電験三種 H30年 理論 問4 問題と解説

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問4

図のように、原点Oを中心とし x 軸を中心軸とする半径 a [m] の円形導体ループに直線電流 \(I\) [A]  を図の向きに流したとき、x 軸上の点、つまり、(x、y、z)=(x、0、0) に生じる磁界の x 方向成分 H(x)[A/m] を表すグラフとして、最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この問題は、答えの数値を求めるものではないので考え方を示します。答えを出すための参考にしてください。

問題を次の図のようにして考えてみます。


円形電流の原点 O の磁界が、一番強いのは感覚的にもわかりますね。

その大きさは、\(\cfrac{I}{2a}\) になります。

円形電流の原点 O から r [m] の電界の強さは、図の \(H_D\) になる。

問題では、\(H_D\) の x 軸上の電界を考えることになりますが、ここでは \(H_D\) の大きさを考えます。

電流から D [m] はなれた位置の電界は

\(H_D=\cfrac{I}{2πD}\) で求められるので

\(H_D=\cfrac{I}{2π\sqrt{a^2+r^2}}\) で表されます。

この式から、\(H_D\) の大きさは、原点Oからの r の距離に反比例することがわかる。

以上のことから、原点Oの磁界が一番大きいので、答えはグラフの(4)か(5)になります。

また、x 軸の原点 O から正方向の場合は、磁界の強さが反対になることはないので、(4)が正解になる。

正解は(4)になります。


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