電験三種 H26年 理論問題

目次

問1(コンデンサ)

問1
極板A-B間が比誘電率 \(ε_r\)=2 の誘電体で満たされた平行平板コンデンサがある。
極板間の距離はd [m] 、極板間の直流電圧は \(V_o\) [V] である。

極板と同じ形状と大きさをもち、厚さが \(\cfrac{d}{4}\) [m] の帯電していない導体を図に示す位置P-Q間に極板と平行に挿入したとき、導体の電位の値 [V] として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。

<解答例>

問題文にあるコンデンサは、途中に導体が挿入されているので、2つのコンデンサが直列になっていることになります。

コンデンサの静電容量 \(C\) [F] の式は、次のようになります。

\(C=ε\cfrac{S}{d}\)

ε:誘電率[F/m]
S:電極の面積[m2]
d:電極間の距離[m]

ここで、電極の面積を \(S\) [m2]、\(ε=ε_0ε_r\) として、\(C_1\) と \(C_2\) を求めると

\(ε_0\):真空の誘電率[F/m]

\(C_1=ε_0ε_r\cfrac{S}{\cfrac{d}{2}}=2ε_0\cfrac{2S}{d}=\cfrac{4ε_0S}{d}\)

\(C_2=ε_0ε_r\cfrac{S}{\cfrac{d}{4}}=2ε_0\cfrac{4S}{d}=\cfrac{8ε_0S}{d}\)

直列接続のコンデンサに蓄えられる電荷は等しい。

コンデンサの合成静電容量を C とすると、和分の積から

\(C=\cfrac{C_1C_2}{C_1+C_2}\) [F]

電荷と静電容量の関係式 \(Q=CV\) に代入すると

\(Q=\cfrac{C_1C_2}{C_1+C_2}V_0\)

また、
\(V_2=\cfrac{Q}{C_2}\) となります。

問題に当てはめて数値を代入する。

\(V_2=\cfrac{C_1C_2}{C_2(C_1+C_2)}V_0=\cfrac{C_1}{C_1+C_2}V_0\) [V]

\(V_2=\cfrac{\cfrac{4ε_0SV_0}{d}}{\cfrac{4ε_0S}{d}+\cfrac{8ε_0S}{d}}=\cfrac{4V_0}{12}=\cfrac{V_0}{3}\)

正解は(4)になります。

問2(静電誘導)

問 2
次の文章は、静電気に関する記述である。

図のように真空中において、負に帯電した帯電体Aを、帯電していない絶縁された導体Bに近づけると、導体Bの帯電体Aに近い側の表面 c付近に(ア)の電荷が現れ、それと反対側の表面 d付近に(イ)の電荷が現れる。

この現象を(ウ)という。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この問題は、静電誘導を理解していれば解答できる問題です。

静電誘導とは、図のように帯電体A(マイナスの電荷)を導体Bに近づけたとき、帯電体Aに近いC付近にプラスの電荷、反対側のd付近にマイナスの電荷が誘導される現象です。

静電誘導により、(ア)は正の電荷、(イ)は負の電荷が現れます。

(ウ)を静電誘導といいます。

正解は(5)になります。

問3(磁気回路)

問 3
環状鉄心に絶縁電線を巻いて作った磁気回路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)磁気抵抗は、磁束の通りにくさを表している。毎へンリー [\(H^{-1}\)] は、磁気抵抗の単位である。
(2)電気抵抗が導体断面積に反比例するように、磁気抵抗は、鉄心断面積に反比例する。
(3)鉄心の透磁率が大きいほど、磁気抵抗は小さくなる。
(4)起磁力が同じ場合、鉄心の磁気抵抗が大きいほど、鉄心を通る磁束は小さくなる。
(5)磁気回路における起磁力と磁気抵抗は、電気回路におけるオームの法則の電流と電気抵抗にそれぞれ対応する。

<解答例>

問題文の (1)、(2)、(3)、(4)の記述は、正しいものです。

磁気回路と電気回路を対比すると

  1. 磁気抵抗に対し、電気抵抗
  2. 磁束に対し、電流
  3. 起磁力に対し、起電力になります。

(5)の記述において、「磁気回路における起磁力と磁気抵抗は、電気回路におけるオームの法則の電流と電気抵抗にそれぞれ対応する」とありますが、電流ではなく「起電力」が正しい。

(5)の記述が誤りとなります。

正解は(5)になります。

問4(電流と磁界)

