問2(電荷間に働く力)
問 2
図2のように、真空中の直線状に間隔 \(r\) [m] を隔てて、点A、B、C があり、各点に電気量 \(Q_A=4×10{-6}\) [C]、 \(Q_B\) [C]、 \(Q_C\) [C] の点電荷を置いた。
これら三つの点電荷に働く力がそれぞれ零になった。
このとき \(Q_B\) [C] 及び \(Q_C\) [C] の値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、真空の誘電率を \(ε_0\) [F/m] とする。

<解答例>
• それぞれの位置関係

電界の強さの公式は
\(E=\cfrac{1}{4πε_0}\cdot\cfrac{Q}{r^2}=9×10^9×\cfrac{Q}{r^2}\) [V/m]
電荷に働く力の公式は
\(F=QE\) [N]
●電荷 \(Q_A\) を考える
\(Q_A\) が \(Q_B\)、 \(Q_C\) に作る電界の強さをそれぞれ \(E_{A1}\)、 \(E_{A2}\) とします。

\(E_{A1}=9×10^9×\cfrac{Q_A}{r^2}\)
\(E_{A2}=9×10^9×\cfrac{Q_A}{(2r)^2}\)
• \(Q_A\) が及ぼす力は次のようになります

\(F_A=F_{A1}+F_{A2}=0\)
• \(Q_B\) にかかる力 \(F_{A1}\)
\(F_{A1}=Q_BE_{A1}=9×10^9×\cfrac{Q_AQ_B}{r^2}\)
• \(Q_C\) にかかる力 \(F_{A2}\)
\(F_{A2}=Q_CE_{A2}=9×10^9×\cfrac{Q_AQ_C}{4r^2}\)
• \(Q_A\) にかかる力 \(F_A\)
\(F_A=F_{A1}+F_{A2}\)=0
\(F_A=9×10^9×\cfrac{Q_AQ_B}{r^2}+9×10^9×\cfrac{Q_AQ_C}{4r^2}\)
\(F_A=9×10^9×\cfrac{Q_A(Q_B+\cfrac{Q_C}{4})}{r^2}=0 \cdots(1)\)
式(1) から
\(Q_B=-\cfrac{Q_C}{4} \cdots(2)\)
• 電荷 \(Q_B\) を考える
\(Q_B\) が \(Q_A\) \(Q_C\) に作る電界の強さをそれぞれ \(E_{B1}\) \(E_{B2}\) とします。

\(E_{B1}=9×10^9×\cfrac{Q_B}{r^2}\)
\(E_{B2}=9×10^9×\cfrac{Q_B}{r^2}\)
• \(Q_B\) が及ぼす力 を考える

\(F_B=F_{B1}-F_{B2}\)=0
• \(Q_A\) にかかる力 \(F_{B1}\)
\(F_{B1}=Q_AE_{B1}=9×10^9×\cfrac{Q_AQ_B}{r^2}\)
• \(Q_C\) にかかる力 \(F_{A2}\)
\(F_{B2}=Q_CE_{B2}=9×10^9×\cfrac{Q_BQ_C}{r^2}\)
• \(Q_B\) にかかる力 \(F_B\)
\(F_B=F_{B1}-F_{B2}\)=0
\(F_B=9×10^9×\cfrac{Q_AQ_B}{r^2}-9×10^9×\cfrac{Q_BQ_C}{r^2}\)
\(F_B=9×10^9×\cfrac{Q_B(Q_A-Q_C)}{r^2}=0 \cdots(3)\)
式(3) から
\(Q_A=Q_C \cdots(4)\)
式(4) から
\(Q_C=Q_A=4×10^{-6}\) [C] になります。
式(2) から
\(Q_B=-\cfrac{Q_C}{4}=-\cfrac{4×10^{-6}}{4}\)
\(Q_B=-1×10^{-6}\) [C]
正解は(3になります。
