [F]
\(ε\):誘電率
\(S\):電極板の面積 [m2]
\(d\):電極板の距離 [m]

●固体誘電体の挿入前

固体誘電体を挿入する前の静電容量 \(C_0\) は、極板の面積を \(A\) [m2] とすると

\(C_0=ε_0\cfrac{A}{d}\) [F] \(\cdots(1)\)

電極A、B間は平等電界なので、電位の式 \(V=Ed\) [V] から分かるように、電位は距離に比例する。

P点の電位を \(V_P\) とすると、\(V_0\) に対して
\(V_P=\cfrac{3}{4}V_0 \cdots(2)\)

同様にして、 \(V_Q\) の電位は

\(V_Q=\cfrac{1}{2}V_0 \cdots(3)\)

■ 固体誘電体の挿入後

<手順>

  1. 合成静電容量 \(C_1\) を求める。
  2. 位置Pの電位を求める。
  3. 固体誘電体の挿入前の位置Pの電位と比較する。
  4. 位置Qについて同様に行なう。

固体誘電体を挿入した後は、各コンデンサの直列接続になります。

各コンデンサの静電容量を求めると、次のようになります。

\(\qquad C_a=ε_0\cfrac{A}{\cfrac{d}{4}}=ε_0\cfrac{4A}{d}\)

\(\qquad C_b=ε_1\cfrac{A}{\cfrac{d}{4}}=ε_1\cfrac{4A}{d}\)

\(\qquad C_c=ε_0\cfrac{A}{\cfrac{d}{2}}=ε_0\cfrac{2A}{d}\)

合成静電容量 \(C_1\) [F] は
\(\cfrac{1}{C_1}=\cfrac{1}{C_a}+\cfrac{1}{C_b}+\cfrac{1}{C_c}\)

\(=\cfrac{d}{4ε_0A}=\cfrac{d}{4ε_1A}+\cfrac{d}{2ε_0A}\)

\(\cfrac{1}{C_1}=\cfrac{3d}{4ε_0A}+\cfrac{d}{4ε_1A}\) 式を変形すると

\(C_1=\cfrac{1}{\cfrac{3d}{4ε_0A}+\cfrac{d}{4ε_1A}}\) 分母、分子に \(4ε_0ε_1A\) を掛けて整理

\(C_1=ε_0\cfrac{A}{d}×\cfrac{4}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \cdots(4)\)

コンデンサの直列接続になりますので、電荷 \(Q\) [C] は一定になります。
\(Q=C_1V_0=ε_0\cfrac{A}{d}×\cfrac{4V_0}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \)

位置Pの電位を \(V_{P1}\) [V] とすると、次の式のようになります。
\(V_{P1}=V_0-\cfrac{Q}{C_a}\)

\(=V_0-\cfrac{ε_0\cfrac{A}{d}×\cfrac{4V_0}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}}}{ε_0\cfrac{4A}{d}}=V_0-\cfrac{\cfrac{4V_0}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}}}{4}\)

\(V_{P1}=V_0\left(1-\cfrac{1}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \right) \cdots(5)\)

\(V_P=\cfrac{3}{4}V_0 \cdots(2)\)

式(2) と式(5) を比較して見ると

式(5) において、問題文から \(\cfrac{ε_0}{ε_1}<1 \) なので

\(\left(1-\cfrac{1}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \right)<\cfrac{3}{4} \)

であることがわかります。

したがって、式(5) は式(2) より値が小さくなるので、問題文の (1) は正しい。

次に、位置 \(Q\) の電位を \(V_{Q1}\) [V] とすると次の式のようになります。
\(V_{Q1}=\cfrac{Q}{C_c}\)

\(=\cfrac{ε_0\cfrac{A}{d}×\cfrac{4V_0}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}}}{ε_0\cfrac{2A}{d}}\)

\(V_{Q1}=\cfrac{1}{2}V_0×\cfrac{4}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \cdots(6)\)

\(V_Q=\cfrac{1}{2}V_0 \cdots(3)\)

式(3) と式(6) を比較して見ると

式(6) において、問題文から \(\cfrac{ε_0}{ε_1}<1 \) なので、式(6) は \(\cfrac{1}{2}V_0 \) より大きくなります。

したがって、問題文の (2) は正しい。

静電容量 \(C_0とC_1\) を比較すると
\(C_0=ε_0\cfrac{A}{d}\) [F] \(\cdots(1)\)

\(C_1=ε_0\cfrac{A}{d}×\cfrac{4}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}} \cdots(4)\)

式(4) の \(\cfrac{4}{3+\cfrac{ε_0}{ε_1}}>1 \) なので 式(4) は式(1) より大きくなります。

したがって、問題文の (3) は正しい。

■ 固体誘電体を導体に変えたとき

図で分かるように、導体にしたことにより極板の間隔 \(\cfrac{d}{4}\) [m] が狭くなり

等価回路の \(C_b\) [F] がなくなったことになります。

合成静電容量を \(C_2\) [F] とすると、和分の積から

\(C_2=\cfrac{C_aC_c}{C_a+C_c}\)\(=\cfrac{ε_0\cfrac{4A}{d}×ε_0\cfrac{2A}{d}}{ε_0\cfrac{4A}{d}+ε_0\cfrac{2A}{d} }\)

