電験三種 H21年 理論 問4 問題と解説

目次

問4

問 4

図のように、点 O を中心とするそれぞれ半径 1 [m] と半径 2  [m] の円形導線の \(\cfrac{1}{4}\) と、それらを連結する直線状の導線からなる扇形導線がある。

この導線に、図に示す向きに直流電流 \(I=8\) [A] を流した場合、点 O における磁界 [A/m] の大きさとして、正しいのは次のうちどれか。

ただし、扇形導線は同一平面上にあり、その巻数は一巻きである。

<解答例>

ここでは、円形電流が、円の中心に作る磁界の式を使います。
\(H=\cfrac{NI}{2r}\) を使います。

ただし、巻数が一巻きですから、N は 1 です。
扇形導線の各部分の磁界は、次のとおりです。

① の部分の導線による、点 O による磁界の方向は、奥から手前の方向です。

② の部分の導線による磁界は、点 O に関係しません。

③ の部分の導線による、点 O による磁界の方向は、手前から奥の方向です。

④ の部分の導線による磁界は、点 O に関係しません。

各部分の磁界の大きさ

\(H=\cfrac{NI}{2r}\) を使うと

① の部分の導線による磁界の大きさを \(H_1\) とすると、
\(H_1=\cfrac{1×8}{2×1}×\cfrac{1}{4}=1\) [A/m]

③ の部分の導線による磁界の大きさを \(H_1\) とすると、
\(H_1=\cfrac{1×8}{2×2}×\cfrac{1}{4}=0.5\) [A/m]

点O における磁界の大きさ \(H\) [A/m] を求めると
\(H=H_1-H_2=1-0.5=0.5\) [A/m]

正解は(2)になります。

目次