最外殻電子と価電子
電子殻に格納可能な電子数の決まり
電子殻は、内側から順にK殻、L殻、M殻、N殻、O殻、P殻となっています。
(電子殻が平面上に描かれていますが、実際は立体的な構造です。)
電子殻が「K殻」から始まっているのは、K殻より小さい電子殻があると考えて10個分の余裕を設けたためということです。
しかし、K殻より小さい電子殻は発見されていません。
また、各電子殻上で32個より多くの電子を持つ原子は、発見されていないということです。
殻 | 主量子数 \(n\) | 電子数 \(2n^2\) |
---|---|---|
K殻 | 1 | \(2×1^2=2\) |
L殻 | 2 | \(2×2^2=8\) |
M殻 | 3 | \(2×3^2=18\) |
N殻 | 4 | \(2×4^2=32\) |
O殻 | 5 | \(2×5^2=50\) |
P殻 | 6 | \(2×6^2=72\) |

最外殻電子とは
一番外側にある電子殻を、回っている電子のことを最外殻電子といいます。
最外殻電子は原子核から一番遠いので、結びつきが弱く安定度が低いため、他の原子との反応性が高いといえます。

価電子とは何か
価電子とは、一番外側の電子殻にある電子のことで、他の原子との「反応に使われる電子」のことです。
「L殻」には8個の許容電子数を持ちますが、図のように4個しか電子がない時は不安定な状態です。
このような状態の時は、他の原子との反応性が高いといえます。
このような電子を価電子といいます。

しかし、次の図のように「L殻」の8個の許容電子数に、電子がすべて存在する状態は安定した状態です。
この場合は、一番外側の電子でも「価電子」とはいいません。

次のように、M殻の 価電子=0と考えます。

以上で「最外殻電子と価電子」の説明を終わります。