電験三種 H21年 理論問題

目次

問1(コンデンサ)

問 1
電極板面積と電極板間隔が共に \(S\) [m2] と \(d\) [m] で、一方は比誘電率が \(ε_{r1}\) の誘電体からなる平行平板コンデンサ \(C_1\) と、他方は比誘電率が \(ε_{r2}\) の誘電体からなる平行平板コンデンサ \(C_2\) がある。

いま、これらを図のように並列に接続し、端子A、B間に直流電圧 \(V_0\) [V] を加えた。

この時、コンデンサ \(C_1\) の電極板間の電界の強さを \(E_1\) [V/m]、電束密度を \(D_1\) [C/m2]、また、 コンデンサ \(C_2\) の電極板間の電界の強さを \(E_2\) [V/m]、電束密度を \(D_2\) [C/m2] とする。

両コンデンサの電界の強さ \(E_1\) [V/m] と \(E_2\) [V/m] はそれぞれ(ア)であり、電束密度 \(D_1 \) [C/m2] と \(D_2\) [C/m2] はそれぞれ(イ)である。

したがって、コンデンサ \(C_1\) に蓄えられる電荷を \(Q_1\) [C]、コンデンサ \(C_2\) に蓄えられる電荷を \(Q_2\) [C] とすると、それらはそれぞれ(ウ)となる。

ただし、電極板の厚さ及びコンデンサの端効果は、無視できるものとする。

また、真空の誘電率を \(ε_0\) [F/m] とする。

上記の記述中の空白箇所 (ア)、(イ)、(ウ)に当てはまる式として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

<解答例>

(ア)
• 電界の強さを求める
電界の強さは電界の公式から
\(E=\cfrac{V}{d}\) [V/m] なので、電界の強さ \(E_1\) と \(E_2\) は次のようになります。

\(E_1=\cfrac{V_0}{d}\)

\(E_2=\cfrac{V_0}{d}\)

(イ)
• 電束密度を求める
電束密度の公式は
\(D=εE [C/m^2]\) で表されるので、電束密度 \(D_1\) と \(D_2\) は次のように求められます。

\(D_1=ε_0ε_{r1}E_1=\cfrac{ε_0ε_{r1}}{d}V_0\)

\(D_2=ε_0ε_{r2}E_2=\cfrac{ε_0ε_{r2}}{d}V_0\)

(ウ)
• 電荷を求める
電束密度から電荷を求めることができます。
\(Q\) [C] の電荷からは \(Q\) 本の電束が出ています。

電束密度は面積を \(S\) [m2] とすると、\(D=\cfrac{Q}{S}\) で表すことができます。

この式を変形すると \(Q=SD\) となります。

したがって、コンデンサ \(C_1\) と \(C_2\) に蓄えられる電荷 \(Q_1\) と \(Q_2\) は次のようになります。

\(Q_1=SD_1=\cfrac{ε_0ε_{r1}}{d}SV_0\)

\(Q_2=SD_2=\cfrac{ε_0ε_{r2}}{d}SV_0\)

正解は(4)になります。

問2(静電界)

問 2
静電界に関する記述として、正しいのは次のうちどれか。

(1) 二つの小さな帯電体の間に働く力の大きさは、それぞれの帯電体の電気量の和に比例し、その距離の2乗に反比例する。

(2) 点電荷が作る電界は点電荷の電気量に比例し、距離に反比例する。

(3) 電気力線上の任意の点での接線の方向は、その点の電界の方向に一致する。

(4) 等電位面上の正電荷には、その面に沿った方向に正のクーロン力が働く。

(5) コンデンサの電極板間に隙間なく誘電体を入れると、静電容量と電極板間の電界は、誘電体の誘電率に比例して増大する。

<解答例>

(1) 帯電した電荷間には、クーロンの法則の力が働きます。

クーロンの法則は \(F=9×10^9×\cfrac{Q_1Q_2}{r^2}\) [N] で表されます。

式から分かるように、帯電体の間に働く力は帯電体の電気量の和ではなく、積に比例しますので、(1)は誤りです。

(2) 点電荷が作る電界の大きさは \(E=9×10^9×\cfrac{Q}{r^2}\) [V/m] で表される。

式から分かるように、距離の2乗に反比例するので、(2)は誤りになります。

(3) これは正しい記述です。

(4) 等電位上の正電荷には、等電位面に対して垂直にクーロンの力が働くので、(4)は誤りです。

(5) 平行板コンデンサの電束密度をD、誘電体の誘電率をεとすると、電界の強さは \(E=\cfrac{D}{ε}\) [V/m] で表される。

式から分かるように、電界の強さは誘電率に反比例するので、(5)は誤りとなる。

正解は(3)になります。

問3(インダクタンス)