\(C_2=\cfrac{4}{3}×\cfrac{ε_0A}{d} \cdots(7)\)

\(C_0=ε_0\cfrac{A}{d} [F] \cdots(1)\)

電荷 \(Q\) [C] は同じですから \(Q=C_2V_0\) になります。

位置Pの電位を \(V_{P2} \) とすると、

\(V_{P2}=\cfrac{Q}{C_c}=\cfrac{C_2}{C_c}V_0\)\(=\cfrac{\cfrac{4}{3}×\cfrac{ε_0A}{d}} {ε_0\cfrac{2A}{d} }V_0\)

\(V_{P2}=\cfrac{2}{3}V_0 \cdots(8)\)

\(V_P=\cfrac{3}{4}V_0 \cdots(2)\)

式(2) と 式(8) を比較すると 式(2) > 式(8) \((V_P>V_{P2})\) なので、問題文の (4) は誤りになる。

静電容量は式(1) と 式(7) を比較すると 式(1) < 式(7) \((C_0< C_2)\) なので、問題文の (5) は正しい。

正解は(4)になります。

問3(インダクタンス)

問 3
次の文章は、コイルのインダクタンスに関する記述である。
ここで、鉄心の磁気飽和は、無視するものとする。

均質で等断面の環状鉄心に被膜電線を巻いてコイルを製作した。
このコイルの自己インダクタンスは、巻数の(ア)に比例し、磁路の(イ)に反比例する。

同じ鉄心にさらに被膜電線を巻いて別のコイルを作ると、これら二つのコイル間には相互インダクタンスが生じる。
相互インダクタンスの大きさは、漏れ磁束が(ウ)なるほど小さくなる。

それぞれのコイルの自己インダクタンスを \(L_1\) [H]、\(L_2\) [H] とすると、相互インダクタンスの最大値は(エ)[H] である。

これら二つのコイルを(オ)とすると、合成インダクタンスの値は、
それぞれの自己インダクタンスの合計値よりも大きくなる。

上記の記述中の空白箇所 (ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組み合わせとして、
正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

自己インダクタンスは次のように表されます。
\(L=\cfrac{N\phi}{I}\) [H] \(\cdots(1)\)

\(L\):自己インダクタンス [H]
\(N\):コイルの巻数
\(\phi\):磁束 [Wb]
\(I\):電流 [A]

また、磁気回路に生じる磁束は次のように表されます。
\(\phi=\cfrac{μSNI}{l}\) [Wb] \(\cdots(2)\)

\(\phi\):磁束 [Wb]
\(μ\):透磁率 [H/m]
\(S\):断面積 [m2]
\(N\):コイルの巻数
\(I\):電流 [A]
\(l\):磁路の長さ [m]

式(2)を式(1)に代入すると
\(L=\cfrac{N\phi}{I}=\cfrac{N}{I}×\cfrac{μSNI}{l}=\cfrac{μSN^2}{l}\) [H]

となるので、コイルの自己インダクタンスは、巻数の2乗に比例し、磁路の長さに反比例することがわかります。

したがって、(ア)には「2乗」が入り、(イ)には「長さ」が入ります。

次に、相互インダクタンスは
\(M=k\sqrt{L_1L_2}\) [H]

\(M\):相互インダクタンス [H]
\(k\):結合係数 (0~1)
\(L_1、L_2\):各コイルの自己インダクタンス [H]

\(k\) は結合係数と言われ、「k=1」は二つのコイルが磁気的に、完全に結合している場合を示し、「k=0」は二つのコイルが磁気的に、全く結合していないことを示しています。

したがって、問題文の(ウ)は漏れ磁束が「多く」なるほど小さくとなります。
(ウ) は「多く」が入ります。

(エ)の問は、\(M=k\sqrt{L_1L_2}\) [H] で k=1 の時に最大になりますので、

(エ) には「\(\sqrt{L_1L_2}\)」 が入ります。

(オ)の問は、問題文から、「合成インダクタンスの値がそれぞれの自己インダクタンスの合計値よりも大きくなる」 とあるので、コイルの接続は和動接続されていることがわかります。

(オ) には「和動接続」が入ります。

正解は(5)になります。

問4(電流と磁界)

問 4
真空中に、2本の無限長直線状導体が \(20\)  [cm] の間隔で平行に置かれている。

一方の導体に \(10\) [A] の直流電流を流しているとき、その導体には \(1\) [m]当たり \(1×10^{-6}\) [N] の力が働いた。

他方の導体に流れている直流電流 \(I\) [A] の大きさとして、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、真空の透磁率は \(μ_0=4π×10^{-7}\) [H/m] である。

(1) 0.1  (2) 1   (3) 2   (4) 5   (5) 10

<解答例>

電気の公式から、平行な線状導体 1m 当りに働く力 \(F\) [N/m] は,次式で表されます。

\(F=\cfrac{μI_1I_2}{2πr}\) [N/m]