問 4
図のように、十分に長い直線状導体A、Bがあり、AとBはそれぞれ直角座標系のx軸とy軸に沿って置かれている。
Aには+x方向の電流 \(I_x\) [A] が、Bには+y方向の電流 \(I_y\) [A] が、それぞれ流れている。\(I_x >0、I_y >0\) とする。

このとき、xy平面上で \(I_x\) と \(I_y\) のつくる磁界が零となる点(x [m] 、y [m])の満たす条件として、
正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、x≠0、y≠0とする。

<解答例>

無限長の直線状電線が導体から \(r\) [m] の位置に作る磁界の強さ \(H\) [A/m]は、次の式で表されます。
\(H=\cfrac{I}{2\pi r}\) [A/m]

x軸方向と平行な直線状導体Aに流れる電流 \(I_x\) [A] が作る磁界を\(H_x\) [A/m] とすると
\(H_x=\cfrac{I_x}{2\pi y}\) [A/m] 

y軸方向と平行な直線状導体Bに流れる電流 \(I_y\) [A]が作る磁界を\(H_y\) [A/m]とすると

\(H_y=\cfrac{I_y}{2\pi x}\) [A/m] 

問題文から、\(H_x=H_y\) のときに互いに打ち消し合って零(ゼロ)になります。

\(\cfrac{I_x}{2\pi y}=\cfrac{I_y}{2\pi x}\)

\(y=\cfrac{I_x}{I_y}x\)

正解は(1)になります。

問5(コンデンサ)

問 5
図のように、コンデンサ3個を充電する回路がある。
スイッチ \(S_1\) 及び \(S_2\) を同時に閉じてから十分に時間が経過し、定常状態となったとき、
a点からみたb点の電圧の値 [V] として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、各コンデンサの初期電荷は零とする。

<解答例>

回路のスイッチ及びを閉じて、十分な時間が経過して定常状態になったときを考えます。図1

重ね合わせの理で求める

10Vの電源を残した回路は、次のようになります。

20Vの電源を残した回路は、次のようになります。

合成静電容量 \(C_{12}\)、\(C_{23}\) はコンデンサの並列接続ですから
\(C_{12}=C_1+C_2=10+20=30\hspace{8px}\rm [μF]\)
\(C_{23}=C_2+C_3=20+10=30\hspace{8px}\rm [μF]\)

図2の \(V_1\) はコンデンサの分圧式より
\(V_1=\cfrac{C_3}{C_{12}+C_3}×10\)\(=\cfrac{10}{30+10}×10=2.5\hspace{8px}\rm [V]\)

図3の \(V_2\) はコンデンサの分圧式より
\(V_2=\cfrac{C_1}{C_{23}+C_1}×20\)\(=\cfrac{10}{30+10}×20=5.0\hspace{8px}\rm [V]\)

求める \(V_{ab}\) は重ね合わせの理より
\(V_{ab}=V_2-V_1=5.0-2.5=2.5\hspace{8px}\rm [V]\)

正解は(3)になります。

問6(合成抵抗)

問 6
図のように、抵抗を直並列に接続した直流回路がある。この回路を流れる電流 I の値は、I=10 mA であった。
このとき、抵抗 \(R_2\) [kΩ] として、最も近い \(R_2\) の値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし抵抗 \(R_1\) [kΩ] に流れる電流 \(I_1\) [mA] と抵抗 \(R_2\) [kΩ] に流れる電流 \(I_2\) [mA] の電流比 \(\cfrac{I_1}{ I_2}\) の値は \(\cfrac{1}{2}\) とする。

<解答例>

問題文から、電源電圧と回路に流れる電流がわかっているので、回路全体の合成抵抗 \(R_0\) は次のように求められます。

\(R_0=\cfrac{E}{I}=\cfrac{10}{10×10^{-3}}=1000\) [Ω]

この回路は、\(R+R_0+R=1000\) [Ω] ですから

\(R_1\) と \(R_2\) の合成抵抗 \(R_{12}\) は

\(R_{12}=1000-200=800\) [Ω] になります。

\(R_1\) と \(R_2\) にかかる電圧 \(V\) は、同じ大きさになります。

電流比から \(\cfrac{I_1}{I_2}=\cfrac{\cfrac{V}{R_1}}{\cfrac{V}{R_2}}=\cfrac{R_2}{R_1}=\cfrac{1}{2}\)

したがって、\(R_1=2R_2\) であることが分かります。

\(R_1\) と \(R_2\) の合成抵抗 \(R_{12}\) は、「和分の積」の公式から

\(R_{12}=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}=800\)