問 3
次の文章は、コイルの磁束鎖交数とコイルに蓄えられる磁気エネルギーについて述べたものである。

インダクタンス \(1\) [mH] のコイルに直流電流 \(10\) [A] が流れているとき、このコイルの磁束鎖交数 \(Ψ_1\) [Wb]は (ア)[Wb] である。

また、コイルに蓄えられている磁気エネルギー \(W_1\) [J] は(イ)[J] である。

次に、このコイルに流れる直流電流を \(30\) [A] とすると、磁束鎖交数 \(Ψ_2\) [Wb] と蓄えられる磁気エネルギー \(W_2\) [J] はそれぞれ(ウ)となる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

<解答例>

ここでは、磁束鎖交数の公式とコイルに蓄えられるエネルギーの公式を使います。

磁束鎖交式の公式は、\(ψ=LI\) [Wb] です。

\(L\):コイルのインダクタンス
\(I\):電流

コイルに蓄えられるエネルギーの公式は、
\(W=\cfrac{1}{2}LI^2\) [J] です。

コイルに流れる電流が10A の場合
磁束鎖交数 \(Ψ_1\) は
\(Ψ_1=1×10^{-3}×10=1×10^{-2}\) [Wb] になります。

コイルに蓄えられるエネルギー \(W_1\) は
\(W_1=\cfrac{1}{2}×1×10^{-3}×10^2=5×10^{-2}\) [J] になります。

コイルに流れる電流が30Aの場合
磁束鎖交数 \(Ψ_2\) は
\(Ψ_2=1×10^{-3}×30=3×10^{-2}\) [Wb] になります。

コイルに蓄えられるエネルギー \(W_2\) は
\(W_2=\cfrac{1}{2}×1×10^{-3}×30^2=45×10^{-2}\) [J] になります。

この結果から分かる通り、\(Ψ_2\) は \(Ψ_1\) の3倍になリます。

又、\(W_2\) \(W_1\) の 9倍になることが分かります。

正解は(2)になります。

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問4(磁界)

問 4
図のように、点 O を中心とするそれぞれ半径 1 [m] と半径 2  [m] の円形導線の \(\cfrac{1}{4}\) と、それらを連結する直線状の導線からなる扇形導線がある。

この導線に、図に示す向きに直流電流 \(I=8\) [A] を流した場合、点 O における磁界 [A/m] の大きさとして、正しいのは次のうちどれか。

ただし、扇形導線は同一平面上にあり、その巻数は一巻きである。

<解答例>

ここでは、円形電流が、円の中心に作る磁界の式を使います。
\(H=\cfrac{NI}{2r}\) を使います。

ただし、巻数が一巻きですから、N は 1 です。
扇形導線の各部分の磁界は、次のとおりです。

① の部分の導線による、点 O による磁界の方向は、奥から手前の方向です。

② の部分の導線による磁界は、点 O に関係しません。

③ の部分の導線による、点 O による磁界の方向は、手前から奥の方向です。

④ の部分の導線による磁界は、点 O に関係しません。

各部分の磁界の大きさ

\(H=\cfrac{NI}{2r}\) を使うと

① の部分の導線による磁界の大きさを \(H_1\) とすると、
\(H_1=\cfrac{1×8}{2×1}×\cfrac{1}{4}=1\) [A/m]

③ の部分の導線による磁界の大きさを \(H_1\) とすると、
\(H_1=\cfrac{1×8}{2×2}×\cfrac{1}{4}=0.5\) [A/m]

点O における磁界の大きさ \(H\) [A/m] を求めると
\(H=H_1-H_2=1-0.5=0.5\) [A/m]

正解は(2)になります。

問5(コンデンサ)

問 5
図に示す5種類の回路は、直流電圧 \(E\) [V] の電源と静電容量 \(C\) [F] のコンデンサの個数うと組み合わせを異にしたものである。

これらの回路のうちで、コンデンサ全体に蓄えられている電界のエネルギーが最も小さい回路を示す図として、正しいのは次のうちどれか。

<解答例>

コンデンサに蓄えられるエネルギー

コンデンサに蓄えられるエネルギーの式は、電気の公式集の中の静電エネルギーの式です。

\(W=\cfrac{1}{2}CV^2\) [J]