\(F\):導体間に働く1m当たりの力 [N/m]
\(μ\):透磁率 \(4π×10^{-7}\) [H/m]
\(I\):導体に流れる電流 [A]
\(r\):導体間の距離 [m]

上の式を変形して、各数値を代入すると次のようになります。
\(I_2=\cfrac{2πrF}{μI_1}=\cfrac{2π×0.2×1×10^{-6}}{4π×10^{-7}×10}=0.1\) [A]

正解は(1)になります。

問5(電圧源と電流源)

問 5
図1のように電圧が \(E\) [V] の直流電源で構成される回路を、図2のように電流が \(I\) [A] の直流電流源(内部抵抗が無限大で、負荷変動があっても定電流を流出する電源)で構成される等価回路に置き替えることを考える。

この場合、電流 \(I\) [A] の大きさは図1の端子a-bを短絡したとき、そこを流れる電流の大きさに等しい。

また、図2のコンダクタンス \(G\) [S] の大きさは図1の直流電圧源を短絡し、端子a-bから見たコンダクタンスの大きさに等しい。

\(I\) [A] と \(G\) [S] の値を表す式の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

\(I\) [A] と \(G\) [S] を求める問題です。

問題文から、\(I\) [A] の大きさは図3のように、端子a-bを短絡した時にそこを流れる電流になります。

回路の電源から流れる電流を \(I_1\) [A]、端子a-bを流れる電流を \(I\) [A]、電源から見た合成抵抗を \(R\) [Ω] とすると

\(R=R_1+\cfrac{R_2R_3}{R_2+R_3}\)

\(I_1=\cfrac{E}{R}=\cfrac{E}{R_1+\cfrac{R_2R_3}{R_2+R_3}}\)

端子a-bを流れる電流を \(I\) [A] は、分流の式から次のようになります。

\(I=\cfrac{R_2}{R_2+R_3}×I_1=\cfrac{R_2}{R_2+R_3}×\cfrac{E}{R_1+\cfrac{R_2R_3}{R_2+R_3}}\)

\(I=\cfrac{R_2}{(R_2+R_3)R_1+R_2R_3}×E\)

\(I=\cfrac{R_2}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}×E\)

コンダクタンスは、アドミタンスの実数部のことで次のように表わされます。

\(G=\cfrac{R}{R^2+X^2}\) [S]

この問題では、抵抗分しかないので \(G=\cfrac{1}{R}\) [S] となり、抵抗の逆数になります。

問題文から、\(G\) [S] の大きさは図4のように、直流電圧源を短絡し、端子a-bから見たコンダクタンスの大きさに等しい。

とありますので、端子a-bから見た合成抵抗を \(R_0\) [Ω] とすると

\(R_0=R_3+\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)

\(G=\cfrac{1}{R_0}=\cfrac{1}{R_3+\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}}\)

\(G=\cfrac{R_1+R_2}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}\)

正解は(2)になります。

問6(抵抗の直並列回路)

問 6
図のように、抵抗を直並列に接続した回路がある。

この回路において、\(I_1=100\) [mA] のとき、\(I_4\) [mA] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

各抵抗の電圧降下を計算する。

\(R_4\) の抵抗の電圧降下を求めることで、電流 \(I_4\) [mA] を求められる。

\(R_1\) の抵抗の 電圧降下 \(=20Ω×0.1A=2\) [V]

\(R_2\) の電圧降下は \(R_1\) と同じで \(2\) [V]

\(I_2=2V÷10Ω=200\) [mA]

\(I_3=I_1+I_2\) なので \(300\) [mA]

\(R_3\) の 抵抗の電圧降下\(=40Ω×0.3A=12\) [V]

\(R_4\) の 電圧降下 \(V=2V+12V=14\) [V] になります。

したがって、
\(I_4=\cfrac{14V}{30Ω}\)\(≒0.467\) [A]

\(I=467\) [mA] になります。

正解は(4)になります。

問7(共振回路)

問 7
次の文章は、RLC直列共振回路に関する記述である。

\(R\) [Ω] の抵抗、インダクタンス \(L\) [H] のコイル、静電容量 \(C\) [F] のコンデンサを直列に接続した回路がある。

この回路に交流電圧を加え、その周波数を変化させると、特定の周波数 \(f_r\) [Hz] のときに 誘導性リアクタンス =\(2πf_rL\)  [Ω] と 容量性リアクタンス =\(\cfrac{1}{2πf_rC}\) [Ω] の大きさが等しくなり、その作用が互いに打ち消し合って回路のインピーダンスが(ア)なり、(イ)電流が流れるようになる。

この現象を直列共振といい、このときの周波数 \(f_r\) [Hz] をその回路の共振周波数という。

回路のリアクタンスは共振周波数 \(f_r\) [Hz] より低い周波数では(ウ)となり、電圧より位相が(エ)電流が流れる。

また、共振周波数 \(f_r\) [Hz] より高い周波数では(オ)となり、電圧より位相が(カ)電流が流れる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)及び(カ)に当てはまる組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