上の式に、\(R_1=2R_2\) を代入すると

\(R_{12}=\cfrac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)\(=\cfrac{2R_2×R_2}{2R_2+R_2}=\cfrac{2}{3}R_2=800\)

\(R_2=1200\) [Ω] なので \(1.2\) [kΩ] になります。

正解は(3)になります。

問7(消費電力)

問 7
図に示す直流回路において、抵抗 \(R_1=5\) Ω で消費される電力は抵抗 \(R_3=15\) Ω で消費される電力の何倍となるか。

その倍率として、最も近い値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

図において、 \(R_1\) を流れる電流を \(I\) とすると、 \(R_3\) を流れる電流 \(I_3\) は「分流の法則」から次のようになります。

\(I_3=\cfrac{R_2}{R_2+R_3}×I=\cfrac{10I}{10+15}=\cfrac{2}{5}I\)

電力 \(P\) [W]は、\(P=I^2R\) で表すことができます。

\(R_1\) で消費される電力 \(P_1\)

\(R_3\) で消費される電力 \(P_3\) とすると

\(\cfrac{P_1}{P_3}=\cfrac{5I^2}{15×\left(\cfrac{2}{5}I\right)^2}\)

\(=\cfrac{25}{12}\)

\(≒2.08\)

正解は(5)になります。

問8(共振回路)

問 8
図の交流回路において、電源を流れる電流 \(I\) [A] の大きさが最小となるように静電容量 \(C\) [F] の値を調整した。

このときの回路の力率の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この回路は \(L\) と \(C\) の並列接続ですから、共振状態になると回路の電流が最小になります。
並列回路のインピーダンスの計算は、アドミタンスを使うと簡単になる場合があります。

アドミタンスはインピーダンスの逆数で表されます。

アドミタンスを \(Y\)、インピーダンスを \(Z\) とすると
\(Y=\cfrac{1}{Z}=\cfrac{1}{\cfrac{1}{jωC}}+\cfrac{1}{R+jωL}=jωC+\cfrac{1}{R+jωL}\)

分母を有理化すると

\(Y=jωC+\cfrac{R-jωL}{(R+jωL)(R-jωL)}\)

\(=jωC+\cfrac{R-jωL}{R^2+(ωL)^2}\)

\(=\cfrac{R}{R^2+(ωL)^2}+jω\left\{C-\cfrac{L}{R^2+(ωL)^2}\right\}\)

回路に流れる電流は、次のように表されます。

\(\dot{I}=\dot{Y}×V\) [A]

このことから、電流が最小になるには、アドミタンス \(Y\) が最小になるときです。

アドミタンスの虚数部がゼロになると、実数部だけになるのでアドミタンスは最小になります。

アドミタンスが実数部だけになると、図のように電圧と電流が同相になるので、力率は 1(100%)になります。

正解は(5)になります。

問9(共振回路)

問 9
図のように、二つのLC直列共振回路A、Bがあり、それぞれの共振周波数が \(f_A\) [Hz] 、\(f_B\) [Hz] である。

これらA、Bをさらに直列に接続した場合、全体としての共振周波数が \(f_{AB}\) [Hz] になった。
\(f_A、f_B、f_{AB}\) の大小関係として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

この問題は、共振周波数の大きさを比較する問題です。

共振周波数 \(f_0\) は次の式で求められます。

\(f_0=\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\) [Hz]

1. 回路Aの共振周波数 \(f_A\) は

\(f_A=\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\) [Hz]

2. 回路Bの共振周波数 \(f_B\) は

\(f_B=\cfrac{1}{2π\sqrt{2LC}}=\cfrac{1}{\sqrt2}×\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\) [Hz]

\(f_A\) を基準にして表すと

\(f_B=\cfrac{1}{\sqrt2}×f_A≒0.707f_A\)

3. 回路Aと回路Bの直列接続の共振周波数 \(f_{AB}\) は、

インダクタンスは直列接続なので、3L [H]

静電容量は直列接続なので、「和分の積」から \(\cfrac{1}{2}\)C [F] になります。

\(f_{AB}=\cfrac{1}{2π\sqrt{3L×\cfrac{1}{2}C}}\)

\(=\cfrac{1}{2π\sqrt{\cfrac{3}{2}×LC}}\)

\(=\cfrac{1}{\sqrt{\cfrac{3}{2}}×2π\sqrt{LC}}\)

\(=\sqrt{\cfrac{2}{3}}×\cfrac{1}{2π\sqrt{LC}}\) [Hz]