(1)のエネルギーを \(W_1\)
\(W_1=\cfrac{1}{2}CE^2\) [J]

(2)のエネルギーを \(W_2\)
\(W_2=\cfrac{1}{2}×\cfrac{C}{2}×(2E)^2=CE^2\) [J]

(3)のエネルギーを \(W_3\)
\(W_3=\cfrac{1}{2}×2C×(2E)^2=4CE^2\) [J]

(4)のエネルギーを \(W_4\)
\(W_4=\cfrac{1}{2}×\cfrac{C}{2}×E^2=\cfrac{C}{4}E^2\) [J]

(5)のエネルギーを \(W_5\)
\(W_5=\cfrac{1}{2}×2C×E^2=CE^2\) [J]

それぞれを、比較すると、

(4)の \(\cfrac{C}{4}E^2\) [J] が最も小さい値となります。

正解は(4)になります。

問6(抵抗)

電験三種過去問題の平成21年 理論の問6 抵抗の直列回路と並列回路に流れる電流から、目的の抵抗を求める問題です。

問 6
抵抗値が異なる抵抗 \(R_1\) [Ω] と \(R_2\) [Ω] を図1のように直列に接続し、30 [V] の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は 6 [A] であった。

次に、この抵抗 \(R_1\) [Ω] と \(R_2\) [Ω] を 図2 のように並列に接続し、30 [V] の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は 25 [A] であった。

このとき、抵抗 \(R_1\) [Ω]、 \(R_2\) [Ω] のうち小さい方の抵抗 [Ω] の値として、正しいのは次のうちどれか。

<解答例>

図1より、オームの法則により、
\(R_1+R_2=\cfrac{30}{6}\) → \(R_1+R_2=5 \cdots (1)\)

図2より、合成抵抗は並列なので「和分の積」で求められる。
\(\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}=\cfrac{30}{25}\) → \(\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}=\cfrac{6}{5} \cdots(2)\)

(2)式に(1)式を代入する。
\(\cfrac{R_1R_2}{5}=\cfrac{6}{5}\) → \(R_1R_2=6 \cdots(3)\)

(1)式を変形する。
\(R_2=5-R_1\) となる。

この式を(3)式に代入すると次のようになります。
\(R_1(5-R_1)=6\)

\(R_1^2-5R_1+6=0\)

\((R_1-2)(R_1-3)=0\)

\(R_1=2 or R_1=3\) 

これは (R_2\) で求めても同じ値になります。

したがって、抵抗のうち小さい方の抵抗の値は \(2\) [Ω] になりますので、

正解は(4)になります。

問7(交流電流)

問 7
図のように抵抗、コイル、コンデンサからなる負荷がある。

この負荷に線間電圧 \(\dot{V_{ab}}=100∠0^°\) [V]、 \(\dot{V_{bc}}=100∠0^°\) [V]、 \(\dot{V_{ac}}=200∠0^°\) [V]、の単相3線式交流電源を接続したところ、端子a、端子b、端子c を流れる線電流はそれぞれ \(\dot{I_a}\) [A]、\(\dot{I_b}\) [A] 及び \(\dot{I_c}\) [A] であった。

\(\dot{I_a}\) [A]、\(\dot{I_b}\) [A] 、\(\dot{I_c}\) [A] の大きさをそれぞれ \(I_a\) [A] 、 \(I_b\) [A]、 \(I_c\) [A] としたとき、これらの大小関係を表す式として、正しいのはつぎのうちどれか。

<解答例>

インピーダンスを記号法で表すと、インピーダンス = 抵抗 + リアクタンス になります。

誘導性リアクタンスは \(jX_L\) [Ω]、容量性リアクタンスは \(-X_C\) [Ω] で表されます。

各相の電流を求める
\(\dot{I_{ab}}=\cfrac{100}{3+j4}\) 分母を有理化すると

\(\dot{I_{ab}}=\cfrac{100(3-j4)}{(3+j4)(3-j4)}\)\(=\cfrac{100(3-j4)}{3^2+4^2}=12-j16\)

同様にして、
\(\dot{I_{bc}}=\cfrac{100}{4-j3}\)