共振回路の特徴から
RLC直列回路では、共振した時には誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの大きさが等しくなります。

その性質は互いに打ち消し合うので、インピーダンス(ア)は「小さく」なります。

インピーダンスが小さくなるので、当然回路に流れる電流(イ)は「大きな」電流になります。

• 共振時には見かけは抵抗だけの回路になります。電圧は最小になります。

• RLC単独回路の電流と電圧の関係

下図 を見れば分かる通り、共振周波数より低いとき、(ウ)は「容量性」の回路になり、電圧の位相より、(エ)「進んだ」電流が流れます。

また、共振周波数より高いとき、(オ)は「誘導性」の回路になり、電圧より位相が(カ)「遅れた」電流が流れます。

正解は(3)になります。

問8(抵抗とコイルの回路)

問 8
図のように、正弦波交流電圧 \(E=200\) [V] の電源がインダクタンス \(L\) [H] のコイルと \(R\) [Ω] の抵抗との直列回路に電力を供給している。

回路を流れる電流が \(I=10\) [A]、回路の無効電力が \(Q=1200\) [var] のとき、抵抗 \(R\) [Ω] の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

交流電力と力率から
●有効電力・無効電力・皮相電力には、次のような関係があります。

問題文から図のような値が求められます。

公式から
\(皮相電力^2=有効電力^2+無効電力^2\) なので

\(S^2=P^2+Q^2\)

\(P=\sqrt{S^2-Q^2}=\sqrt{2000^2-1200^2}=1600\) [W]

有効電力 \(P=I^2R\)

\(R=\cfrac{P}{I^2}=\cfrac{1600}{100}=16\) [Ω]

以上のことから
答え (4) になります。

参考
\(S=EI=I^2Z 、Z=\cfrac{S}{I^2}=\cfrac{2000}{100}=20\) [Ω]

\(Q=EIsinθ=I^2X 、X=\cfrac{Q}{I^2}=\cfrac{1200}{100}=12\) [Ω]

\(R=EIcosθ=I^2R 、R=\cfrac{P}{I^2}=\cfrac{1600}{100}=16\) [Ω]

正解は(4)になります。

問9(RとLの回路の電流波形)

問 9
図のように、直流電圧 \(E\) [V] の電源、\(R\) [Ω] の抵抗、インダクタンス \(L\) [H] のコイル、スイッチ \(S_1\) と \(S_2\) からなる回路がある。

電源の内部インピーダンスは零とする。時刻 \(t=t_1\) [s] でスイッチ \(S_1\) を閉じ、その後、時定数 \(\cfrac{L}{R}\) [s] に比べて十分に時間が経過した時刻 \(t=t_2\) [s] でスイッチ \(S_2\) を閉じる。

このとき、電源から流れ出る電流 \(i\) [A] の波形を示す図として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

■ RL直流回路の過渡現象
\(S_1\) を閉じた時の回路は、次のように左側だけの回路になります。

\(S_1\) を閉じた時の電流の過渡現象は、次の図のように
\(t_1\) から徐々に増加して行きます。

十分な時間が経過した \(t_2\) で定常状態になります。

この時の、電流の値は
\(i=\cfrac{E}{R}\) [A] になります。

\(S_2\) を閉じた時の回路は、次の図のように \(L\) [H] のコイルが短絡状態になるので、回路に流れる電流 \(i\) [A] は変化しないことになります。

正解は(3)になります。

問10(RLC並列回路)

問 10
図のように、\(R_1=20\) [Ω] と \(R_2=30\) [Ω] の抵抗、静電容量 \(C=\cfrac{1}{100π}\) [F] のコンデンサ、インダクタンス \(L=\cfrac{1}{4π}\) [H] のコイルからなる回路に周波数 \(f\) [Hz] 実効値 \(V\) [V] が一定の交流電圧を加えた。

\(f\)=10  [Hz] のときに \(R_1\) を流れる電流の大きさを \(I_{10Hz}\) [A]、\(f\)=10 [MHz] のときに \(R_1\) を流れる電流の大きさを \(I_{10MHz}\) [A] とする。

このとき、電流比 \(\cfrac{I_{10Hz}}{I_{10MHz}}\) の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この問題は、周波数の異なる電圧を加えたときに、回路に流れる電流を比較する問題です。

この回路の合成インピーダンスは、\(R_2\) と \(L\) と \(C\) の並列接続に \(R_1\) が直列に接続されています。

■ 周波数 \(f\)=10 [Hz] のとき
周波数 \(f=10\) [Hz] のときの回路のインピーダンスを \(Z_{10Hz}\) [Ω] として値を求めます。

\(Z_{10Hz}=R_1+\cfrac{1}{\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{jωL}+jωC}\)

\(=R_1+\cfrac{1}{\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{j2πfL}+j2πfC}\)

\(=20+\cfrac{1}{\cfrac{1}{30}-j\cfrac{1}{5}+j\cfrac{1}{5}}=50\) [Ω]

\(R_1\) に流れる電流を \(I_{10Hz}\) [A] とすると、次のようになります。

\(I_{10Hz}=\cfrac{V}{Z_{10Hz}}=\cfrac{V}{50}\) [A]