\(f_A\) を基準にして表すと

\(f_{AB}=\sqrt{\cfrac{2}{3}}×f_A≒0.816f_A\)

以上から、\(f_B< f_{AB}< f_A\) になります。 正解は(5)になります。

問10(交流電力)

問 10
交流回路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、抵抗\(R\) [Ω] 、インダクタンス\(L\) [H] 、静電容量\(C\) [F] とする。

(1) 正弦波交流起電力の最大値を \(E_m\) [V] 、平均値を \(E_a\) [V] とすると、平均値と最大値の関係は、理論的に次のように表される。

\(E_a=\cfrac{2E_m}{\pi}\fallingdotseq 0.637E_m\) [V]

(2) ある交流起電力の時刻 t [s] における瞬時値が、\(e=100\sin100πt\) [V] であるとすると、この起電力の周期は \(20\)msである。

(3) RLC直列回路に角周波数\(ω\) [rad/s] の交流電圧を加えたとき、\(ωL>\cfrac{1}{ωC}\) の場合、回路を流れる電流の位相は、回路に加えた電圧より遅れ、\(ωL<\cfrac{1}{ωC}\) の場合、回路を流れる電流の位相は回路に加えた電圧より進む。

(4) RLC直列回路に角周波数 \(ω\) [rad/s] の交流電圧を加えたとき、\(ωL=\cfrac{1}{ωC}\) の場合、回路のインピーダンス \(Z\) [Ω] は、\(Z=R\) [Ω] となり、回路に加えた電圧と電流は同相になる。この状態を回路が共振状態であるという。

(5) RLC直列回路のインピーダンス \(Z\) [Ω] 、電力\(P\) [W] 及び皮相電力 \(S\) [V・A] を使って回路の力率 \(\cosθ\)を表すと、\(\cosθ=\cfrac{R}{Z},\cosθ=\cfrac{S}{P}\) の関係がある。

<解答例>

問題の選択肢について、それぞれ検証していきます。

(1) 交流起電力の平均値は、最大値の \(\cfrac{2}{\pi}\) 倍になります。

平均値\(=\cfrac{2}{\pi}\) × 最大値\(\fallingdotseq0.637×\)最大値 の式は暗記しておくと直ぐに解答することができます。

よって、(1)の記述は正しい。

(2) 交流起電力を瞬時値で表すと次のようになります。

\(e=E_m\sin\omega t=E_m\sin 2\pi ft\)

周波数 \(f\) と周期 T の間には次のような関係があります。

\(f=\cfrac{1}{T}\)

\(e=E_m\sin 2\pi\cfrac{1}{T} t=E_m\sin \cfrac{2}{T}\pi t\)

問題文から

\(e=E_m\sin 100\pi t\) ですから

\(100=\cfrac{2}{T}\)

\(T=\cfrac{2}{100}=0.02\) [s]\(=20\) [ms]

よって、(2)の記述は正しい。

(3) の記述はこの通りで正しい。

(4) の記述はこの通りで正しい。

(5) 力率をインピーダンスで見てみると、次のようになります。

力率=\(\cfrac{R}{Z}\)

また、力率は有効電力を皮相電力で割ったものになります。

力率=\(\cfrac{有効電力}{皮相電力}=\cfrac{P}{S}\)

問題文を見ると、\(\cos θ=\cfrac{S}{P}\) とあるので、この記述は誤りです。

正解は(5)になります。

問11(コンデンサ)

問11
図のように、直流電圧\(E\) [V ]の電源が2個、\(R\) [Ω] の抵抗が2個、静電容量\(C\) [F] のコンデンサ、スイッチ\(S_1\) と\(S_2\) からなる回路がある。

スイッチ\(S_1\) と \(S_2\) の初期状態は、ともに開いているものとする。

電源の内部インピーダンスは零とする。

時刻\(t=t_1[s]\) でスイッチ\(S_1\) を閉じ、その後、時定数\(CR\) [s] に比べて十分に時間が経過した時刻\(t=t_2\) [s] でスイッチ\(S_1\) を開き、スイッチ\(S_2\) を閉じる。

このとき、コンデンサの端子電圧\(v\) [V] の波形を示す図として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、コンデンサの初期電荷は零とする。

<解答例>

時間ごとの回路の状態を説明します。

1.\(t\geqq t_1\)の時
(a)図において、\(S_1\) を閉じます。(b)図は電流 \(i\) の様子を示します。

\(t=t_1\)の時は、コンデンサは短絡状態になり電流 \(i\) が流れます。

また、スイッチ \(S_1\)を閉じて十分に時間が経過すると、コンデンサは充電された状態になり、電流 \(i\) が流れなくなります。つまり、開放状態になります。
従って、電流 \(i\) は(b)図のようになります。