\(\dot{I_{bc}}=\cfrac{100(4+j3)}{(4-j3)(4+j3)}\)\(=\cfrac{100(4+j3)}{4^2+3^2}=16+j12\)

同様にして、
\(\dot{I_{ac}}=\cfrac{200}{8+j6}\)

\(\dot{I_{ac}}=\cfrac{200(8-j6)}{(8+j6)(8-j6)}\)\(=\cfrac{200(8-j6)}{8^2+6^2}=16-j12\)

各電流の関係
\(\dot{I_a}=\dot{I_{ab}}+\dot{I_{ac}}=(12-j16)+(16-j12)\)

\(\dot{I_a}=28-j28\)

∴\(I_a=\sqrt{28^2+28^2}≒39.6\)

\(\dot{I_b}=\dot{I_{bc}}-\dot{I_{ab}}=(16+j12)-(12-j16)\)

\(\dot{I_b}=4+j28\)

∴\(I_b=\sqrt{4^2+28^2}≒28.3\)

\(\dot{I_c}=-(\dot{I_{bc}}+\dot{I_{ac}})\)\(=-\{(16+j12)+(16-j12)\}=-32\)

∴\(I_c=32\)

したがって、 \(I_a>I_c>I_b\) となります。

正解は(2)になります。

問8(位相差)

電験三種過去問題の平成21年 理論の問8 抵抗とコイルの回路に流れる電流の位相差に関する問題です。

問 8
図のように \(R=\sqrt{3}ωL\) [Ω] の抵抗、インダクタンス \(L\) [H] のコイル、スイッチ S が角周波数 \(ω\) [rad/s] の交流電圧 \(\dot{E}\) の電源に接続されている。

スイッチ S を開いているとき、コイルを流れる電流の大きさを \(I_1\) [A]、電源電圧に対する電流の位相差を \(θ_1\) [°] とする。

また、スイッチ S を閉じているとき、コイルを流れる電流の大きさを \(I_2\) [A]、電源電圧に対する電流の位相差を \(θ_2\) [°] とする。

このとき、\(\cfrac{I_1}{I_2}\) 及び \(|θ_1-θ_2|\) [°] の値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

<解答例>

抵抗 \(R\) とインダクタンス \(L\) のインピーダンスは \(R+jωL\) で表されます。

また、インピーダンスの大きさは \(\sqrt{R^2+(ωL)^2}\) になります。

■ スイッチ S が開いているとき
\(\dot{I_1}=\cfrac{\dot{E}}{R+jωL}\) になります。

問題文で \(R=\sqrt{3}ωL\) [Ω] となっていますので、これを上の式に代入して整理します。

\(\dot{I_1}=\cfrac{\dot{E}}{\sqrt{3}ωL+jωL}\)

\(=\cfrac{(\sqrt{3}ωL-jωL)\dot{E}}{(\sqrt{3}ωL+jωL)(\sqrt{3}ωL-jωL)}\)

\(=\cfrac{ωL(\sqrt{3}-j)\dot{E}}{4(ωL^2)}\)

\(\dot{I_1}=\left(\cfrac{\sqrt{3}}{4ωL}-j\cfrac{1}{4ωL} \right)\dot{E} \cdots(1)\)

電流 \(I_1\) [A] の大きさは、次のようになります。
\(I_1=\cfrac{E}{\sqrt{(\sqrt{3}ωL)^2+(ωL)^2}}=\cfrac{E}{2ωL}\)

\(θ_1=tan^{-1}\left(\cfrac{ωL}{R}\right)=tan^{-1}\left(\cfrac{ωL}{\sqrt{3}ωL}\right)=tan^{-1}\left(\cfrac{1}{\sqrt{3}}\right)=30°\)(遅れ電流)

■ スイッチ S が閉じているとき
負荷はインダクタンスだけの回路になります。

電流の大きさ \(\dot{I_2}\) [A] は、次のようになります。
\(\dot{I_2}=\cfrac{\dot{E}}{jωL} \cdots(2)\)

\(∴I_2=\cfrac{E}{ωL}\)

\(θ_2=tan^{-1}\left(\cfrac{ωL}{0}\right)=tan^{-1}∞=90°\)(遅れ電流)

したがって、電流の比は次のようになります。

\(\cfrac{I_1}{I_2}=\cfrac{\cfrac{E}{2ωL}}{\cfrac{E}{ωL}}=\cfrac{1}{2}\)