■ 周波数 \(f\)=10 [MHz] のとき
周波数 \(f=10\) [MHz] のときの回路のインピーダンスを \(Z_{10MHz}\) [Ω] として値を求めます。

\(Z_{10MHz}\)

\(=20+\cfrac{1}{\cfrac{1}{30}-j2×10^{-7}+j2×10^5}\)

上の式のプラスから右の式 \(\cfrac{1}{\cfrac{1}{30}-j2×10^{-7}+j2×10^5}\) は非常に小さくなるので
\(Z_{10MHz}≒20\) [Ω] となる。

\(R_1\) に流れる電流を \(I_{10MHz}\) [A] とすると、次のようになります。

\(I_{10MHz}≒\cfrac{V}{Z_{10MHz}}=\cfrac{V}{20}\) [A]

したがって、電流比は
\(\cfrac{I_{10Hz}}{I_{10MHz}}=\cfrac{\cfrac{V}{50}}{\cfrac{V}{20}}=0.4\) [A]

正解は(1)になります。

問11(半導体集積回路)

問 11
半導体集積回路 (IC) に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) MOSICは、MOSFETを中心としてつくられたICである。
(2) ICを構造から分類すると、モノリシックICとハイブリッドICに分けられる。
(3) CMOSICは、nチャンネルMOSFETのみを用いて構成されるICである。
(4) アナログICには、演算増幅器やリニアICなどがある。
(5) ハイブリッドICでは、絶縁基板上に、ICチップや抵抗、コンデンサなどの回路素子が組み込まれている。

<解答例>

この問題において、(1)、(2)、(4)、(5)の記述は、正しいものです。
(3)の記述は、誤りです。

CMOSICは、nチャネルMOFETとpチャネルMOSFETを相補型に組み合わせて作ったものです。

「nチャネルMOFETのみ」で構成されるものではありません。

半導体回路の「MOSFETの仕組みとIC(集積回路)の概要」を参考にしてください。

正解は(3)になります。

問12(ローレンツ力の問題)

問 12
次の文章は、図に示す「磁界中における電子の運動」に関する記述である。

真空中において、磁束密度 \(B\) [T] の一様な磁界が紙面と平行な平面の(ア)へ垂直に加わっている。
ここで、平面上の点 a に電荷 \(-e\) [C]、質量 \(m_0\) [kg] の電子をおき、図に示す向きに速さ \(v\) [m/s] の初速度を与えると、電子は初速度の向き及び磁界の向きのいずれに対しても垂直で図に示す向きの電磁力 \(F_A\) [N] を受ける。

この力のために電子は加速度を受けるが速度の大きさは変わらないので、その方向のみが変化する。
したがって、電子はこの平面上で時計回りに速さ \(v\) [m/s] の円運動をする。

この円の半径を \(r\) [m] とすると、電子の運動は、磁界が電子に作用する電磁力の大きさ \(F_A=Bev\) [N] と遠心力 \(F_B=\cfrac{m_0}{r}v^2\) [N] とが釣り合った円運動であるので、その半径は \(r=\)(イ)[m] と計算される。

したがって、この円運動の周期は T=(ウ) [s]、各周波数は \(ω=\)(エ)[rad/s] となる。
ただし、電子の速さ \(v\) [m/s] は、光速より十分小さいものとする。
また、重力の影響は無視できるものとする。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この問題において、電子が \(F_A\) の向心力を受けるためには、磁界の方向は紙面の「おもてから裏」に向かわなければなりません。

したがって(ア)は、「おもてから裏」になります。

(イ)は、向心力 \(F_A\) [N] と遠心力 \(F_B\) [N] が釣り合っていますので、次の式が成り立ちます。

\(F_A=F_B=Bev=\cfrac{m_0v^2}{r}\) [N]

したがって、(イ)は
\(r=\cfrac{m_0v}{eB}\) [m] になります。

(ウ)は、周期 \(T\) を求める問題です。
円運動の周期 \(T\) は、
\(T=\cfrac{2πr}{v}=\cfrac{2π×\cfrac{m_0v}{eB}}{v}=\cfrac{2πm_0}{eB}\) [s] になります。

(エ)の角周波数 \(ω\) は、
\(ω=2πf=\cfrac{2π}{T}=\cfrac{2π}{\cfrac{2πm_0}{eB}}=\cfrac{eB}{m_0}\) [rad/s] になります。

正解は(2)になります。

問13(ダイオード回路)

問 13
図は、抵抗 \(R_1\) [Ω] とダイオードからなるクリッパ回路に負荷となる抵抗 \(R_2=2R_1\) [Ω] を接続した回路である。入力直流電圧 \(V\) [V] と \(R_1\) [Ω] に流れる電流 \(I\) [A] の関係を示す図として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、順電流が流れているときのダイオードの電圧は、0 [V] とする。
また、逆電圧が与えられているダイオードの電流は、0 [A] とする。