コンデンサの端子電圧 \(v\)は\(v=E-v_R\) なので、(c)図のような波形になります。

2.\(t\geqq t_2\)の時
(d)図において、\(S_2\)を閉じると、次のようになります。

\(i'=\cfrac{v+E}{R}\)から
\(v=i'R-E\)になります。

\(i'=\cfrac{E}{R}\)になった時、\(v=0\)となり、以後は逆方向に充電される。
\(v=-E\)になった時、充電が完了する。

コンデンサの端子電圧 \(v\)は、(e)図のような波形になります。

正解は(4)になります。

問12(ダイオード)

問12
半導体のpn接合を利用した素子に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)ダイオードにp形が負、n形が正となる電圧を加えたとき、p形、n形それぞれの領域の少数キャリアに対しては、順電圧と考えらるので、この少数キャリアが移動することによって、極めてわずかな電流が流れる。

(2)pn接合をもつ半導体を用いた太陽電池では、そのpn接合部に光を照射すると、電子と正孔が発生し、それらがpn接合部で分けられ電子がn形、正孔がp形のそれぞれの電極に集まる。その結果、起電力が生じる。

(3)発光ダイオードのpn接合領域に順電圧を加えると、pn接合領域でキャリアの再結合が起こる。再結合によって、そのエネルギーに相当する波長の光が接合部付近から放出される。

(4)定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)はダイオードに見られる順電圧・電流特性の急激な降伏現象を利用したものである。

(5)空乏層の静電容量が、逆電圧によって変化する性質を利用したダイオードを可変容量ダイオード又はバラクタダイオードという。逆電圧の大きさを小さくしていくと、静電容量は大きくなる。

<解答例>

(1)(2)(3)(5)の記述は正しい。

(4)の定電圧ダイオードについて、説明します。
図は定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)の特性を表しています。

定電圧ダイオードは、順方向電圧を掛けた場合は、通常のダイオードと同じ特性を持ちます。
逆方向電圧をかけた場合は、ある一定の電圧を超えると、急激に電流が流れるという特性を持っています。

このときの電圧を降伏電圧(ツェナー電圧)といいます。

この領域では電流の大きさにかかわらず、両端の電圧をほぼ一定に保つことができます。
定電圧ダイオードは、この特性を利用したものです。

従って、問題文の「順電圧・電流特性」が誤りです。

正解は(4)になります。

問13(演算増幅器)

問13
図のような、演算増幅器を用いた能動回路がある。

直流入力電圧\(V_{in}[V]\)が\(3V\)のとき、出力電圧\(V_{out}[V]\)として、最も近い\(V_{out}\)の値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、演算増幅器は、理想的なものとする。

<解答例>

理想的な演算増幅器では、問題図のab間が「仮想短絡状態」にありますので、
\(V_a=V_b=5V\)になって

次のような図になります。

電流の向きを図のようにすると、それぞれの電流は次のようになります。

\(I_1=\cfrac{V_b-V_{in}}{R_1}\)

\(I_2=\cfrac{V_{out}-V_b}{R_2}\)

\(I_1=I_2\)より

\(\cfrac{V_b-V_{in}}{R_1}=\cfrac{V_{out}-V_b}{R_2}\)

\(V_{out}-V_b=\cfrac{R_2}{R_1}(V_b-V_{in})\)

出力電圧\(V_{out}\)は、次の式になります。

\(V_{out}=\left(1+\cfrac{R_2}{R_1}\right)V_b-\cfrac{R_2}{R_1}V_{in}\)

式に値を代入します。

\(V_{out}=\left(1+\cfrac{10}{20}\right)×5-\cfrac{10}{20}×3\)

\(V_{out}=6[V]\)になります。

正解は(4)になります。

問14(三相交流回路)

問14
図のように200Vの対称三相交流電源に抵抗RΩ からなる平衡三相負荷を接続したところ、線電流は1.73Aであった。

いま、電力計の電流コイルをc相に接続し、電圧コイルをc-a間に接続した時、電力計の指示P [W] として、最も近い P の値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、対称三相交流電源の相回転はa,b,cの順とし、電力計の電力損失は無視できるものとする。

<解答例>

電力計はc相に接続されていますので、c相の線電流 \(I_{ca}\) とc-a間の線間電圧 \(V_{ca}\) の位相差が分かれば、問題を解くことができます。