\(|θ_1-θ_2|\) は (|30°-90°|=60°\)

答えは (2) になります。

また、別解として

\(|θ_1-θ_2|\) は \(\dot{I_1}-\dot{I_2}\) で表すことができる。

式(1)-式(2)で、共通の \(\dot{E}\) は省略すると、

\(\left(\cfrac{\sqrt{3}}{4ωL}-j\cfrac{1}{4ωL} \right)-\cfrac{\dot{E}}{jωL}=\cfrac{\sqrt{3}}{4ωL}+j\cfrac{3}{4ωL}\)

この関係を、ベクトルで表示すると

したがって、\(θ=60°\) になります。

正解は(2)になります。

問9(瞬時値)

電験三種過去問題の平成21年 理論の問9 交流回路の瞬時値を求める問題です。

問 9
ある回路に \(i=4\sqrt{2}\sin120πt\) [A] の電流が流れている。

この電流の瞬時値が、時刻 \(t=0\) [s] 以降に初めて \(4\) [A] となるのは、時刻 \(t=t_1\) [s] である。
\(t_1\) [s] の値として、正しいのは次のうちどれか。

<解答例>

一般的に、交流電流の瞬時値は \(i=\sqrt{2}I\sinωt\) [A] と表わします。

\(ω=2πf\) なので \(i=\sqrt{2}I\sin2πft\) [A] になります。

問題では \(i=4\sqrt{2}\sin120πt\) [A] ですから \(i=4\sqrt{2}\sin2πft\) [A] と書くことができます。

この二つを比較すると \(120πt=2πft\) なので

\(2πft=120πt\)

\(2f=120\)

\(f\)=60 [Hz]

\(T=\cfrac{1}{f}=\cfrac{1}{60}\) [s]

このことから、1周期が \(\cfrac{1}{60}\) [s] の波形であることがわかります。

1周期の波形

ここで、問9 では \(i\) が初めて \(4\) [A] になる時刻 \(t\) [s] を求めるのですから、

\(i=4\sqrt{2}\sin120πt\) [A] の \(i\) に \(4\) [A] を代入して

\(4=4\sqrt{2}\sin120πt\) [A] になるので、両辺を \(4\sqrt{2}\) で割ると

\(\sin120πt=\cfrac{1}{\sqrt{2}}=\sin\cfrac{π}{4}\)

\(120πt=\cfrac{π}{4}\)

\(t=\cfrac{1}{480}\) [s] となります。

正解は(1)になります。

問10(RL回路)

問 10
図1のようなインダクタンス \(L\) [H] のコイルと \(R\) [Ω] の抵抗からなる直列回路に、図2のような振幅 \(E\) [V]、パルス幅 \(T_0\) [s] の方形波電圧 \(v_i\) [V] を加えた。

このときの抵抗 \(R\) [Ω] の端子間電圧 \(v_R\) [V] の波形を示す図として、正しいのは次のうちどれか。

ただし、図1の回路の時定数 \(\cfrac{L}{R}\) [s] は \(T_0\) [s] より十分小さく \((\cfrac{L}{R}\ll T_0)\)、方形波電圧 \(v_i\) [V] を発生する電源の内部インピーダンスは 0 [Ω] とし、コイルに流れる初期電流は 0 [A] とする。

<解答例>

図1のようなRL直列回路の過渡現象では、回路に流れる電流 \(i\) [A] は、\(t=0~T_0\) の間では

\(i(t)=\cfrac{E}{R}(1-ε^{-\frac{R}{L}t}) (t≧0)\)

\(τ=\cfrac{L}{R}[s]\) を時定数という

時定数は、過渡現象の速さを知る尺度です。

\(t/τ=1\) では、最終値の \(63.2%\) の値になり、

\(t/τ=2\) では、最終値の \(86.5%\) の値になる。

また、定常状態の時は、\(i(t)=\cfrac{E}{R}\) になります。

図3はこの様子を示したものです。

各素子に加わる電圧の変化は、次のようにして求められる
\(v_R(t)=Ri(t)=E(1-ε^{-\frac{R}{L}t})\)

\(v_L(t)=L\cfrac{di(t)}{dt}=Eε^{-\frac{R}{L}t}\)

抵抗の端子間電圧は,次のようになります。
\(v_R(t)=E(1-ε^{-\frac{R}{L}t})\)