<解答例>

ただし書きにあるように、順電流が流れているときのダイオードの電圧が 0 [V] ということから、この場合はダイオードは「短絡」した状態にあることが考えられます。

電圧が「正」で、順電流が流れているときの回路は次のようになります。

このとき回路に流れる電流は
\(I=\cfrac{V}{R_1}\) になり、流れる電流 \(I\) は電圧 \(V\) に比例します。

次に、逆電圧が与えられているダイオードの電流は、0 [A] ですからダイオードは開放状態にあると考えられます。

電圧が「負」の場合の回路は次のようになります。

このとき回路に流れる電流は
\(I=\cfrac{V}{R_1+2R_1}=\cfrac{V}{3R_1}\) になります。

流れる電流 \(I\) は電圧 \(V\) に比例します。

しかし、その大きさは正の範囲の時の \(\cfrac{1}{3}\) になります。

正解は(5)になります。

問14(電気計測)

問 14
電気計測に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) ディジタル指示計器(ディジタル計器)は、測定値が数字のディジタルで表示される装置である。

(2) 可動コイル形計器は、コイルに流れる電流の実効値に比例するトルクを利用している。

(3) 可動鉄片型計器は、磁界中で磁化された鉄片に働く力を応用しており、商用周波数の交流電流計及び交流電圧計として広く普及している。

(4) 整流形計器は感度がよく、交流用として使用されている。

(5) 二電力計法で三相負荷の消費電力を測定するとき、負荷の力率によっては、電力計の指針が逆に振れることがある。

<解答例>

問題文から(1)、(3)、(4)、(5)の記述は正しい。

(2)の記述が誤りです。
可動コイル形計器の特徴は直流に用いられるため、指示値は実効値でなく平均値を示します。

正解は(2)になります。

問15(コンデンサ回路)

問 15
図のように、三つの平行平板コンデンサを直並列に接続した回路がある。

ここで、それぞれのコンデンサの極板の形状及び面積は同じであり、極板間には同一の誘電体が満たされている。

なお、コンデンサの初期電荷は零とし、端効果は無視できるものとする。

いま、端子 a-b 間 に直流電圧 300 [V] を加えた。

このとき、次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

(a) 静電容量が \(4\) [uF] のコンデンサに蓄えられる電荷 \(Q\) [C] の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \(1.2×10^{-4}\)    (2) \(2×10^{-4}\)     (3) \(2.4×10^{-4}\)
(4) \(3×10^{-4}\)     (5) \(4×10^{-4}\)

(b) 静電容量がのコンデンサの極板間の電界の強さは、のコンデンサの極板間の電界の強さの何倍か。倍率として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \(\cfrac{3}{4}\)        (2) 1.0       (3) \(\cfrac{4}{3}\)
(4) \(\cfrac{3}{2}\)        (5) 2.0

<解答例>

(a) の問題

コンデンサの静電容量の計算

直列接続のとき \(\cdots \cfrac{1}{C}=\cfrac{1}{C_1}+\cfrac{1}{C_2}\cdots\cfrac{1}{C_n}\)

並列接続のとき \(\cdots C=C_1+C_2 \cdots C_n\) です。

問題の回路は次のような等価回路になります。

次の図のように、直列接続のコンデンサに蓄えられる電荷 \(Q\) [C] は同じです。

\(Q=CV\) から

\(Q=C_1V_1=C_2V_2=3V_1=6V_2\) が成り立ちます。

\(V_1+V_2=300\) から \(V_1=300-V_2\) を上の式に代入すると

\(3×(300-V_2)=6×V_2\)

\(V_2=100\) [V]

\(4 [uF]\) のコンデンサに蓄えられる電荷は

\(Q=CV=4×10^{-6}×100=4×10^{-4}\) [C] となります。

(a) の答え(5)になります。

(b) の問題
電界の強さ \(E\) [V/m]、電圧 \(V\) [V]、極板間の距離 \(d\) [m] とすると
\(E=\cfrac{V}{d}\) で表されます。

\(3\) [uF] のコンデンサの電界の強さを \(E_1\)、極板間の距離 \(d_1\)

\(4\) [uF] のコンデンサの電界の強さを \(E_2\)、極板間の距離 \(d_2\) とすると

\(E_1=\cfrac{V_1}{d_1}=\cfrac{200}{d_1}\)

\(E_2=\cfrac{V_2}{d_2}=\cfrac{100}{d_2}\) になります。

コンデンサの静電容量を \(C\) [F]、誘電率 \(ε\) [F/m]、極板の面積 \(S\) [m2]、極板間の距離 \(d\) [m] とすると

\(C=ε\cfrac{S}{d}\) [F]

\(3\) [uF] のコンデンサを \(C_1\)

\(4\) [uF] のコンデンサを \(C_2\) とすると

\(C_1=ε\cfrac{S}{d_1}\) → \(d_1=ε\cfrac{S}{C_1}\)

\(C_2=ε\cfrac{S}{d_2}\) → \(d_2=ε\cfrac{S}{C_2}\)