問題図を次のようにして考えます。

a,b,c各相の線間電圧を \(\dot{V_{ab}}、\dot{V_{bc}}、\dot{V_{ca}}\) 相電流を \(\dot{I_a}、\dot{I_b}、\dot{I_c}\) 線電流を \(\dot{I_{ab}}、\dot{I_{bc}}、\dot{I_{ca}}\) として、ベクトル図を書きます。

負荷が抵抗だけなので、相電流 \(\dot{I_c}\) と線間電圧 \(\dot{V_{ca}}\) は同相になります。

線電流 \(\dot{I_{ca}}\) は、\(\dot{I_{ca}}=\dot{I_c}-\dot{I_a}\) になります。

図から分かるように、線間電圧 \(\dot{V_{ca}}\) と線電流 \(\dot{I_{ca}}\) の位相差は、\(\cfrac{π}{6}\) となることが分かります。

電力計 \(P\) の指示は、次の式で求められます。

\(P=V_{ca}I_{ca}\cosθ\)

値を代入すると

\(P=200×1.73×\cos\cfrac{π}{6}\)

\(P=200×1.73×\cos\cfrac{\sqrt3}{2}≒299.6\)となります。

正解は(2)になります。

問15(無効電力)

問15
図のように、正弦波交流電圧 \(E\) [V] の電源が誘導性リアクタンス \(X\) [Ω] のコイルと抵抗との並列回路に電力を供給している。

この回路において、電流計の指示値は 12.5A、電圧計の指示値は 300V、電力計の指示値は 2250W であった。

ただし、電圧計、電流計、電力計の損失はいずれも無視できるものとする。
次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

(a) この回路における無効電力 Q [var] として、最も近い Q の値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 1800  (2) 2250  (3) 2750  (4) 3000  (5) 3750

(b) 誘導性リアクタンスとして、最も近いの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 (1) 16   (2) 24   (3) 30   (4) 40   (5) 48

<解答例>

問題文の数値を代入した図を次に示します。

皮相電力 S=EI、有効電力 P、無効電力 Q の関係を図にすると、次のようになります。

●力率を求める
力率cosθ=有効電力÷皮相電力で、求められます。

\(\cosθ=\cfrac{2250}{300×12.5}=\cfrac{2250}{3750}=0.6\)

●sinθを求める
三平方の定理から、\(\sin^2θ+\cos^2θ=1\)

\(\sinθ=0.8\)になります。

(a) 無効電力を求める
無効電力 Q=皮相電力 S ×sinθ

皮相電力 S は
\(S=EI=300×12.5=3750[VA]\)

\(Q=3750×0.8=3000 [\rm var]\) が求められます。

(b) 誘導性リアクタンス\(X\)を求める
誘導性リアクタンスが消費する電力が、無効電力になります。

誘導性リアクタンスに流れる電流\(I_X\)とすると
\(I_X=\cfrac{E}{X}\)

無効電力\(Q={I_X}^2×X=\left(\cfrac{E}{X}\right)^2×X=\cfrac{E^2}{X}\)

上の式を変形すると
\(X=\cfrac{E^2}{Q}=\cfrac{300^2}{3000}=30[Ω]\)

正解は (a)-(4)、(b)-(3)になります。

問16(三相交流回路)

問16
図1のように、線間電圧 200V、周波数 50Hz の対称三相交流電源に 1Ω の抵抗と誘導性リアクタンス\(\cfrac{4}{3}\) Ω のコイルとの並列回路からなる平衡三相負荷(Y結線)が接続されている。
また、スイッチ S を介して、コンデンサ C(Δ結線)を接続できるものとする。

次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) スイッチ S が開いた状態において、三相負荷の有効電力 P の値 [kW] と無効電力 Q の値 [kvar] の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(b) 図2 のように三相負荷のコイルの誘導性リアクタンスを \(\cfrac{2}{3}\) Ω に置き換え、スイッチ S を閉じてコンデンサ C を接続する。
コンデンサ C の静電容量の値 [μF] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 800  (2) 1200  (3) 2400  (4) 4800  (5) 7200

<解答例>

(a) 電源側も負荷側も平衡しているので、一相分の電力を3倍すれば三相電力を求めることができます。

一相分の等価回路を図aとすると
有効電力\(P_1={I_R}^2R\)

