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電験三種 H21年 理論 問15 問題と解説

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問15

問 15

電気計測に関する記述について、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a)ある量の測定に用いる方法には各種あるが、指示計器のように測定量を指針の振れの大きさに変えて、その指示から測定量をしる方法を(ア)法という。

これに比較して精密な測定を行なう場合に用いられている(イ)法は、測定料と同種類で大きさを調整できる既知量を別に用意し、既知量を測定量に平衡させて、そのときの既知量の大きさから測定量を知る方法である。

(イ)法を用いた測定器の例としては、ブリッジや(ウ)がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。


(b) 図は、ケルビンダブルブリッジの原理図である。
図において \(R_X\) [Ω] が未知の抵抗 \(R_S\) [Ω] は可変抵抗 \(P\) [Ω]、\(Q\) [Ω]、\(p\) [Ω]、 \(q\) [Ω] は固定抵抗である。

このブリッジは、抵抗 \(R_x\) [Ω] のリード線の抵抗が、固定抵抗 \(r\) [Ω] 及び直流電源側の接続線に含まれる回路構成となっており、低い抵抗の測定に適している。

図の回路において、固定抵抗 \(P\) [Ω]、 \(Q\) [Ω]、 \(p\) [Ω]、 \(q\) [Ω] の抵抗値が (ア)= 0 の条件を満たしていて、可変抵抗 \(P\) [Ω]、固定抵抗 \(r\) [Ω] においてブリッジが平衡している。この場合は、次式から抵抗 \(R_X\) [Ω] が求まる。
\(R_X = ( (イ) )R_S\)

この式が求まることを次の手順で証明してみよう。

[証明]
回路に流れる電流を図に示すように \(I\) [A]、 \(i_1\) [A]、 \(i_2\) [A] とし、閉回路 Ⅰ及び Ⅱにキルヒホッフの第2法則を適用すると 式①、② が得られる。

\(Pi_1=R_XI+pi_2\cdots ①\)

\(Qi_1=R_SI+qi_2 \cdots ②\)
式①、② から

\(\cfrac{P}{Q}=\cfrac{R_XI+pi_2}
{R_SI+qi_2}=\cfrac{R_X+p\cfrac{i_2}{I}}{R_S+q\cfrac{i_2}{I}} \cdots ③\)

また、\(I\) は \((p+q)\) と \(r\) の回路に分流するので、\((p+q)i_2=r(I-i_2)\) の関係から式④ が得られる。

\(\cfrac{i_2}{I}=\)(ウ)\(\cdots ④\)

ここで、\(K\) =(ウ) とし、式③を整理すると式⑤が得られ、抵抗 \(R_X\) [Ω] が求まる。

\(R_X\) = ( (イ) )\(R_S\) + ( (ア) )\(qK \cdots ⑤\)  

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる式として、正しいものを組み合わせたには次のうちどれか。

<解答例>

(a)の問
電気計測の測定法に、偏位法と零位法があります。

偏位法とは、計器の指針の振れから測定対象の値を読み取る方法です。指示計器の多くはこの方法を使用しています。

零位法とは、測定量と既知量を平衡させて、計器の振れが0(ゼロ)になるように調節して、調整した値から測定量を読み取る方法です。

ブリッジや直流電位差計などはこの方法を使用しています。

以上のことから、問(a)の (ア)は「偏位法」、 (イ)は「零位法」、 (ウ)は「直流電位差計」 となります。

(b)の問
(ウ)の説明
分流の公式から
\(i_2=I×\cfrac{r}{p+q+r}\)

\(∴\cfrac{i_2}{I}=\cfrac{r}{p+q+r}\)

\(\cfrac{i_2}{I}=K\) として、式③ を整理すると

\(\cfrac{P}{Q}=\cfrac{R_X+pK}{R_S+qK}\)

\(Q(R_X+pK)=P(R_S+qK)\)

\(QR_X=PR_S+qPK-pQK\)

\(R_X=\cfrac{P}{Q}R_S+\left(\cfrac{P}{Q}-\cfrac{p}{q}\right)qK\)

以上のことから、問(b)は次のようになります。

(ア)=\(\left(\cfrac{P}{Q}-\cfrac{p}{q}\right)\)、

(イ)=\(\cfrac{p}{q}\)

(ウ)=\(\cfrac{r}{p+q+r}\) となります。

正解は問aが(1)、問bが(1)

正解は(a)-(1)、(b)-(1)になります。

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