問題文に、コンデンサの形状と面積が同じで、同一の誘電体とあるので、電界の強さを比較すると

\(\cfrac{E_1}{E_2}=\cfrac{\cfrac{V_1}{d_1}}{\cfrac{V_2}{d_2}}=\cfrac{V_1}{V_2}×\cfrac{\cfrac{εS}{C_2}}{\cfrac{εS}{C_1}}=\cfrac{V_1C_1}{V_2C_2}\)

\(\cfrac{E_1}{E_2}=\cfrac{200×3×10^{-6}}{100×4×10^{-6}}=\cfrac{3}{2}\)

正解は(4)になります。

問16(三相交流)

問 16
図のように、相電圧 200 [V] の対称三相交流電源に、複素インピーダンス \(\dot{Z}=5\sqrt{3}+j5\) [Ω] の負荷がY結線された平衡三相負荷を接続した回路がある。

次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 電流 \(\dot{I_1}\) [A] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(b) 電流 \(\dot{I_{ab}}\) [A] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

問(a)
(a)の場合から考えてみると、電源側のΔ結線をY結線に変換します。

Y-Y結線にすると一相分の等価回路は次のようになります。

Δ結線をY結線に変換すると、

相電圧は線間電圧の \(\cfrac{1}{\sqrt{3}}\) になり、位相は \(\cfrac{π}{6}\) 遅れます。

したがって、相電圧 \(\dot{E_{aY}}\) は

\(\dot{E_{aY}}=\dot{E_a}×\left(\cfrac{1}{\sqrt{3}}∠-\cfrac{π}{6}\right)\)

\(=200∠0×\left(\cfrac{1}{\sqrt{3}}∠-\cfrac{π}{6}\right)\)

\(=\cfrac{200}{\sqrt{3}}∠-\cfrac{π}{6}\)

また、インピーダンスを複素表示から極座標表示にすると

\(\dot{Z}=a+jb→\dot{Z}\)\(=Z(cosθ+jsinθ)→\dot{Z}=Z∠θ\)

したがって、

\(\dot{Z}=5\sqrt{3}+j5\)

\(=10\left(\cfrac{\sqrt{3}}{2}+j\cfrac{1}{2}\right)=10∠\cfrac{π}{6}\)

以上のことから、電流 \(I_1\) は次のように計算することができます。

参考 (ベクトルの掛け算では、角度を求める場合足し算をします。ベクトルの割り算の時は、角度を求める場合引き算をします。)

\(\dot{I_1}=\cfrac{\dot{E_{aY}}}{\dot{Z}}\)

\(\dot{I_1}=\cfrac{\left(\cfrac{200}{\sqrt{3}}\right)}{10}\left(∠-\cfrac{π}{6}-∠\cfrac{π}{6}\right)\)

\(\dot{I_1}=\cfrac{20}{\sqrt{3}}∠-\cfrac{π}{3}\)

\(\dot{I_1}≒11.55∠-\cfrac{π}{3}\) になります。

(a)の答えは (4) になります。

問(b)
(b)の場合は、「三相交流のΔ-Δ結線」から、相電流は線電流の \(\cfrac{1}{\sqrt{3}}\) 倍で位相は \(\cfrac{π}{6}\) 進みます。

したがって、
\(\dot{I_{ab}}=\dot{I_1}×\cfrac{1}{\sqrt{3}}∠\cfrac{π}{6}\)

\(\dot{I_{ab}}=\cfrac{20}{\sqrt{3}}∠-\cfrac{π}{3}×\cfrac{1}{\sqrt{3}}∠\cfrac{π}{6}\)

\(\dot{I_{ab}}=\cfrac{20}{\sqrt{3}}×\cfrac{1}{\sqrt{3}}∠\left(-\cfrac{π}{3}+\cfrac{π}{6} \right)\)

\(\dot{I_{ab}}≒6.67∠-\cfrac{π}{6}\)
になります。

(b)の答えは(5)になります。

正解は(a)-(4)、(b)-(5)になります。

問17(電圧計の倍率器)

問 17
直流電圧計について、次の (a) 及び (b) の問に答えよ。
(a)
最大目盛 \(1\) [V]、内部抵抗 \(r_v=1000\) [Ω] の電圧計がある。

この電圧計を用いて最大目盛 \(15\) [V] の電圧計とするための、倍率器の抵抗 \(R_m\) [kΩ] の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)  12
(2)  13
(3)  14
(4)  15
(5)  16

(b)
図のような回路で上記の最大目盛の電圧計を接続して電圧を測ったときに、電圧計の指示はいくらになるか。

最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)  7.2
(2)  8.7
(3)  9.4
(4)  11.3
(5)  13.1

<解答例>

(a)の問題
図のように、最大目盛 \(1\) [V]、内部抵抗 \(1000\) [Ω] ということから、電流が \(1\) [mA] 流れると最大目盛になるということです。

最大目盛を \(15\) [V] にするための抵抗値は

\(\cfrac{15V}{1mA}=15000\) [Ω] になります。

内部抵抗+倍率器の抵抗 \(=15000\) なので

倍率器の抵抗 \(=15000-1000=14000\) [Ω]\(=14\) [kΩ]