無効電力\(Q_1={I_X}^2X\)となります。

三相負荷の有効電力\(P\)は
\(P=3P_1=3{I_R}^2R=3\left(\cfrac{E}{R}\right)^2×R=\cfrac{3E^2}{R}\)

\(P=\cfrac{3(200/\sqrt3)^2}{1}=40\)[kW]

三相負荷の無効電力\(Q\)は
\(Q=3Q_1=3{I_X}^2X=3\left(\cfrac{E}{X}\right)^2×X=\cfrac{3E^2}{X}\)

\(Q=\cfrac{3(200/\sqrt3)^2}{4/3}=30\)[kW]

(b) スイッチ S を閉じて、コンデンサ C を接続するとコンデンサは Δ結線なので Y結線に変換します。

Δ結線をY結線に変換するとコンデンサの容量は、\(\cfrac{1}{3}\)になります。

Δ結線の静電容量を\(X_{CΔ}\)

Y結線の静電容量を\(X_{CY}\) とすると

\(X_{CY}=\cfrac{1}{3}X_{CΔ}\)

一相分の等価回路を図bとすると

問題文で、図1と図2の有効電力と無効電力が等しいので、負荷の抵抗とリアクタンスがそれぞれ等しいことになります。

図aと図bのアドミタンスが等しくなれば良いことになります。

\(\dot{Y_a}=\cfrac{1}{R}+\cfrac{1}{jX}=1-j\cfrac{3}{4}\)[S]

\(\dot{Y_b}=\cfrac{1}{R}+\cfrac{1}{jX'}+j\cfrac{1}{X_{CY}}=1-j\left(\cfrac{3}{2}-3ωC\right)\)[S]

虚数部を等しいとすると、\(\cfrac{3}{4}=\cfrac{3}{2}-3ωC\)より

\(3ωC=3(2πf)C=6πfC=\cfrac{3}{2}-\cfrac{3}{4}=\cfrac{3}{4}\)

式を変形して
\(C=\cfrac{1}{8πf}=\cfrac{1}{8×3.14×50}\)

\(C≒0.000796\)[F]

\(C≒800\)[μF]になります。

正解は(a)-(4) (b)-(1)になります。

問17(電気力)

問17
図のように、真空中において二つの小さな物体A、Bが距離 \(r\) [m] を隔てて鉛直線状に置かれている。
A は固定されており、A の真下に B がある。

物体 A,B はそれぞれ、質量 \(m_A\) [kg]、質量\(m_B\) [kg]をもち、電荷 \(+q_A\) [C]、\(-q_B\) [C]を帯びている。

\(q_A >0\)、\(q_B >0\) とし、真空の誘電率を\(ε_0\) [F/m]とする。
次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

ただし、小問(a)においては重力加速度 \(g\) [m/s2] の重力を、小問(b)においては無重力を、それぞれ仮定する。

(a) 重力加速度 \(g\) [m/s2] の重力のもとでBを初速度零で放ったとき、BはAに近づくように上昇を始めた。
このときの条件を表す式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(b) 無重力のもとでBを下向きの初速度 \(v_B\) [m/s]で放ったとき、Bは下降を始めたが、途中で速度の向きが変わり上昇に転じた。
このときの条件を表す式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

問 (a)
鉛直線とは、重力の方向のこと。
(a) 物体Aは固定されています。

物体Bを初速度零で放ったときは、物体Bの下向きに \(F_g\) の力がかかります。
物体Bの上向きには、クーロン力 \(F_C\) がかかります。
物体Bが物体Aに近づいて上昇したということから、\(F_C>F_g\) ということです。

従って
\(\cfrac{q_Aq_B}{4πε_0r^2}>m_Bg\)になります。

答え (a)-1

問 (b)
質量をm[g]、速度をv[m/s]とした場合、この物体の運動エネルギーは(\cfrac{1}{2}mv^2) [J] になります。

問題文から、質量 \(m_B\) [kg]の物体Bを下向きに初速度 \(v_B\) [m/s] で放ったので、物体Bのエネルギー \(J_v\) {kJ} は、次のようになります。

\(J_v=\cfrac{1}{2}m_B{v_B}^2\)

\(r\) [m] の距離がある、物体Aと物体B間のクーロン力は

\(J_C=\cfrac{q_Aq_B}{4πε_0r^2}・r\)

\(J_C=\cfrac{q_Aq_B}{4πε_0r}\)

物体Bが途中から上昇を始めたとあるので、次の式が成り立ちます。

\(J_v \lt J_C\)

\(\cfrac{1}{2}m_B{v_B}^2 \lt \cfrac{q_Aq_B}{4πε_0r}\)

