電場(電界)と電位

電場とは何か?ということを地球に例えてイメージすると理解しやすいと思います。

一般的な説明では、電場とは静電気力(クーロン力)が働いている空間とか プラス 1 クーロンの電荷が受ける静電気力と説明されています。

しかし、電場がどんなものかというイメージを持つことが理解しやすいと思います。

電場と電界という言葉がありますが、電場と電界は同じことを別の言い方で表していることになります。

最近は電場という言い方をするようになってきたようです。

ここでは電場(電界)と電位について説明します。

電場を地球に例えて考える

■ 重力をイメージする
地球上で物体をある位置に置くと、どこに置いても重力がかかります。
このように重力がかかる空間を重力場といいます。

■ 電場をイメージする
ある電荷 \(Q\) があるとき、その周りに別の電荷を置くと静電気力が発生し互いに反発したり、引き合ったりします。
このように静電気力(クーロン力)が働く空間のことを電場(電界)といいます。(ここでは電荷の極性は考えないことにします。)

電場(電界)とは

 \(+Q\) の電荷があります。
電荷のまわりには静電気力が働く空間があります。このように静電気力が働く空間のことを電場といいました。

\(+Q\) の電荷から離れた点A に +1 [C] の電荷を置くと、クーロンの法則による力がかかります。

この力のことを電場といい記号を \(E\) で表します。  

• 電場(電界)\(\dot{E}\cdots\) +1 [C] の電荷が受ける静電気力(ベクトル量)をいう。

点電荷の場合は +1 [C] の電荷の置かれる場所により、電場の大きさは違ってきます。

静電気力の大きさは、電荷間の距離によって変化します。

その場所で +1 [C] の電荷が受ける静電気力のことを 電場の大きさ というわけです。

電場 \(E\) は大きさと方向を持つ ベクトル で表されます。

また、静電気力 \(E\) は保存力なので、位置エネルギーを定義することができます。

イメージ図の電場が \(E\) になります。
電荷の周りには静電気力が働く空間があり、この静電気力が働く空間のことを電場といいます。

電場(電界)については次の記事が参考になります。
■関連記事■ 電場(電界)とは(点電荷の場合)

電位とは

電場の中にある +1 [C] の電荷は、位置エネルギーを持っています。
+1 [C] の電荷の持つ、位置エネルギーを \(V\) と書いて 電位 と呼びます。
電位 \(V\) は大きさだけのスカラー量になります。

• 電位 \(V\cdots\) +1 [C] の電荷が持つ静電気力の位置エネルギー(スカラー量)をいう。
■ メモ
位置エネルギーを求めるには、保存力を計算すれば良い。
保存力(仕事)=力✕距離 [J] 

■ 位置エネルギーを求める基準点
位置エネルギーを求めるには基準点が必要になります。
+1 [C] の電荷の持つ、位置エネルギーは、点Aから点Oまでの仕事量 \(W_{A_O}\) です。

• 電場(電界)\(\dot{E}\cdots\) +1 [C] の電荷が受ける静電気力(ベクトル量)をいう。
• 電位 \(V\cdots\) +1 [C] の電荷が持つ静電気力の位置エネルギー(スカラー量)をいう。
電位については次の記事が参考になります。
■関連記事■ 電位とは(点電荷の場合)

電場と位置エネルギー

    ■ 静電気力の求め方

  • 点Aにおける電場が \(E\) ならば、点Aにある +1 [C] の電荷が受ける力 \(F\) の大きさは電場の定義から \(F=E\) [N] になります。
  • 点Aに +2 [C] の電荷を置いた場合は \(F=2E\) になります。
  • 点Aに \(+q\) [C] の電荷を置いた場合は、\(+q\) [C] の電荷が受ける力は \(F=qE\) [N] になります。

    ■ 静電気力の方向

  • 静電気力の計算に電荷の符号を付ける必要はない。
  • 電荷 \(q\) [C] が プラスなら力の方向は電場と同じ方向になります。
  • 電荷 \(q\) [C] が マイナスなら力の方向は電場と逆の方向になります。

    ■ 電荷が持つ位置エネルギー

  • 電荷が受けている静電気力は保存力でもあるので、位置エネルギーを持っていることになります。
  • 点Aにおける電位が \(V\) ならば、点Aにある +1 [C] の電荷の持つ位置エネルギー \(U\) の大きさは、電位の定義から \(U=V\) [J] になります。
  • 点Aに \(+q\) [C] の電荷を置いた場合は \(+q\) [C] の電荷の持つ位置エネルギーは \(U=qV\) [J] になります。
  • 位置エネルギーの計算では、電荷や電位の符号はそのまま付けて計算する必要があります。

■ メモ
電位の単位は [J/C] ですが [J/C] = [V] で表し ボルト といいます。
静電気力 \(F=qE\) [N]

位置エネルギー \(U=qV\) [J]

練習問題

■ 問題1
図のように、点Aにおける電場の大きさが \(3✕10^3\) [N/C] で方向が右向き、点Aでの電位は \(3\) [V] とする。
点Aに \(-2✕10^{-6}\) [C] の電荷を置いたとき、次の問に答えよ。
(1)点Aに置いた電荷の受ける静電気力の大きさと方向を求めよ。
(2)点Aに置いた電荷の位置エネルギーはいくらか求めよ。 

解答例
(1)
静電気力の方向は、点Aに置いた電荷がマイナスなので電場の方向と逆向きの左向きになります。

静電気力の大きさは公式から
\(F=qE=2×10^{-6}×3×10^3\) [N]

\(F=6×10^{-3}\) [N] 

したがって答えは、大きさが \(6×10^{-3}\) [N] で向きは左向きになります。

(2)
点Aに置いた電荷の位置エネルギーは、公式から
\(U=qV=-2×10^{-6}×3\)

\(U=qV=-6×10^{-6}\) [J] 

したがって、位置エネルギーは \(-6×10^{-6}\) [N] になります。

以上で「電場(電界)と電位」の説明を終わります。