(a) の答え(3)になります。

(b)の問題
図の a-b間の電圧を求めることになります。

電圧計に流れる電流 \(I_{ab}\) [A] を求めれば、a-b間の電圧が求められます。

任意の2点の電流を求めるには、鳳-テブナンの定理が便利です。
次の図のように、a-b間に鳳-テブナンの定理を適用します。

1.a-b間の開放電圧
a-b間の電圧を \(V_{ab}\) [V]、 回路に流れる電流を \(I\) [A] とすると

\(I=\cfrac{16-4}{(10+30)×10^3}=3×10^{-4}\) [A]

\(V_{ab}=16-10×10^3×I\)

\(=16-10×10^3×3×10^{-4}=13\) [V]

2.a-b間から見た抵抗
すべての電源を短絡して、a-b間から見た合成抵抗を \(R_{ab}\) とすると、並列接続になるので「和分の積」を使って求めると
\(R_{ab}=\cfrac{10×10^3×30×10^3}{10×10^3+30×10^3}\)

\(=7500\) [Ω]

3.鳳-テブナンの定理の等価回路

回路に流れる電流を \(I_{ab}\) [A] とすると

\(I_{ab}=\cfrac{V_{ab}}{R_{ab}+R_m+r_v}\)

\(=\cfrac{13}{7500+14000+1000}\)

\(=\cfrac{13}{22500}\) [A]

電圧計の電圧 \(V\) [V] は次のようになります。

\(V=I_{ab}×(R_m+r_v)\)

\(=\cfrac{13×15000}{22500}\)

\(≒8.67\) [V]

(b) の答え(2)になります。

正解は(a)-(3)、(b)-(2)になります。

問18(FET回路の問題)

問 18
(a)
図1は、飽和領域で動作する接合型FETを用いた増幅回路を示し、図中の \(v_i\) 並びに \(v_o\) はそれぞれ、入力と出力の小信号交流電圧 [V] を表す。

また、図2は、その増幅回路で使用するFETのゲート-ソース間電圧 \(V_{gs}\) に対するドレーン電流 \(I_d\) [mA] の特性を示している。

抵抗 \(R_G=1\) [MΩ]、 \(R_D=5\) [kΩ]、 \(R_L=2.5\) [kΩ]、直流電源電圧 \(V_{DD}=20\) [V] とするとき、次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

(a) FETの動作点が図2の点Pとなる抵抗 \(R_S\) [kΩ] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)  0.1
(2)  0.3
(3)  0.5
(4)  1
(5)  3

(b)
図2の特性曲線の点Pにおける接線の傾きを読むことで、FETの相互コンダクタンスが \(g_m=6\) [ms]であるとわかる。

この値を用いて、増幅回路の小信号交流回路をかくと図3となる。

ここで、コンデンサ \(C_1,C_2,C_S\) のインピーダンスが使用する周波数で十分に小さいときを考えており、FETの出力インピーダンスが \(R_D\) [kΩ] や \(R_L\) [kΩ] より十分大きいとしている。

この増幅回路の電圧増幅度 \(A_v=\left|\cfrac{v_o}{v_i}\right|\) の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。


(1)  10
(2)  30
(3)  50
(4)  100
(5)  300

<解答例>

(a)の問題
FETの仕組みは、\(V_{gs}\) 間に加える電圧により、ドレイン電流 \(I_D\) を制御するものです。

FETはゲートに電流を流して、ドレイン電流 \(I_D\) を制御するものではありませんから、ゲート電流は流れません。

問題を整理して、回路図を簡略化すると次のようになります。

FETはゲート電流は流れないので、トレイン電流はそのままソース電流になります。

したがって、ソース電流 \(I_S=1.8\) [mA] になります。

問題文から、動作点Pでは \(V_{gs}=-1.8\) [V] であることがわかります。

ゲート電流は流れないので、 \(V_g=0\) [V] です。

このことから、ソースの電位 \(V_S=1.8\) [V] になります。

ソースの抵抗 \(R_S\) は、次のように求められます。

\(R_S=\cfrac{V_S}{I_S}=\cfrac{1.8}{1.8×10^{-3}}=1\) [kΩ]

(a) の答え(4)になります。

(b)の問題
図3を見ると、電流源の回路になっています。
抵抗が並列になっていますので、合成抵抗を計算します。

合成抵抗を \(R\) とすると
\(R=\cfrac{R_DR_L}{R_D+R_L}\)

電流源なので
\(i_d=g_mv_i\) となります。

回路図を書き換えると次のようになります。

したがって、\(v_o\) は次のように求められます。
\(v_o=i_d×R=g_mv_i×\cfrac{R_DR_L}{R_D+R_L}\)

\(=6×10^{-3}×v_i×\cfrac{5×10^3×2.5×10^3}{5×10^3+2.5×10^3}\)

\(v_o=10×v_i\)

\(A_v=\left|\cfrac{v_o}{v_i}\right|=\left|\cfrac{10v_i}{v_i}\right|=10\)

(b) の答え(1)になります。

正解は(a)-(4)、(b)-(1)になります。

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