\(\cfrac{L}{R}\ll T_0\) なので、時刻 \(t=T_0\) の時点では、

\(v_R=E\)[V] になります。

次に、時刻 \(T_0<t\) となると、電源電圧 \(E=0\) [V] となるので

\(v_L=Eε^{-\frac{R}{L}t}\) [V] になり、減少していきます。

正解は(5)になります。

問11(半導体)

問 11
半導体の記述として、誤っているのは次のうちどれか。

(1) シリコン(Si) やゲルマニウム(Ge) の真性半導体においては、キャリアの電子と正孔の数は同じである。

(2) 真性半導体に微量のⅢ族又はⅤ族の元素を不純物として加えた半導体を不純物半導体といい、電気伝導度が真性半導体に比べて大きくなる。

(3) シリコン(Si) やゲルマニウム(Ge) の真性半導体にⅤ族の元素を不純物として微量だけ加えたものをp型半導体という。

(4) n型半導体の少数キャリアは正孔である。

(5) 半導体の電気伝導度は温度が下がると小さくなる。

<解答例>

(1) 真性半導体とは、添加物を混入していない純粋な半導体のことを指します。真性半導体は、電子と正孔の数は同数なので、この記述は正しい。

(2) この記述は正しい。

(3) Ⅳ族のシリコン(Si) やゲルマニウム(Ge)に、Ⅴ族の元素を加えると、負の電荷を持つ電子がキャリア(電気の運搬人)になるので、n型半導体になるので、この記述は誤りになる。

(4) この記述は正しい。

(5) 通常の物質は、温度が下がると電気伝導度(電気抵抗の逆数:σ、つまり、電気の通りやすさのこと)は大きくなるが、半導体の場合は、逆に小さくなる(電気抵抗が大きくなる)。 この記述は正しい。

正解は(3)になります。

問12(電気力)

問 12
図1のように、真空中において強さが一定で一様な磁界中に、速さ \(v\) [m/s] の電子が磁界の向きに対して θ [°] の角度  (0 [°] <θ [°] < 90[°] )  で突入した。

この場合、電子は進行方向にも磁界の向きにも(ア)方向の電磁力を常に受けて、その軌跡は、(イ)を描く。

 次に、電界中に電子を置くと、電子は電界の向きと(ウ)方向の静電力を受ける。

また、図2のように、強さが一定で一様な磁界中に、速さ \(v\) [m/s] の電子が磁界の向きに対して θ [°] の角度  (0 [°] <θ [°] <90 [°] ) で突入したとき、その軌跡は、(エ)を描く。

 上記の記述中の空白箇所 (ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

<解答例>

図1の場合は、電子が平等磁界中に突入すると進行方向に対して、直角に電磁力を受けるため図3のように、らせん状の軌跡になります。

また、電子が磁界に対して、直角に突入すると電子は等速円運動を行います。

図2の場合は、平等電界中にある角度で突入した電子は、図4にあるように放物線の奇跡を描く。

正解は(5)になります。

問13(半導体)

問 13
図1にソース設置のFET増幅器の静特性に注目した回路を示す。
この回路のFETのドレーン-ソース間電圧 \(V_{DS}\) とドレーン電流 \(I_D\) の特性は、図2に示す。

図1の回路において、ゲート-ソース間電圧 \(V_{GS}=-0.1\) [V] のとき、ドレーン-ソース間電圧 \(V_{DS}\) [V]、ドレーン電流 \(I_D\) [mA] の値として、最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

ただし、直流電源電圧 \(E_2=12\) [V]、負荷抵抗 \(R=1.2\) [kΩ] とする。

<解答例>

問題文から \(V_{GS}=-0.1\) [V] の曲線の場合の動作点は、\(I_D≒6\) [mA] 付近と思われる。

これを前提に \(V_{DS}\) を計算すると、
\(V_{DS}=12-(R×I_D)=12-(1.2×6.0)=4.8\) [V] になります。

答え(1)の \(I_D=5.0\) [mA] 及び答え(5)の \(I_D=8.4\) [mA] の場合、明らかに
\(V_{GS}=-0.1\) [V] の曲線に交わらないので、動作点にはならないことがわかる。