答え (b)-2

正解は(a)-(1) (b)-(2)になります。

問18(半導体回路)

問18
図1は、代表的なスイッチング電源回路の原理図を示している。
次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

(a) 回路の説明として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)インダクタンス \(L\) [H] のコイルはスイッチ S がオンのときに電磁エネルギーを蓄え、\(S\) がオフのときに蓄えたエネルギーを放出する。

(2)ダイオード \(D\) は、スイッチ \(S\) がオンのときには電流が流れず、\(S\) がオフのときに電流が流れる。

(3)静電容量 \(C\) [F] のコンデンサは出力電圧 \(V_0\) [V] を平滑化するための素子であり、静電容量 \(C\) [F] が大きいほどリプル電圧が小さい。

(4)コイルのインダクタンスやコンデンサの静電容量値を小さくするためには、スイッチ \(S\) がオンとオフを繰り返す周期(スイッチング周期)を長くする。

(5)スイッチの実現には、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタが使用できる。

(b) スイッチ \(S\) がオンの間にコイルの電流 \(I\) が増加する量を \(ΔI_1\) [A] とし、スイッチ \(S\) がオフの間に \(I\) が減少する量を \(ΔI_2\) [A] とすると、定常的には図2 の太線に示すような電流の変化がみられ、\(ΔI_1=ΔI_2\) が成り立つ。

ここで出力電圧 \(V_0\) [V] のリプルは十分小さく、出力電圧を一定とし、電流 I の増減は図2のように直線的であるとする。

また、ダイオードの順方向電圧は \(0\) V と近似とする。

さらに、スイッチ \(S\) がオン並びにオフしている時間をそれぞれ \(T_{ON}\) [s]、\(T_{OFF}\) [s] とする。

\(ΔI_1\) と\(V_0\) を表す式の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

<解答例>

問題(a)
(a) 問題図1の、スイッチ \(S\) がONと OFF の期間の回路動作を図(イ)、図(ロ) に示す。

(1)図(イ) \(S\) が ON の期間、\(L\) [H] に流れる電流 \(I\) によって、コイルに蓄えられる電磁エネルギー \(W\) は、次のようになります。
\(W=\cfrac{1}{2}LI^2\)[J]

図(ロ) スイッチ \(S\) が OFF の期間はダイオードを通じて、エネルギーを負荷に放出する。
記述は正しい。

(2)図(イ)、図(ロ) ダイオード D は \(S\) が ON のときは、逆電圧になるので電流は流れません。
\(S\) がOFFのときは、\(L\) の起電力により順電圧がかかるので、電流が流れます。
記述は正しい。

(3)静電容量 \(C\) は出力電圧 \(V_0\) のリプル(脈動)を平滑化する素子で、静電容量 \(C\) が大きいほどリプル電圧は小さくなります。
記述は正しい。

(4)コイルの \(L\) {H} やコンデンサの \(C\) [F] を小さくするには、\(L\) や \(C\) に蓄えられたエネルギーの放出期間(周期)を短くすれば良いことになります。
記述は誤りです。

(5)記述は正しい。

(a)の答えは(4)です。

問題(b)
(b)\(ΔI_1\)と\(V_0\)を表す式を求める。

図(イ) から、\(T_{ON}\)時は\(v_L=E-V_0\)、電磁法則により次の式が成り立ちます。

\(L\cfrac{ΔI}{Δt}=E-V_0\)

\(ΔI=\cfrac{(E-V_0)Δt}{L}\)

図(ロ)から、\(ΔI=ΔI_1 ,Δt=T_{ON}\)を代入します。

\(ΔI_1=\cfrac{(E-V_0)T_{ON}}{L} \quad\) \(ΔI_1\)の答え

\(T_{OFF}\)の時は、\(v_L=V_0\)なので、次の式が成り立ちます。

\(L\cfrac{ΔI}{Δt}=V_0\)

\(ΔI=\cfrac{V_0Δt}{L}\)

\(ΔI=ΔI_2 ,Δt=T_{OFF}\)を代入します。

\(ΔI_2=\cfrac{V_0T_{OFF}}{L}\)

題意から、\(ΔI_1=ΔI_2\)なので

\(\cfrac{(E-V_0)T_{ON}}{L}=\cfrac{V_0T_{OFF}}{L}\)

\(V_0=\cfrac{T_{ON}E}{T_{ON}+T_{OFF}} \quad\) \(V_0\)の答え

正解は(a)-(4) (b)-(2)になります。

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