答え(2)の \(I_D=5.8\) の場合、\(V_{DS}= 12-1.2×5.8=5.04\) [V] となり、答えにある 3 [V] とは一致しない。

答え(3)の \(I_D=6.5\) の場合、\(V_{DS}=12-1.2×6.5 = 4.20\) [V] となり、答えにある 4.2 [V] と一致するが、\(V_{GS}=-0.1\) [V] の曲線とは交わらないので、動作点にはならない。

以上のことから、動作点と見なせるのは(4)の
\(V_{DS}=4.8\) [V]

\(I_D=6.0\) [mA] となります。

正解は(4)になります。

問14(電流計)

問 14
可動コイル型直流電流計 \(A_1\) と可動鉄片型交流電流計 \(A_2\) の2台の電流計がある。

それぞれの電流計の性質を比較するために次のような実験を行った。

図1のように \(A_1\) と \(A_2\) を抵抗 100 [Ω] と電圧 10 [V] の直流電源の回路に接続したとき \(A_1\) の指示は 100 [mA]、\(A_2\) の指示は(ア)[mA] であった。

また、図2のように、周波数 50 [Hz]、電圧 100 [V] の交流電源と抵抗 500 [Ω] に \(A_1\) と \(A_2\) を接続したとき \(A_1\) の指示は イ [mA]、\(A_2\) の指示は 200 [mA] であった。

ただし、 \(A_1\) と \(A_2\) の内部抵抗はどちらも無視できるものであった。

上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる最も近い値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

<解答例>

■ 各電流計の特徴
可動コイル形…直流専用で指示値は平均値を示す。

可動鉄片形…交直両用で指示値は実効値を示す。

図1の場合、直流なので \(A_1,A_2\) ともに、同じ値を示すので \(A_2\) の値は 100 [mA] になる。

図2の場合、交流なので可動コイル型の \(A_1\) は指針が振れないので 0 [mA] となる。

正解は(3)になります。

問15(電気計測)

問 15
電気計測に関する記述について、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a)ある量の測定に用いる方法には各種あるが、指示計器のように測定量を指針の振れの大きさに変えて、その指示から測定量をしる方法を(ア)法という。

これに比較して精密な測定を行なう場合に用いられている(イ)法は、測定料と同種類で大きさを調整できる既知量を別に用意し、既知量を測定量に平衡させて、そのときの既知量の大きさから測定量を知る方法である。

(イ)法を用いた測定器の例としては、ブリッジや(ウ)がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(b) 図は、ケルビンダブルブリッジの原理図である。
図において \(R_X\) [Ω] が未知の抵抗 \(R_S\) [Ω] は可変抵抗 \(P\) [Ω]、\(Q\) [Ω]、\(p\) [Ω]、 \(q\) [Ω] は固定抵抗である。

このブリッジは、抵抗 \(R_x\) [Ω] のリード線の抵抗が、固定抵抗 \(r\) [Ω] 及び直流電源側の接続線に含まれる回路構成となっており、低い抵抗の測定に適している。

図の回路において、固定抵抗 \(P\) [Ω]、 \(Q\) [Ω]、 \(p\) [Ω]、 \(q\) [Ω] の抵抗値が (ア)= 0 の条件を満たしていて、可変抵抗 \(P\) [Ω]、固定抵抗 \(r\) [Ω] においてブリッジが平衡している。この場合は、次式から抵抗 \(R_X\) [Ω] が求まる。
\(R_X = ( (イ) )R_S\)

この式が求まることを次の手順で証明してみよう。

[証明]
回路に流れる電流を図に示すように \(I\) [A]、 \(i_1\) [A]、 \(i_2\) [A] とし、閉回路 Ⅰ及び Ⅱにキルヒホッフの第2法則を適用すると 式①、② が得られる。

\(Pi_1=R_XI+pi_2\cdots ①\)

\(Qi_1=R_SI+qi_2 \cdots ②\)
式①、② から

\(\cfrac{P}{Q}=\cfrac{R_XI+pi_2}
{R_SI+qi_2}=\cfrac{R_X+p\cfrac{i_2}{I}}{R_S+q\cfrac{i_2}{I}} \cdots ③\)

また、\(I\) は \((p+q)\) と \(r\) の回路に分流するので、\((p+q)i_2=r(I-i_2)\) の関係から式④ が得られる。

\(\cfrac{i_2}{I}=\)(ウ)\(\cdots ④\)

ここで、\(K\) =(ウ) とし、式③を整理すると式⑤が得られ、抵抗 \(R_X\) [Ω] が求まる。

\(R_X\) = ( (イ) )\(R_S\) + ( (ア) )\(qK \cdots ⑤\)  

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる式として、正しいものを組み合わせたには次のうちどれか。

<解答例>

(a)の問
電気計測の測定法に、偏位法と零位法があります。

偏位法とは、計器の指針の振れから測定対象の値を読み取る方法です。指示計器の多くはこの方法を使用しています。

零位法とは、測定量と既知量を平衡させて、計器の振れが0(ゼロ)になるように調節して、調整した値から測定量を読み取る方法です。

ブリッジや直流電位差計などはこの方法を使用しています。

以上のことから、問(a)の (ア)は「偏位法」、 (イ)は「零位法」、 (ウ)は「直流電位差計」 となります。

(b)の問
(ウ)の説明
分流の公式から
\(i_2=I×\cfrac{r}{p+q+r}\)

\(∴\cfrac{i_2}{I}=\cfrac{r}{p+q+r}\)

\(\cfrac{i_2}{I}=K\) として、式③ を整理すると

\(\cfrac{P}{Q}=\cfrac{R_X+pK}{R_S+qK}\)

\(Q(R_X+pK)=P(R_S+qK)\)

\(QR_X=PR_S+qPK-pQK\)

\(R_X=\cfrac{P}{Q}R_S+\left(\cfrac{P}{Q}-\cfrac{p}{q}\right)qK\)

以上のことから、問(b)は次のようになります。

(ア)=\(\left(\cfrac{P}{Q}-\cfrac{p}{q}\right)\)、

(イ)=\(\cfrac{p}{q}\)

(ウ)=\(\cfrac{r}{p+q+r}\) となります。

正解は問aが(1)、問bが(1)

正解は(a)-(1)、(b)-(1)になります。

問16(三相交流)

問 16
平衡三相回路について、次の (a) 及び (b) に答えよ。

問 (a)
図1のように、抵抗 \(R\) [Ω] が接続された平衡三相負荷に線間電圧 \(E\) [V] の対称三相交流電源を接続した。

この時、図1に示す電流 \(\dot{I_1}\) [A] の大きさの値を示す式として、正しいのは次のうちどれか。

問 (b)
次に、図1を図2のように、抵抗 \(R\) [Ω] をインピーダンス \(\dot{Z}=12+j9\) [Ω] の負荷に置き換え、線間電圧 \(E=200\) [V]とした。

このとき、図2に示す電流 \(\dot{I_2}\) [A] の大きさの値として、最も近いのは次のうちどれか。

<解答例>

問 (a)
中央に接続されている、Δ(デルタ)結線をY結線に変換する。

Δ-Y変換の式は、電気の公式集から
\(\dot{Z_Y}=\cfrac{1}{3}\dot{Z_Δ}\) [Ω] になります。

一相分の回路を考えると
相電圧は \(\cfrac{E}{\sqrt{3}}\) [V]

一相分の合成抵抗は \(R+\cfrac{R}{3}=\cfrac{4}{3}R\) [Ω] ですから

流れる電流 \(I_1=\cfrac{\cfrac{E}{\sqrt{3}}}{R+\cfrac{R}{3}}=\cfrac{\sqrt{3}E}{4R}\) [A] になります。

答え 問(a)は (3) となります。

問(b)
中央に接続されている、Δ(デルタ)結線をY結線に変換する。

問 (a) と同様に考えることができます。

図のように \(\dot{I_{2Y}}=\cfrac{\cfrac{200}{\sqrt{3}}}{(12+j9)+(4+j3)}=\cfrac{200}{\sqrt{3}(16+j12)}\) となります。

ベクトル \(\dot{I}_{2Y}\) の大きさ \(I_{2Y}\) は

\(I_{2Y}=\cfrac{200}{\sqrt{3}×\sqrt{16^2+12^2}}=\cfrac{10}{\sqrt{3}}\)

この電流 \(I_{2Y}\) は線電流になります。

中央のデルタ回路に流れる電流 \(I_2\) は、相電流なので次のように線電流 \(I_{2Y}\) の \(\cfrac{1}{\sqrt{3}}\) になります。

\(I_2=\cfrac{I_{2Y}}{\sqrt{3}}=\cfrac{10}{\sqrt{3}×\sqrt{3}}≒3.3\) [A] になります。

答え 問(b)は (2) となります。

正解は(a)-(3)、(b)-(2)になります。

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